ボーカルのぽん、サウンドクリエイターの小島英也からなる音楽ユニット・ORESAMAが、ニューシングル「Gimmme!」を完成させた。話題の新レーベル・Purple One Starからのリリースとなる本作は、異色の“睡眠”ファンタジーコメディ作品となるTVアニメ『魔王城でおやすみ』のEDテーマ。
【動画】ORESAMA「Gimmme!」-MUSIC VIDEO-(TVアニメ「魔王城でおやすみ」ED主題歌)
誰もが共感できる“睡眠”への思いを投影した「Gimmme!」
――新曲「Gimmme!」は『魔王城でおやすみ』のEDテーマということで、まずは作品の印象についてお聞かせください。どんなところが魅力だと感じますか?
ぽん タイアップのお話をいただいて初めて原作を読ませていただいたのですが、魔王城に囚われの身のお姫さまが、寝ることしかすることがないから、魔王城のなかで眠りの質を追求していくという、そのストーリーがすでに面白いなあと思いました。スヤリス姫は、あんなにも可愛らしくて、ふわふわっとしてそうなのに、魔王城のモンスターを襲ってアイテムをゲットしたりして、実はすごく破天荒じゃないですか。私はおばけふろしきが好きなんですけど、すぐ(姫に)倒されちゃうので「おばけふろしき~!」ってなっちゃって(笑)。そういうギャップがすごく楽しい作品で、夢中で読んでしまいました。
小島英也 あと、ゲームの要素がものすごくたくさん出てくるんですよね。「このゲーム知ってる!」となることも多かったので、自分もゲームをプレイしたような感覚になりながら、楽しんで読ませていただきました。
ぽん 小島くんは自粛期間中、主にゲームをやってたんだよね?
小島 もちろん仕事もしてたけどね(苦笑)。それと(スヤリス姫の)眠りに対する執着心も見習うべきところがあるなと思って。自分もあれぐらい音楽に対する執着心を持っていないといけないなと思いましたし、何かを成し遂げるためには、何かを犠牲にするぐらいの気持ちがいいなあと思いました。
ぽん 私もスヤリス姫が“眠り”に対してすごく貪欲なところが一番印象的だったので、そこは曲のタイトルや歌詞を書くにあたってすごく感化されました。「気持ちよく眠りたい!」という気持ちは誰もがわかるものものだし、毎回ゴールも明確じゃないですか。「枕をよくする」とか「シーツをよくする」とか。なので私も今回はストレートな歌詞を書きたくて、ゴールが「眠りたい!」という、ただそれだけの曲を書こうと思ったんです。「Gimmme!」という曲名も、本来の綴りは“Gimme”と書いて“貪欲”という意味なんですけど、文字面でも「眠りたい!」という強い気持ちを表現したくて、“m”を一個増やしたんです。
――ちなみにお二人は“睡眠”に関して何かこだわりをお持ちですか?
小島 僕は眠る時間というのはすごく貴重なものだと思っていて。忙しくなると、なかなか睡眠時間が取れなかったり、家のベッドでちゃんと寝れなかったりすることがあるので、どれだけ良い睡眠が取れるかということにはこだわっています。もちろん枕とか寝具にもこだわりますし、ハーブティーをいれたり、お昼寝ぐらいの時間であればコーヒーを飲んだりとか。僕は寝るのが本当に好きで、曲が行き詰ったときには、気分転換のために寝ることがよくあるんです。その意味でもちゃんと睡眠が取れるように注意を払っていますね。寝不足だとパフォーマンスが落ちますし。
ぽん 私は硬いマットレスじゃないと眠れなくて。
小島 それは(フローリングの床が)冷たいから?
ぽん そう、冷たいし硬いし。床にそのまま行き倒れみたいな感じで寝てるので、家族にはいつも怒られます(笑)。ベッドで寝ているときも、枕はなしのことが多いし、硬くないと寝れないんです。柔らかかったり、枕が合わないと、頭痛が起きやすいんですよね。それならいっそのことないほうがいいと思って。床で寝たときは、目覚めると(身体が)バキバキだから、身体は休まってないかもしれないですけど(笑)。だから今の小島くんの話を聞いて、ちょっと反省しました。
小島 それでもいいんですよ。人それぞれ、一番ベストな環境を見つけるということが重要ですから。
――話を戻して、今回の「Gimmme!」は“眠り”をテーマにした楽曲で、なおかつアニメのEDテーマになりますが、いわゆるEDテーマにありがちなゆったりしたタイプの曲調ではなく、ORESAMAらしいノリのいい楽曲に仕上がっています。このアプローチはどのように導き出されたのですか?
小島 制作サイドからのリクエストとして、賑やかで、明るくて、80’sや90’sのようなレトロ感というキーワードをいただいたので、今回は僕が原作から受けたドタバタ劇や魔物たちの賑やかな雰囲気を曲に入れることにしました。
ぽん でも、歌詞ではまだ寝てないんですよね。寝ようとするところから始まっていて。アニメの制作サイドからも「おやすみ」というキーワードを入れてほしいというオーダーをいただいたので、それを冒頭に入れてみると面白いかなと思って、歌い出しは“おやすみ”から始まる歌詞にしました。家に帰ってきて「これからようやく寝れる!」っていうときは、めちゃくちゃ幸せじゃないですか。原作も良い眠りを求めるお話なので、眠りに至るまでの昂揚感という角度から歌詞を書いていて。自分の中では楽しくてハッピーな“陽”の曲なんです。でも、自分の性分として“陽”だけではいられないので、逆にカップリングの「夜行ノ雨」は同じ“眠り”をテーマにしつつ、とても悲しい歌詞にしました。そうすることでシングル一枚としても面白いものになると思ったんです。
――なるほど。サウンド的には、夢の中の世界をイメージしたとのことですが、具体的にどんな部分にこだわりましたか?
小島 夢というのは展開が激しかったり、シーンがバタバタと変わっていくイメージがあるので、J-POP的な起伏をより強調することで、場面転換の激しさというのを表現して、1曲通して聴くとより起伏のある作りにしました。
――SE的な音で言うと、星屑が落ちてくるようなシンセ音、いわゆる『うる星やつら』のSEで使われそうな音が印象的でした。
ぽん ラムちゃんが飛んでいくときみたいな音ですよね。
小島 その音は今回の曲で一番耳につくところかもしれないですね。あれは僕の感じるレトロ感でもあって、(作品の登場キャラクターが)よく空も飛んでいるので、今回の作品にぴったりかなと思って入れました。聴きどころの一つかもしれないです。
――落ちサビでオルゴール風のサウンドになるところも、作品の世界観や楽曲のテーマ性にすごくマッチしているように感じました。
ぽん 私、あそこに入っている時計の音が好きなんです。
小島 あの時計の音はぽんちゃんのアイデアなんですよ。最初はオルゴールの音だけだったんですけど、ぽんちゃんが「もう少しベッドルーム的な要素が欲しい」ということで、じゃあ時計の針の音を入れてみようと思って。この曲はワンコーラスだけ聴くと、先ほど話した夢の中のテイストが強いですけど、フルで聴くと眠りの要素も結構入っているんです。特にオルゴールの部分は、夜にベッドに入って、時計の音だけがチクタクなっている様子を想像しながら作りました。
――歌詞で描かれている、眠りに対する貪欲さや楽しみな気持ちは、スヤリス姫の心情に重ねたところだと思うのですが、例えば作品を離れたところで、ORESAMAらしさや自分らしさを出したところはあります?
