おおきに~豆はなどす☆今回は東山区、京都五花街の一つである宮川町の昔ながらの関西伝統的スタイルの庶民派食堂。麺類と丼物が一通りそろい、定食メニューもあり。今回は冬こそ食べたい『けいらん』を求めて。

底冷えの季節にこそ食べたい熱々の『けいらん』

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東山区四条川端下がり松原通り、京都五花街の一つ宮川町界隈へ。
この日はこの近くにある京都ゑびす神社参拝の帰りの遅い昼食にこちらへ。

昔ながらの佇まいの古い庶民派食堂。地元や関西圏ではおなじみの『力餅食堂』。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

こんな餅つき用の杵がクロスしたマークが『力餅食堂』であることの証。

『力餅食堂』は明治22年豊岡市で饅頭(まんじゅう)店として創業。その後、明治28年には「勝利饅頭」と改名し京都六角に開店。『力餅食堂』の店名は、創業者・池口力造翁の「力」と商品である「餅」からとったもの。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

大正時代に入ると麺、丼物も加わって食堂スタイルに。さらに暖簾分け制度で関西圏に店舗数を急拡大。全盛期の昭和末期には、京都市内でも至る所で見かけた力餅食堂ですが、現在では10店にも満たないとか。
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店内は昔懐かしい食堂スタイル。テレビもあり、さらにストーブも焚かれ、さっきまでとは雲泥の温かさ。店の一番奥に陣取る。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

花街界隈のお店らしく、芸舞妓さんのうちわもたくさん飾られ、現にこの時も舞妓さんが食べに来られていました。
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壁に備えられたお品書き。うどんそば、丼物と、中華そばやカレーもあり。さらに定食もあり、いかにも食堂的なラインナップ。一番高いものでうなぎ丼1200円。それ以外はどれも1000円以下の割安メニューぞろい。

今回は熱々メニューで身体を温めたいと思い、けいらんうどん750円を注文。
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ご主人は釣り好きなのか、魚拓が飾られていたり。年配のご夫婦で営まれていました。
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時折、女将さんがストーブに近づいてはチラチラと何かをいじる様子。よく見ると、ヤカンの隅に隠しながらお餅を焼いていました(笑)おそらく、お客が引けてからの昼食用のような。なんともほのぼのとした雰囲気が漂います。
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しばらくして運ばれてきたけいらん。
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年季の入ったお盆には、使い込まれて若干剥げかかっている『ちから餅』の文字。
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で、再びけいらんうどん。
あんかけの粘度が濃いめらしく、もっこりとしたふくらみをたたえ、べっこう色に輝く外観。いかにも美味しそう。玉子もいい具合に半熟。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

中央にはおろし生姜もたっぷりと天盛り。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

まずはあんかけの汁を一口。
熱々です。もちろん。で、いい玉子のトロトロかげん。白身と黄身の混ざり具合もよく、なんというか個人的なことですが、うちの母が作ってくれた玉子とじを思い出すような。そんな塩梅のいいあんかけ。出汁も少し甘みもあり、ほっこりとする美味しさ。
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そして、中のうどんを持ち上げると、お約束のように曇るレンズ(笑)熱々です。
艶やかなあんかけ出汁にまみれたうどんは京都らしいやわやわのゆでうどん。噛む回数最小限で済む飲み物的なやつ。でも実際飲んでしまうと熱々すぎて食道やけどするので、うどんを冷ますために噛むような(笑)

一口、また一口と食べていくと、それに比例してじわじわと身体が温まり、汗ばむぐらい。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

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ちょうどあんかけの粘度がゆるくなったのを機に、味変に卓上の七味をパラリ。
そして、一気にズルズルとうどんと出汁、玉子を口へ流し込む。
【京都ランチめぐり】五花街宮川町の関西伝統の庶民派食堂!熱々『けいらん』でほっこり☆「力餅食堂北垣商店」

最後、丼を持ち上げ、完食完汁でゴチ!

最近、こういう出汁感効いた大衆食堂系のうどんそばが定期的に食べたくなるんですよね。小さい頃から擦りこまれた味覚だからか。そして、そんな味覚が段々町から消えつつあるからか。寒い季節こそ人のぬくもりも含め、慣れ親しんだ味わいが恋しくなるものなのかもしれませんね。

ヨ~イヤサ~♪

力餅食堂 への口コミ

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