ぽん いつもなら(作品の中の)「この心情、わかる!」とか「ここが私たちとリンクする」という部分を拾い集めて歌詞を書くんですが、今回はフィクションの世界だけど気持ち的には「できる限り質のいい眠りがしたい!」という、誰でも共感できる部分が描かれていたので、そのまま自分の気持ちにも沿った内容として書きました。みんなにも絶対にわかってもらえると思っていたので、楽しく書くことができました。
――個人的にはサビの“あきれるほどこの世界とまぼろしと その狭間だけの幸せを夢見てる”というフレーズがいいなあと思いました。
ぽん ありがとうございます。眠りにつく直前のふわあってなる瞬間が、一番幸せだと思うんですよ。自分もこのフレーズは気に入っています。
――このフレーズをORESAMAの活動に重ね合わせて考えた場合、例えばORESAMAのライブはステージや照明などの演出を含め、現実ではない特別な空間を演出されているじゃないですか。
ぽん そう思っていただけると嬉しいですね。
小島 僕はライブもファンタジックなものでありたい、現実をちょっと超越したライブをしたい気持ちがあって。その意味では、ライブでも常にファンタジーとか魔法というものがキーワードに上がってきますね。
ぽん この曲は、ライブでお客さんが「ここで盛り上がってくれるかな?」というのが想像しやすいなあと思っていて。BPMもそこまで速くないし。なのでワンマンライブで披露するのが楽しみです。
――ぽんさんの歌声からも、これから眠ることのワクワク感が伝わってきますが、レコーディングはいかがでしたか?
小島 落ちサビのオルゴールのところは、僕から「あまりはっきり歌わないで」とお願いしまして。ここはオルゴールの音と相まって、それこそ夢と現実の狭間というか、寝ぼけてる感じもあれば、夢の中で覚醒している感じもある、その狭間の感じを表現したかったんです。でも、“こっちの曲”の歌入れはスムーズでしたね。
ぽん “こっちの曲”って(笑)。
小島 ぽんちゃんの歌詞も、言葉だけじゃなく、音でもリズムでも遊ぶのがすごく上手なんですよ。今、別で作ってる曲もそういうテイストがあるんですけど、そっちでもその良さが顕著に表れていて。言葉とリズムのはめ方が上手いとレコーディングは早く進むので、“こっちの曲”は歌への感情の乗せ方も含めてスムーズにいきました。
ぽん 2回も言った!(笑)。
――察しました(笑)。リズムに対する言葉の乗せ方という意味では、2Aの展開が変わるところも、譜割りが変化して面白かったです。
ぽん 2Aのところは私もすごく好きなんです。歌詞もスヤリス姫に掛けたフレーズを入れたり、自分も遊べたなと思います。でも、だんだん小島くんの音に対する歌のはめ方というのが厳しくなっていってるんですよ。“スヤスヤ”のところも流す感じで歌ったら、もっとリズムにちゃんと乗せるように言われて。
小島 最近、僕の作るメロディが細かくてリズミカルになっているところがあって、特に「Gimmme!」の2Aはそれがよく表れていると思うんですね。なのでぽんちゃんも苦労してるだろうなと思いながら曲を渡しているんですけど、この2Aの歌詞が届いた瞬間に「勝ったな!」と思いましたね。
ぽん それは誰と戦ってるの?(笑)。
小島 自分です(笑)。メロと歌詞が合致したときの達成感は他で味わえないものがあって。たまに完全に一致したと感じるときがあるんですけど、それがこの2Aにはありました。
ORESAMAが夢の中で七変化! こだわりのMV裏話
――「Gimmme!」のMVは、ぽんさんの夢の中でいろんなことを行うという内容で、すごく面白かったのですが、最初に観たとき、情報量が多すぎて頭が追い付かなかったです(笑)。
ぽん そうですよね(笑)。今までのMVは、うとまるさん(ORESAMAのジャケットなどを手がけるイラストレーター/アートディレクター)の世界観が占める割り合いが多かったので、今回は佐伯(雄一郎)監督から、「実写の割り合いが多い新しいテイストで撮ってみませんか?」とご提案いただきまして。監督から「いろんな夢を巡る設定だから、もし、ぽんちゃんがやりたいことがあったら教えて」とおっしゃっていただいたので、「犬に埋もれたい」とか「マリー・アントワネットになりたい」とか「着ぐるみショーの中の人をやってみたい」とか、いろいろリクエストさせていただきました……現実的な問題で着ぐるみの中には入れなかったんですけど(笑)。最終的には衣装も10着ぐらい着させていただいて、撮影は大変でしたけど、パロディー感もある、新しい感じのORESAMAのMVになりました。
小島 今回はうとまるさんの絵が、実際に小道具として出てきたりするんですよ。
ぽん ベッドカバーとかもうとまるさんのイラストのものになっていたりして。うとまるさんのイラストのクッキーをかじるカットも撮影して、「うとまるさんのイラストを食べる!? そんなことしていいの?」となりました(笑)。すごくワクワクしましたし、うとまるさんの描いたイラスト(の熊)と一緒に縄跳びができたのがすごく嬉しかったです。
――2次元と3次元が交差するような映像になっているので、そこも夢みたいな感じでいいですよね。
ぽん そうなんです。セットもうとまるさんにプロデュースしていただいて。監督や撮影スタッフの皆さんも今までで一番活き活きしてたよね? 突然「この石膏を回してみよう!」とか言い出したり(笑)。「なんで回る台があるんだろう?」と思ったんだけど、あれ、小島くんが回った台でしょ?
小島 多分そう。僕が回った台に(石膏を)置いたんだろうね(笑)。現場でも監督のアイデアが爆発しながら撮ったので面白かったですね。
ぽん ライブシーンもいつものライブメンバーに出演してもらって。悪夢のシーンではパンクロックみたいな恰好をしたんですけど、みんな(ギターやベースの)ストラップをめちゃくちゃ長くしてもらってて(笑)。今まで見たことないぐらい低い位置で弾いていたので、新鮮だった。
小島 ああいう態勢じゃないと弾けなかった(笑)。人生で一番ストラップが長かったですね。最初は冗談半分で下げたんですけど、やってみたら、意外ときまってたんですよ。なので結果、使われることになって。
――詳細はぜひMVを観て確かめてほしいですが、今回、小島さんがおいしいところを全部持っていきますよね。
ぽん そうなんですよね。私にはできないポジションなので、ありがたいなあと思いました。
小島 もとからそんなに拒否するほうじゃないんですけど、自粛期間を経たら、新しいチャレンジにより寛容になって、すごく楽しんで撮影できましたね。自粛期間はずっと一人で曲を作っていたので、たまに人と一緒に音楽をやることがめちゃくちゃ楽しくて。僕はシャイな人間なので、普段ならあまりやりたがらなかったかなと思いつつ、今回はキーポイントとなる役割を与えていただいて、自分もノリノリになってしまいました(笑)。
ぽん 自粛期間はゲームか制作かだったんでしょ? でも、ゲームはオンラインがあるから(人と)繋がろうと思えば繋がれるよね。
小島 今はオンラインゲームが増えて、基本、コミュニケーションのなかでゲームをやってたりするからね。昔はオンラインはオマケの要素が強かったけど、今はPCだけじゃなくてコンソール機でもオンラインメインのものが多いので、自粛期間中のコミュニケーションツールとしてゲームは最高でした。
ぽん それは知らない人としゃべりながらゲームするってこと?
小島 僕はあまりやらないけど。例えば友達と時間を合わせて一緒にボイスチャットしながらゲームしたり。でも、戦闘系のゲームだと、たまに仲間内でもギスギスすることがあるんですよ(笑)。でも、そのギスギスもまたオンラインゲームのいいところなんですよね。
ぽん それ、いいところなの?(笑)。でもオンラインだと仲直りするのが難しくない?
小島 オンラインゲーム上だと、本心では怒ってないんだよね。
ぽん みんな大人なんだね。
――オンラインゲームもある意味、“この世界とまぼろしの狭間”ですよね。
ぽん たしかに! 小島くんは“狭間”にいたんだね。
小島 “狭間”に生きてました(笑)。
――ちなみにぽんさんは自粛期間、どのように過ごしていたのですか?
ぽん やっぱり家にいる時間が増えたので、今まで触れてこなかった映画とかアニメをよく観ていました。『海獣の子供』とか、今敏監督の作品にも『パプリカ』から入ってハマって、『PERFECT BLUE』や『東京ゴッドファーザーズ』を観たり。実写の映画も『怒り』とかいろいろ観ました。最近はようやく映画館で映画を観られるようになったので、久しぶりに観に行ったときは嬉しかったですね。
歌い方の解釈を巡って一触即発!? カップリング曲「夜行ノ雨」
――カップリング曲の「夜行ノ雨」のお話も伺わせてください。先ほどのぽんさんのお話によると、この曲も“眠り”がテーマとのことですが。
小島 音作りの段階では実は“眠り”の要素は考えていなくて、僕の中では、ORESAMAとしてのスロウテンポの楽曲を作りたいということから始まった曲です。雨のSEも入っていますけど、それも実はぽんちゃんの書いた歌詞に合わせて入れたもので。なので最初は、ビートの効いたスロウバラード的なものというイメージでした。
――音のフィーリング的には「SWEET ROOM」(アルバム『Hi-Fi POPS』などに収録)とかに近い感じですね。
小島 そうですね。「SWEET ROOM」とか「秘密」「耳もと元でつかまえて」辺りの感じで。僕はスロウテンポの曲を作るのがすごく好きで、時間が空くと趣味気分で作ったりもしていて、まだぽんちゃんにも聴かせていないようなデモもあるんです。スロウテンポの曲のほうが、作っていて自分を試されている感じがするんですよね。メロディに関しても、音の入れ方に関しても、ごまかすことができないので。ダンスミュージックや4つ打ちの曲も、それはそれで別の難しさがあるんですけど、そういう楽曲を作る機会は多いので、こっちはまた別の挑戦というか。
――では、ぽんさんはデモを聴いたうえで歌詞のイメージを膨らませたのでしょうか?
ぽん そうですね。私としては「Gimmme!」のカップリングにまたハイテンションなものを入れるイメージはなかったし、元々こういう雨の曲が書きたくて。雨ってじめじめするので、あまり得意ではないんですけど、「雨が降ってるからしょうがないよね」みたいな感じで、ネガティブな自分への免罪符になるような感覚もあって。で、そういういろいろを全部まとめたときに、眠れない夜の行き場のない気持ちと、雨について書きたいなあと思って。
――歌詞では、一人の夜の孤独、急に一人になったときに気づく寂しい気持ちが描かれていて。
ぽん こういう夜は誰しも経験したことがあると思うんですけど……(小島に向けて)どうですか?
小島 ……しょっちゅうです(笑)。
ぽん そうだと思う。みんなとしゃべっているときの楽しさと、一人になったときの寂しさというのは、表裏一体じゃないですけど、一緒にあるものだと思うので、こういうどうしようもなく行き場のない気持ちに苦しくなる夜というのは絶対にあると思うし、私も実際、少なくはなくて。そういう気持ちを、「Gimmme!」のカップリングだからこそのユニークさとして収録できたと思います。
――あと、先ほどの小島さんの“こっちの曲”発言から察するに、お二人にしては珍しく、この曲の歌入れは苦労したようですが。
小島 まず意見の食い違いというか、歌い方のテイストの解釈でひと揉めしまして。
ぽん 一回、ワンコーラスぐらいを録った後に、全部録り直したりもしたんです。特に落ちサビの部分は、小島くんが「曲としてここはメロディをちゃんと歌ってほしい」という意見だったんですけど、私は「いや、ここは雨が明けてしまう絶望だから、絶望としてささやきたい」ということで意見が割れて、ちょっと揉めて冷戦状態になりました(笑)。で、スタッフさんが「聴き比べてから決めよう」と言ってくださって、はっきり歌うバージョンと、ささやくバージョンの両方とも録ってみたんです。でも、私はどうしてもささやきがよかったので、はっきり歌っているバージョンはちょっと変になって(苦笑)。
小島 えっ! そんな手法を使ってたんだ……(笑)。
ぽん 違う違う! わざとじゃないんだよ。でも、自分でも聴いたら気持ちがダダ洩れだなあと思って(笑)。小島くんも、その場で聴き比べて「ぽんちゃんは明らかにこっちがいいんだね」って言ってたじゃん。
小島 たしかに(はっきり歌うバージョンは)気持ちが入っていないとは思ったね。
ぽん そうだよね。私が「どうしてもこっちがいいんだ!」みたいな感じだったので、最後はみんながちょっと飽きれるっていう(笑)。
――ある種、ボーカリストとしての我を貫きたい部分があったわけですね。
ぽん 私は歌詞も書いて歌う立場なので、ここはどうしても譲ることができなくて。雨の音も最初は(楽曲の)最後のところまで入っていたんですけど、私が「最後に雨は降ってないんだよ」と主張していたら、最終的に小島くんが雨の音を抜いてくれて。そういうのは雰囲気作りではありますし、「自分の心にはまだ雨が降っているという意味では、最後に雨の音が入っていてもいいんじゃない?」という話もあったんですけど。
小島 ぽんちゃんから「音で雨が明けていく感じを表現したい」という、とても難しいリクエストがあったので、落ちサビは僕なりにそういうアレンジにしてみました。でも、結果としてすごくいい歌が録れたので、必要なひと悶着だったのかなと思います。
――実際、落ちサビが力なくつぶやく感じになっていることで、その後のラスサビの感情が高ぶっているような歌い方が、さらにドラマチックに響くようにも感じられました。
ぽん ありがとうございます。とはいえエモーショナルすぎる部分は小島くんのほうでちゃんと調節してもらって。
小島 ただ、感情が飛び出している感じの歌というのは、何回も繰り返し録っていたら抑えられてしまうと思うんですね。なので、今回はぽんちゃんには何回も歌ってもらったんですけど、結局いいなあと思える歌は1回目や2回目に固まるので、基本若いテイクを使いました。ぽんちゃんはレコーディングの前に歌い方を固めて(レコーディングスタジオに)入ってくるので、そういう意味でも毎回早いですし、今回もいろいろあったとはいえ、一発目からいい歌が出ているのがすべてかなと思いますね。
――個人的には2番以降の、ギターが歌に寄り添うような感じで入ってくる展開も好きでした。
ぽん この2番の展開、(1番の内容を)繰り返すのかなと思ったらガラッと変わるから、私もすごくいいなあと思いました。YouTubeの視聴動画は1番で終わってしまうから、「ここからもっと良くなるから、もうちょっと聴いてほしい!」ってなるんですよね(笑)。これは皆さんにぜひ確認してほしいです。あそこのギター、めちゃくちゃ(音が)大きいよね。
小島 大きいです(笑)。これはなぜかというと、楽曲的にはバラードではあるんですけど、完全にライブで演奏することも考慮してアレンジしたので、各々の楽器が目立つターンを多めに入れたんです。この曲は自粛期間中に制作したこともあって、ライブメンバーみんなで演奏しているところを想像しながら作っていたので。それとギターの話で言うと、最近SNS上でネオソウルギターというジャンルが流行っていまして、そういうものを参考にもしています。ジャンルの定義はちょっとフワッとしていて、いわゆる当時のネオソウルと違うこともないんですけど……何て説明すればいいんだろう?
――ディアンジェロにもギターが目立つ曲が多いですが、それに近い感じでしょうか?
小島 そうですそうです。まさにディアンジェロが代表の一人なんですけど、ソウルミュージックにジャズや、ファンク等様々な要素が加わって出来ているジャンルで。僕はそういうギターも大好きなので、その要素も入れながら作りました。なのでソウルっぽい雰囲気もあるのかなと思います。
ぽん 小島くん、ソウルとかゴスペルも好きだよね。いつだったか「ORESAMAにゴスペルの要素を入れたい」みたいなことを言ってなかった?
小島 できれば入れてみたい。それこそ学校に通っていた頃、教会にパイプオルガンとか合唱団の音楽を聴きに行っていた時期がありまして。
ぽん 『天使にラブ・ソングを…』みたいな感じ?
小島 そこまで派手な感じのはなかったかな。いわゆる讃美歌とかゴスペル、教会音楽が好きで聴いていたので。
ぽん 「綺麗なものばかり」の“Dressup cover”の2番にゴスペルっぽい部分があるよね。
小島 ああー。あれは恥ずかしながら全部自分の声を重ねて作った曲で。
ぽん 小島くん、ORESAMAの曲では意外と歌ってるもんね。
小島 加工してはいるけどね。
待望のワンマンライブと、今の状況を踏まえた新たな試み
――自分たちの楽曲をセルフカバーするシリーズ“Dressup cover”については、自分もお話を聞きたくて。6月からORESAMAのYouTube公式チャンネルで定期的に音源をアップしていますが、こちらはどのようなきっかけで始めたのですか?
ぽん 元々前からやろうという話はしていたんですけど、(新型コロナウイルスの流行で)こういう状況になって、(ライブなどの)現場もなくなって、よりネットが重視されるなか、私たちも、みんながおうちにいながら楽しめるコンテンツを出せたらと思いまして。かつ、自分たちももっとたくさん発信していかなくてはという気持ちもあって始めました。
小島 “Dressup cover”自体は、いわゆるライブアレンジが元になっていて。僕たちはライブで既存曲をアレンジして演奏することが多いので、それを音源化したいということで、前回のシングル「CATCH YOUR SWEET MIND」のカップリングに「ドラマチック」の“Dressup ver.”を収録したんです。それをその後もシリーズ化したいと考えていたときに、世の中がこういう状況になってしまったので、この期間中に僕らが発信できるコンテンツとして続けています。
――コロナ以降を踏まえた活動でもあったわけですね。10月18日には久々のワンマンライブ「ORESAMA ONEMAN LIVE “Gimmme!”」を2部制で開催、翌10月19日には“ディスタンスビューイング”という新たな試みも予定していますが、最後にこちらに向けての意気込みをお聞かせください。
ぽん 前回のワンマンのときとは状況がガラッと変わってしまったので、今まで通りのワンマンライブはしばらく難しいと思うんですけど、どうしてもみんなとORESAMAのライブを共有したい、体感してほしいということで、開催することになりました。でも、感染対策を考えるとキャパが半分どころではなくなるので、よりたくさんの人と一緒に共有したいと考えると、単純に回数を増やすべきなんじゃないかということで、今回は配信も並行して行いつつ、初めての2部制になります。“ディスタンスビューイング”については、私たちもまだ全貌がわかっていないのですが、(前日のライブと)同じ音響、照明、環境で、私たちの姿をスクリーンに投影するということで、もしこれがとても臨場感のある体験になるのであれば、今後、複数の会場で同時開催もできるんじゃないかという希望もあって。今は自分たちも可能性を探っている段階ですけど、ORESAMAの音楽やライブの楽しさを改めて感じてもらえたら嬉しいなと思います。
小島 僕は配信ライブも好きなんですけど、やっぱり会場でみんなと顔を合わせて、タイム的にも精神的にもラグのない状態でのライブを早くやりたいなと感じていて。今は音楽を爆音で浴びる機会というのがなかなかないじゃないですか。もちろん大きな音で楽しむのがすべてではないし、小さな音量で楽しむことも重要なんですけど、耳だけでは体感できない揺れから空気の細かい振動までを感じるという意味では、“ディスタンスビューイング”も音質を保証してくれると思うので、人と対面するライブ、そして普段経験できないような音量・音質で楽しむ音楽というのを、一人でも多く届けたいです。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●リリース情報
ORESAMA ニューシングル
「Gimmme!」
10月14日発売
品番:LAPS-4000
価格:¥1,200+税
<CD>
01.Gimmme!
作詞:ぽん/作曲・編曲:小島英也
02.夜行ノ雨
作詞:ぽん/作曲・編曲:小島英也
03.Gimmme! [Instrumental]
04.夜行ノ雨 [Instrumental]
●ライブ情報
ORESAMA ONEMAN LIVE “Gimmme!”
10月18日(日)
会場:Veats SHIBUYA
[1部] OPEN 16:00 /START 16:30
チケット:スタンディング:¥4,500(税込・ドリンク代込)
[2部] OPEN 19:00 /START 19:30
チケット:スタンディング:¥4,500(税込・ドリンク代込)
[2部]チケット:ストリーミング:¥2,200(税込)
※有料配信は[2部]公演のみとなります。
ストリーミングチケット販売中
詳細はこちら
YAMAHA×ORESAMA×Veats Shibuya presents
LIVE ON DISTANCE VIEWING “Gimmme!”
10月19日(月)
会場:Veats SHIBUYA
公演:OPEN 19:00 /START 19:30
チケット:スタンディング:1,500円(税込・ドリンク代込)
※10月18日[1部]公演を上映
関連リンク
ORESAMAオフィシャルサイト
主人公であるスヤリス姫の“眠り”に対する飽くなき欲求と追求心を、ORESAMAらしいダンサブルなディスコポップサウンドで表現した一曲になった。同じく“眠り”をテーマにした珠玉のバラ―ド「夜行ノ雨」を含め、今回のシングルに込めた想い、そして久々のワンマンライブへの意気込みなどを聞いた。
【動画】ORESAMA「Gimmme!」-MUSIC VIDEO-(TVアニメ「魔王城でおやすみ」ED主題歌)
誰もが共感できる“睡眠”への思いを投影した「Gimmme!」
――新曲「Gimmme!」は『魔王城でおやすみ』のEDテーマということで、まずは作品の印象についてお聞かせください。どんなところが魅力だと感じますか?
ぽん タイアップのお話をいただいて初めて原作を読ませていただいたのですが、魔王城に囚われの身のお姫さまが、寝ることしかすることがないから、魔王城のなかで眠りの質を追求していくという、そのストーリーがすでに面白いなあと思いました。スヤリス姫は、あんなにも可愛らしくて、ふわふわっとしてそうなのに、魔王城のモンスターを襲ってアイテムをゲットしたりして、実はすごく破天荒じゃないですか。私はおばけふろしきが好きなんですけど、すぐ(姫に)倒されちゃうので「おばけふろしき~!」ってなっちゃって(笑)。そういうギャップがすごく楽しい作品で、夢中で読んでしまいました。
小島英也 あと、ゲームの要素がものすごくたくさん出てくるんですよね。「このゲーム知ってる!」となることも多かったので、自分もゲームをプレイしたような感覚になりながら、楽しんで読ませていただきました。
ぽん 小島くんは自粛期間中、主にゲームをやってたんだよね?
小島 もちろん仕事もしてたけどね(苦笑)。それと(スヤリス姫の)眠りに対する執着心も見習うべきところがあるなと思って。自分もあれぐらい音楽に対する執着心を持っていないといけないなと思いましたし、何かを成し遂げるためには、何かを犠牲にするぐらいの気持ちがいいなあと思いました。
ぽん 私もスヤリス姫が“眠り”に対してすごく貪欲なところが一番印象的だったので、そこは曲のタイトルや歌詞を書くにあたってすごく感化されました。「気持ちよく眠りたい!」という気持ちは誰もがわかるものものだし、毎回ゴールも明確じゃないですか。「枕をよくする」とか「シーツをよくする」とか。なので私も今回はストレートな歌詞を書きたくて、ゴールが「眠りたい!」という、ただそれだけの曲を書こうと思ったんです。「Gimmme!」という曲名も、本来の綴りは“Gimme”と書いて“貪欲”という意味なんですけど、文字面でも「眠りたい!」という強い気持ちを表現したくて、“m”を一個増やしたんです。
――ちなみにお二人は“睡眠”に関して何かこだわりをお持ちですか?
小島 僕は眠る時間というのはすごく貴重なものだと思っていて。忙しくなると、なかなか睡眠時間が取れなかったり、家のベッドでちゃんと寝れなかったりすることがあるので、どれだけ良い睡眠が取れるかということにはこだわっています。もちろん枕とか寝具にもこだわりますし、ハーブティーをいれたり、お昼寝ぐらいの時間であればコーヒーを飲んだりとか。僕は寝るのが本当に好きで、曲が行き詰ったときには、気分転換のために寝ることがよくあるんです。その意味でもちゃんと睡眠が取れるように注意を払っていますね。寝不足だとパフォーマンスが落ちますし。
ぽん 私は硬いマットレスじゃないと眠れなくて。
特に夏場だとフローリングに直接寝たりするんですよ、布団も敷かず、枕もなしで。
小島 それは(フローリングの床が)冷たいから?
ぽん そう、冷たいし硬いし。床にそのまま行き倒れみたいな感じで寝てるので、家族にはいつも怒られます(笑)。ベッドで寝ているときも、枕はなしのことが多いし、硬くないと寝れないんです。柔らかかったり、枕が合わないと、頭痛が起きやすいんですよね。それならいっそのことないほうがいいと思って。床で寝たときは、目覚めると(身体が)バキバキだから、身体は休まってないかもしれないですけど(笑)。だから今の小島くんの話を聞いて、ちょっと反省しました。
小島 それでもいいんですよ。人それぞれ、一番ベストな環境を見つけるということが重要ですから。
――話を戻して、今回の「Gimmme!」は“眠り”をテーマにした楽曲で、なおかつアニメのEDテーマになりますが、いわゆるEDテーマにありがちなゆったりしたタイプの曲調ではなく、ORESAMAらしいノリのいい楽曲に仕上がっています。このアプローチはどのように導き出されたのですか?
小島 制作サイドからのリクエストとして、賑やかで、明るくて、80’sや90’sのようなレトロ感というキーワードをいただいたので、今回は僕が原作から受けたドタバタ劇や魔物たちの賑やかな雰囲気を曲に入れることにしました。
なので今回はORESAMAのディスコでダンサブルなところをしっかりと入れつつも、可愛らしさや、展開の激しさを音に落とし込んでいって。結果的に、現実世界というよりも、夢の中での出来事を音で表現したような曲になった思います。
ぽん でも、歌詞ではまだ寝てないんですよね。寝ようとするところから始まっていて。アニメの制作サイドからも「おやすみ」というキーワードを入れてほしいというオーダーをいただいたので、それを冒頭に入れてみると面白いかなと思って、歌い出しは“おやすみ”から始まる歌詞にしました。家に帰ってきて「これからようやく寝れる!」っていうときは、めちゃくちゃ幸せじゃないですか。原作も良い眠りを求めるお話なので、眠りに至るまでの昂揚感という角度から歌詞を書いていて。自分の中では楽しくてハッピーな“陽”の曲なんです。でも、自分の性分として“陽”だけではいられないので、逆にカップリングの「夜行ノ雨」は同じ“眠り”をテーマにしつつ、とても悲しい歌詞にしました。そうすることでシングル一枚としても面白いものになると思ったんです。
――なるほど。サウンド的には、夢の中の世界をイメージしたとのことですが、具体的にどんな部分にこだわりましたか?
小島 夢というのは展開が激しかったり、シーンがバタバタと変わっていくイメージがあるので、J-POP的な起伏をより強調することで、場面転換の激しさというのを表現して、1曲通して聴くとより起伏のある作りにしました。
あと、僕は“魔法”というキーワードが好きなんですけど、夢の中には魔法に似たものがたくさんあるなと思っていて。僕はよく夢の中で夢だと気づくんですけど、そうすると、だんだん夢の中で思い通りのことが出来るようになってくるんですよね。いわゆる明晰夢と呼ばれるものなのですが、僕はそれに魔法を感じるんです。なのでこの曲には、僕の中で魔法を意識した効果音もいろいろ入れていて。ベルの音も結構入れたのですが、それもレトロ感はあるけどキラッとしていて、魔法がかかったときに鳴る効果音をイメージしています。『魔王城でおやすみ』にも魔法が出てきますしね。
――SE的な音で言うと、星屑が落ちてくるようなシンセ音、いわゆる『うる星やつら』のSEで使われそうな音が印象的でした。
ぽん ラムちゃんが飛んでいくときみたいな音ですよね。
小島 その音は今回の曲で一番耳につくところかもしれないですね。あれは僕の感じるレトロ感でもあって、(作品の登場キャラクターが)よく空も飛んでいるので、今回の作品にぴったりかなと思って入れました。聴きどころの一つかもしれないです。
――落ちサビでオルゴール風のサウンドになるところも、作品の世界観や楽曲のテーマ性にすごくマッチしているように感じました。
ぽん 私、あそこに入っている時計の音が好きなんです。
小島 あの時計の音はぽんちゃんのアイデアなんですよ。最初はオルゴールの音だけだったんですけど、ぽんちゃんが「もう少しベッドルーム的な要素が欲しい」ということで、じゃあ時計の針の音を入れてみようと思って。この曲はワンコーラスだけ聴くと、先ほど話した夢の中のテイストが強いですけど、フルで聴くと眠りの要素も結構入っているんです。特にオルゴールの部分は、夜にベッドに入って、時計の音だけがチクタクなっている様子を想像しながら作りました。
――歌詞で描かれている、眠りに対する貪欲さや楽しみな気持ちは、スヤリス姫の心情に重ねたところだと思うのですが、例えば作品を離れたところで、ORESAMAらしさや自分らしさを出したところはあります?
ぽん いつもなら(作品の中の)「この心情、わかる!」とか「ここが私たちとリンクする」という部分を拾い集めて歌詞を書くんですが、今回はフィクションの世界だけど気持ち的には「できる限り質のいい眠りがしたい!」という、誰でも共感できる部分が描かれていたので、そのまま自分の気持ちにも沿った内容として書きました。みんなにも絶対にわかってもらえると思っていたので、楽しく書くことができました。
――個人的にはサビの“あきれるほどこの世界とまぼろしと その狭間だけの幸せを夢見てる”というフレーズがいいなあと思いました。
ぽん ありがとうございます。眠りにつく直前のふわあってなる瞬間が、一番幸せだと思うんですよ。自分もこのフレーズは気に入っています。
――このフレーズをORESAMAの活動に重ね合わせて考えた場合、例えばORESAMAのライブはステージや照明などの演出を含め、現実ではない特別な空間を演出されているじゃないですか。
なのでその意味では、ORESAMAのライブも“この世界とまぼろしの狭間”と言えるのではないかなと思って。
ぽん そう思っていただけると嬉しいですね。
小島 僕はライブもファンタジックなものでありたい、現実をちょっと超越したライブをしたい気持ちがあって。その意味では、ライブでも常にファンタジーとか魔法というものがキーワードに上がってきますね。
ぽん この曲は、ライブでお客さんが「ここで盛り上がってくれるかな?」というのが想像しやすいなあと思っていて。BPMもそこまで速くないし。なのでワンマンライブで披露するのが楽しみです。
――ぽんさんの歌声からも、これから眠ることのワクワク感が伝わってきますが、レコーディングはいかがでしたか?
小島 落ちサビのオルゴールのところは、僕から「あまりはっきり歌わないで」とお願いしまして。ここはオルゴールの音と相まって、それこそ夢と現実の狭間というか、寝ぼけてる感じもあれば、夢の中で覚醒している感じもある、その狭間の感じを表現したかったんです。でも、“こっちの曲”の歌入れはスムーズでしたね。
ぽん “こっちの曲”って(笑)。
小島 ぽんちゃんの歌詞も、言葉だけじゃなく、音でもリズムでも遊ぶのがすごく上手なんですよ。今、別で作ってる曲もそういうテイストがあるんですけど、そっちでもその良さが顕著に表れていて。言葉とリズムのはめ方が上手いとレコーディングは早く進むので、“こっちの曲”は歌への感情の乗せ方も含めてスムーズにいきました。
ぽん 2回も言った!(笑)。
――察しました(笑)。リズムに対する言葉の乗せ方という意味では、2Aの展開が変わるところも、譜割りが変化して面白かったです。
ぽん 2Aのところは私もすごく好きなんです。歌詞もスヤリス姫に掛けたフレーズを入れたり、自分も遊べたなと思います。でも、だんだん小島くんの音に対する歌のはめ方というのが厳しくなっていってるんですよ。“スヤスヤ”のところも流す感じで歌ったら、もっとリズムにちゃんと乗せるように言われて。
小島 最近、僕の作るメロディが細かくてリズミカルになっているところがあって、特に「Gimmme!」の2Aはそれがよく表れていると思うんですね。なのでぽんちゃんも苦労してるだろうなと思いながら曲を渡しているんですけど、この2Aの歌詞が届いた瞬間に「勝ったな!」と思いましたね。
ぽん それは誰と戦ってるの?(笑)。
小島 自分です(笑)。メロと歌詞が合致したときの達成感は他で味わえないものがあって。たまに完全に一致したと感じるときがあるんですけど、それがこの2Aにはありました。
ORESAMAが夢の中で七変化! こだわりのMV裏話
――「Gimmme!」のMVは、ぽんさんの夢の中でいろんなことを行うという内容で、すごく面白かったのですが、最初に観たとき、情報量が多すぎて頭が追い付かなかったです(笑)。
ぽん そうですよね(笑)。今までのMVは、うとまるさん(ORESAMAのジャケットなどを手がけるイラストレーター/アートディレクター)の世界観が占める割り合いが多かったので、今回は佐伯(雄一郎)監督から、「実写の割り合いが多い新しいテイストで撮ってみませんか?」とご提案いただきまして。監督から「いろんな夢を巡る設定だから、もし、ぽんちゃんがやりたいことがあったら教えて」とおっしゃっていただいたので、「犬に埋もれたい」とか「マリー・アントワネットになりたい」とか「着ぐるみショーの中の人をやってみたい」とか、いろいろリクエストさせていただきました……現実的な問題で着ぐるみの中には入れなかったんですけど(笑)。最終的には衣装も10着ぐらい着させていただいて、撮影は大変でしたけど、パロディー感もある、新しい感じのORESAMAのMVになりました。
小島 今回はうとまるさんの絵が、実際に小道具として出てきたりするんですよ。
ぽん ベッドカバーとかもうとまるさんのイラストのものになっていたりして。うとまるさんのイラストのクッキーをかじるカットも撮影して、「うとまるさんのイラストを食べる!? そんなことしていいの?」となりました(笑)。すごくワクワクしましたし、うとまるさんの描いたイラスト(の熊)と一緒に縄跳びができたのがすごく嬉しかったです。
――2次元と3次元が交差するような映像になっているので、そこも夢みたいな感じでいいですよね。
ぽん そうなんです。セットもうとまるさんにプロデュースしていただいて。監督や撮影スタッフの皆さんも今までで一番活き活きしてたよね? 突然「この石膏を回してみよう!」とか言い出したり(笑)。「なんで回る台があるんだろう?」と思ったんだけど、あれ、小島くんが回った台でしょ?
小島 多分そう。僕が回った台に(石膏を)置いたんだろうね(笑)。現場でも監督のアイデアが爆発しながら撮ったので面白かったですね。
ぽん ライブシーンもいつものライブメンバーに出演してもらって。悪夢のシーンではパンクロックみたいな恰好をしたんですけど、みんな(ギターやベースの)ストラップをめちゃくちゃ長くしてもらってて(笑)。今まで見たことないぐらい低い位置で弾いていたので、新鮮だった。
小島 ああいう態勢じゃないと弾けなかった(笑)。人生で一番ストラップが長かったですね。最初は冗談半分で下げたんですけど、やってみたら、意外ときまってたんですよ。なので結果、使われることになって。
――詳細はぜひMVを観て確かめてほしいですが、今回、小島さんがおいしいところを全部持っていきますよね。
ぽん そうなんですよね。私にはできないポジションなので、ありがたいなあと思いました。
小島 もとからそんなに拒否するほうじゃないんですけど、自粛期間を経たら、新しいチャレンジにより寛容になって、すごく楽しんで撮影できましたね。自粛期間はずっと一人で曲を作っていたので、たまに人と一緒に音楽をやることがめちゃくちゃ楽しくて。僕はシャイな人間なので、普段ならあまりやりたがらなかったかなと思いつつ、今回はキーポイントとなる役割を与えていただいて、自分もノリノリになってしまいました(笑)。
ぽん 自粛期間はゲームか制作かだったんでしょ? でも、ゲームはオンラインがあるから(人と)繋がろうと思えば繋がれるよね。
小島 今はオンラインゲームが増えて、基本、コミュニケーションのなかでゲームをやってたりするからね。昔はオンラインはオマケの要素が強かったけど、今はPCだけじゃなくてコンソール機でもオンラインメインのものが多いので、自粛期間中のコミュニケーションツールとしてゲームは最高でした。
ぽん それは知らない人としゃべりながらゲームするってこと?
小島 僕はあまりやらないけど。例えば友達と時間を合わせて一緒にボイスチャットしながらゲームしたり。でも、戦闘系のゲームだと、たまに仲間内でもギスギスすることがあるんですよ(笑)。でも、そのギスギスもまたオンラインゲームのいいところなんですよね。
ぽん それ、いいところなの?(笑)。でもオンラインだと仲直りするのが難しくない?
小島 オンラインゲーム上だと、本心では怒ってないんだよね。
ぽん みんな大人なんだね。
――オンラインゲームもある意味、“この世界とまぼろしの狭間”ですよね。
ぽん たしかに! 小島くんは“狭間”にいたんだね。
小島 “狭間”に生きてました(笑)。
――ちなみにぽんさんは自粛期間、どのように過ごしていたのですか?
ぽん やっぱり家にいる時間が増えたので、今まで触れてこなかった映画とかアニメをよく観ていました。『海獣の子供』とか、今敏監督の作品にも『パプリカ』から入ってハマって、『PERFECT BLUE』や『東京ゴッドファーザーズ』を観たり。実写の映画も『怒り』とかいろいろ観ました。最近はようやく映画館で映画を観られるようになったので、久しぶりに観に行ったときは嬉しかったですね。
歌い方の解釈を巡って一触即発!? カップリング曲「夜行ノ雨」
――カップリング曲の「夜行ノ雨」のお話も伺わせてください。先ほどのぽんさんのお話によると、この曲も“眠り”がテーマとのことですが。
小島 音作りの段階では実は“眠り”の要素は考えていなくて、僕の中では、ORESAMAとしてのスロウテンポの楽曲を作りたいということから始まった曲です。雨のSEも入っていますけど、それも実はぽんちゃんの書いた歌詞に合わせて入れたもので。なので最初は、ビートの効いたスロウバラード的なものというイメージでした。
――音のフィーリング的には「SWEET ROOM」(アルバム『Hi-Fi POPS』などに収録)とかに近い感じですね。
小島 そうですね。「SWEET ROOM」とか「秘密」「耳もと元でつかまえて」辺りの感じで。僕はスロウテンポの曲を作るのがすごく好きで、時間が空くと趣味気分で作ったりもしていて、まだぽんちゃんにも聴かせていないようなデモもあるんです。スロウテンポの曲のほうが、作っていて自分を試されている感じがするんですよね。メロディに関しても、音の入れ方に関しても、ごまかすことができないので。ダンスミュージックや4つ打ちの曲も、それはそれで別の難しさがあるんですけど、そういう楽曲を作る機会は多いので、こっちはまた別の挑戦というか。
――では、ぽんさんはデモを聴いたうえで歌詞のイメージを膨らませたのでしょうか?
ぽん そうですね。私としては「Gimmme!」のカップリングにまたハイテンションなものを入れるイメージはなかったし、元々こういう雨の曲が書きたくて。雨ってじめじめするので、あまり得意ではないんですけど、「雨が降ってるからしょうがないよね」みたいな感じで、ネガティブな自分への免罪符になるような感覚もあって。で、そういういろいろを全部まとめたときに、眠れない夜の行き場のない気持ちと、雨について書きたいなあと思って。
――歌詞では、一人の夜の孤独、急に一人になったときに気づく寂しい気持ちが描かれていて。
ぽん こういう夜は誰しも経験したことがあると思うんですけど……(小島に向けて)どうですか?
小島 ……しょっちゅうです(笑)。
ぽん そうだと思う。みんなとしゃべっているときの楽しさと、一人になったときの寂しさというのは、表裏一体じゃないですけど、一緒にあるものだと思うので、こういうどうしようもなく行き場のない気持ちに苦しくなる夜というのは絶対にあると思うし、私も実際、少なくはなくて。そういう気持ちを、「Gimmme!」のカップリングだからこそのユニークさとして収録できたと思います。
――あと、先ほどの小島さんの“こっちの曲”発言から察するに、お二人にしては珍しく、この曲の歌入れは苦労したようですが。
小島 まず意見の食い違いというか、歌い方のテイストの解釈でひと揉めしまして。
ぽん 一回、ワンコーラスぐらいを録った後に、全部録り直したりもしたんです。特に落ちサビの部分は、小島くんが「曲としてここはメロディをちゃんと歌ってほしい」という意見だったんですけど、私は「いや、ここは雨が明けてしまう絶望だから、絶望としてささやきたい」ということで意見が割れて、ちょっと揉めて冷戦状態になりました(笑)。で、スタッフさんが「聴き比べてから決めよう」と言ってくださって、はっきり歌うバージョンと、ささやくバージョンの両方とも録ってみたんです。でも、私はどうしてもささやきがよかったので、はっきり歌っているバージョンはちょっと変になって(苦笑)。
小島 えっ! そんな手法を使ってたんだ……(笑)。
ぽん 違う違う! わざとじゃないんだよ。でも、自分でも聴いたら気持ちがダダ洩れだなあと思って(笑)。小島くんも、その場で聴き比べて「ぽんちゃんは明らかにこっちがいいんだね」って言ってたじゃん。
小島 たしかに(はっきり歌うバージョンは)気持ちが入っていないとは思ったね。
ぽん そうだよね。私が「どうしてもこっちがいいんだ!」みたいな感じだったので、最後はみんながちょっと飽きれるっていう(笑)。
――ある種、ボーカリストとしての我を貫きたい部分があったわけですね。
ぽん 私は歌詞も書いて歌う立場なので、ここはどうしても譲ることができなくて。雨の音も最初は(楽曲の)最後のところまで入っていたんですけど、私が「最後に雨は降ってないんだよ」と主張していたら、最終的に小島くんが雨の音を抜いてくれて。そういうのは雰囲気作りではありますし、「自分の心にはまだ雨が降っているという意味では、最後に雨の音が入っていてもいいんじゃない?」という話もあったんですけど。
小島 ぽんちゃんから「音で雨が明けていく感じを表現したい」という、とても難しいリクエストがあったので、落ちサビは僕なりにそういうアレンジにしてみました。でも、結果としてすごくいい歌が録れたので、必要なひと悶着だったのかなと思います。
――実際、落ちサビが力なくつぶやく感じになっていることで、その後のラスサビの感情が高ぶっているような歌い方が、さらにドラマチックに響くようにも感じられました。
ぽん ありがとうございます。とはいえエモーショナルすぎる部分は小島くんのほうでちゃんと調節してもらって。
小島 ただ、感情が飛び出している感じの歌というのは、何回も繰り返し録っていたら抑えられてしまうと思うんですね。なので、今回はぽんちゃんには何回も歌ってもらったんですけど、結局いいなあと思える歌は1回目や2回目に固まるので、基本若いテイクを使いました。ぽんちゃんはレコーディングの前に歌い方を固めて(レコーディングスタジオに)入ってくるので、そういう意味でも毎回早いですし、今回もいろいろあったとはいえ、一発目からいい歌が出ているのがすべてかなと思いますね。
――個人的には2番以降の、ギターが歌に寄り添うような感じで入ってくる展開も好きでした。
ぽん この2番の展開、(1番の内容を)繰り返すのかなと思ったらガラッと変わるから、私もすごくいいなあと思いました。YouTubeの視聴動画は1番で終わってしまうから、「ここからもっと良くなるから、もうちょっと聴いてほしい!」ってなるんですよね(笑)。これは皆さんにぜひ確認してほしいです。あそこのギター、めちゃくちゃ(音が)大きいよね。
小島 大きいです(笑)。これはなぜかというと、楽曲的にはバラードではあるんですけど、完全にライブで演奏することも考慮してアレンジしたので、各々の楽器が目立つターンを多めに入れたんです。この曲は自粛期間中に制作したこともあって、ライブメンバーみんなで演奏しているところを想像しながら作っていたので。それとギターの話で言うと、最近SNS上でネオソウルギターというジャンルが流行っていまして、そういうものを参考にもしています。ジャンルの定義はちょっとフワッとしていて、いわゆる当時のネオソウルと違うこともないんですけど……何て説明すればいいんだろう?
――ディアンジェロにもギターが目立つ曲が多いですが、それに近い感じでしょうか?
小島 そうですそうです。まさにディアンジェロが代表の一人なんですけど、ソウルミュージックにジャズや、ファンク等様々な要素が加わって出来ているジャンルで。僕はそういうギターも大好きなので、その要素も入れながら作りました。なのでソウルっぽい雰囲気もあるのかなと思います。
ぽん 小島くん、ソウルとかゴスペルも好きだよね。いつだったか「ORESAMAにゴスペルの要素を入れたい」みたいなことを言ってなかった?
小島 できれば入れてみたい。それこそ学校に通っていた頃、教会にパイプオルガンとか合唱団の音楽を聴きに行っていた時期がありまして。
ぽん 『天使にラブ・ソングを…』みたいな感じ?
小島 そこまで派手な感じのはなかったかな。いわゆる讃美歌とかゴスペル、教会音楽が好きで聴いていたので。
ぽん 「綺麗なものばかり」の“Dressup cover”の2番にゴスペルっぽい部分があるよね。
小島 ああー。あれは恥ずかしながら全部自分の声を重ねて作った曲で。
ぽん 小島くん、ORESAMAの曲では意外と歌ってるもんね。
小島 加工してはいるけどね。
待望のワンマンライブと、今の状況を踏まえた新たな試み
――自分たちの楽曲をセルフカバーするシリーズ“Dressup cover”については、自分もお話を聞きたくて。6月からORESAMAのYouTube公式チャンネルで定期的に音源をアップしていますが、こちらはどのようなきっかけで始めたのですか?
ぽん 元々前からやろうという話はしていたんですけど、(新型コロナウイルスの流行で)こういう状況になって、(ライブなどの)現場もなくなって、よりネットが重視されるなか、私たちも、みんながおうちにいながら楽しめるコンテンツを出せたらと思いまして。かつ、自分たちももっとたくさん発信していかなくてはという気持ちもあって始めました。
小島 “Dressup cover”自体は、いわゆるライブアレンジが元になっていて。僕たちはライブで既存曲をアレンジして演奏することが多いので、それを音源化したいということで、前回のシングル「CATCH YOUR SWEET MIND」のカップリングに「ドラマチック」の“Dressup ver.”を収録したんです。それをその後もシリーズ化したいと考えていたときに、世の中がこういう状況になってしまったので、この期間中に僕らが発信できるコンテンツとして続けています。
――コロナ以降を踏まえた活動でもあったわけですね。10月18日には久々のワンマンライブ「ORESAMA ONEMAN LIVE “Gimmme!”」を2部制で開催、翌10月19日には“ディスタンスビューイング”という新たな試みも予定していますが、最後にこちらに向けての意気込みをお聞かせください。
ぽん 前回のワンマンのときとは状況がガラッと変わってしまったので、今まで通りのワンマンライブはしばらく難しいと思うんですけど、どうしてもみんなとORESAMAのライブを共有したい、体感してほしいということで、開催することになりました。でも、感染対策を考えるとキャパが半分どころではなくなるので、よりたくさんの人と一緒に共有したいと考えると、単純に回数を増やすべきなんじゃないかということで、今回は配信も並行して行いつつ、初めての2部制になります。“ディスタンスビューイング”については、私たちもまだ全貌がわかっていないのですが、(前日のライブと)同じ音響、照明、環境で、私たちの姿をスクリーンに投影するということで、もしこれがとても臨場感のある体験になるのであれば、今後、複数の会場で同時開催もできるんじゃないかという希望もあって。今は自分たちも可能性を探っている段階ですけど、ORESAMAの音楽やライブの楽しさを改めて感じてもらえたら嬉しいなと思います。
小島 僕は配信ライブも好きなんですけど、やっぱり会場でみんなと顔を合わせて、タイム的にも精神的にもラグのない状態でのライブを早くやりたいなと感じていて。今は音楽を爆音で浴びる機会というのがなかなかないじゃないですか。もちろん大きな音で楽しむのがすべてではないし、小さな音量で楽しむことも重要なんですけど、耳だけでは体感できない揺れから空気の細かい振動までを感じるという意味では、“ディスタンスビューイング”も音質を保証してくれると思うので、人と対面するライブ、そして普段経験できないような音量・音質で楽しむ音楽というのを、一人でも多く届けたいです。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●リリース情報
ORESAMA ニューシングル
「Gimmme!」
10月14日発売
品番:LAPS-4000
価格:¥1,200+税
<CD>
01.Gimmme!
作詞:ぽん/作曲・編曲:小島英也
02.夜行ノ雨
作詞:ぽん/作曲・編曲:小島英也
03.Gimmme! [Instrumental]
04.夜行ノ雨 [Instrumental]
●ライブ情報
ORESAMA ONEMAN LIVE “Gimmme!”
10月18日(日)
会場:Veats SHIBUYA
[1部] OPEN 16:00 /START 16:30
チケット:スタンディング:¥4,500(税込・ドリンク代込)
[2部] OPEN 19:00 /START 19:30
チケット:スタンディング:¥4,500(税込・ドリンク代込)
[2部]チケット:ストリーミング:¥2,200(税込)
※有料配信は[2部]公演のみとなります。
ストリーミングチケット販売中
詳細はこちら
YAMAHA×ORESAMA×Veats Shibuya presents
LIVE ON DISTANCE VIEWING “Gimmme!”
10月19日(月)
会場:Veats SHIBUYA
公演:OPEN 19:00 /START 19:30
チケット:スタンディング:1,500円(税込・ドリンク代込)
※10月18日[1部]公演を上映
関連リンク
ORESAMAオフィシャルサイト
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