どれだけの人がこの日を待ち焦がれていたことだろう。内田雄馬、待望の2ndライブ“YUMA UCHIDA LIVE 2021「Equal Sign」”が、10月16日と17日、千葉・幕張メッセ イベントホールにて開催された。内田個人としては、1stライブツアーの追加公演“OVER THE HORIZON ~&Over~”以来、実に1年8ヵ月ぶりとなった今回のライブ。2ndアルバム『Equal』を引っ提げたそのステージから伝わってきたのは、内田雄馬とファンを直接繋ぐ“イコール”のサイン、絆の証だった。全4公演が行われた本ライブのうち、生配信でも届けられた17日夜公演の模様をお届けする。ライブは、カジュアルな衣装の内田と、ブルーのジャケットを羽織ったフォーマルな内田、2人の内田雄馬が登場して対面でダンスパフォーマンスを披露するOP映像からスタート。内田の多重録音による分厚いアカペラコーラスが会場内の“内田雄馬成分”をさらに高めるなか、ステージにシルエットが浮かび上がり、リアル内田が颯爽と登場。久々のライブの幕開けにこれ以上なく相応しいナンバー「Comin’ Back」で“Come back!!”とにこやかに帰還を宣言する。四人のダンサー、通称“うちダンサーズ”と共に切れの良い動きを見せつつ、爽やかかつ力強い美声を響かせる。足を高く蹴り上げて飛び出すアクションが、“ぶちかまそうぜCome!Buddy!!”と歌われるこの曲にはピッタリだ。続いて前述のライブ“OVER THE HORIZON ~&Over~”ではアンコールの見せ場で歌われた「Over」に繋げたのも粋な計らい。冒頭、客席に向けて「見えてるぜ」とアピールした内田は、聴き手の胸に真っ直ぐ突き刺さるような歌声で、このドライブ感溢れるロックチューンを届ける。“Oh, Oh, oh-oh-oh”と繰り返すパートは、本来ならばオーディエンスも共に歌いたいところだろうが、それが叶わぬファンの分も受け持つかのごとく、全身を使って楽しそうに歌う内田が実に頼もしい。MCで「内田雄馬とあなたを繋ぐライブ」「今日はみんなで1つになりましょう!よろしくお願いします!」「皆さんに今日のライブで与えられたものは声ではなく目です。皆さん今日は僕をじっと見てください。そのうえで想いを届けてください。その想いに応えていきます」と語ると、幾何学的な映像とダンサーとのフォーメーションによるパフォーマンスで観る者のイメージをも広げてみせた「Image」、夜の街を走り抜けるような映像が雰囲気を高めたシティポップ調の「Mirror」、黒いジャケットを着て大人の色香たっぷりにラグジュアリーな世界観を広げた「Spin a Roulette」と、グルーヴィーなナンバーを連発して観客を魅了する。ここで内田はライブステージから一旦中座し、幕間映像が上映される。今回は「YUMA UCHIDA =GO!」と題し、内田がプライベートでも仲の良いゲストを迎えて、お互いの「=(イコール)なところ」を語り合いながら、内田の運転によるドライブで目的地を目指すというもの。気になるゲストは、内田とは『この音とまれ!』『呪術廻戦』などで近年共演の多い声優の榎木淳弥。声優ファミリー(内田は姉に内田真礼、榎木は従兄妹に安済知佳がいる)、ゲーム好きといった話題で盛り上がったり、途中で立ち寄ったコンビニのスイーツに舌鼓みを打ちつつ、目的地を河口湖に定めたところで再びライブへ。カラフルな柄物の衣装に着替え、左腕にバンダナを巻いて再登場した内田は、EDM調のエネルギッシュなダンスチューン「VIBES」をダンサーたちと共に披露。レーザー光線が飛び交うなか、ダイナミックな動きで盛り上げる。そして次の曲「DNA」では、MVでのコラボが話題となったプロダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS(コーセー エイトロックス)」のメンバー10名がゲスト出演。そのMVでも観ることのできるブレイクダンスや集団によるアクロバティックなルーティンがステージ上でも再現され、内田雄馬とKOSÉ 8ROCKS、双方のエネルギーが掛け合わさった最高のパフォーマンスを見せてくれた。★「DNA」のMV撮影現場に潜入した密着レポートはこちら今やすっかり仲良しになったという内田とKOSÉ 8ROCKSの面々。メンバーのうちISSEIとYOUTEEがMCでフィーチャーされ、内田と語り合う様子からもそれが伝わってくる。ISSEIのレクチャーのもと、オーディエンスと一緒に全員で“8ROCKSポーズ”をして一体感を作り上げると、次の楽曲「Loser」でもコラボレーションを実施。KOSÉ 8ROCKSのメンバー10名とうちダンサーズの4名、そして内田雄馬の総勢15名によるステージは圧巻の一言だった。それに続くダンスパートでは、うちダンサーズの4人が「Buzzer Beater」の音源をバックにそれぞれソロパフォーマンスを展開。続いて再度衣装チェンジした内田が登場し、「Buzzer Beater」の終盤の一節を歌って次曲「Relax」へと繋げる。ブラスサウンドをフィーチャーした重量級ファンクといった趣きの同曲、“HEY!HEY!HEY!楽に行こうぜ”というフレーズからもわかる通り、ときには肩の力を抜いてリラックスすることの大切さが歌われており、内田はそのメッセージを笑顔で伸び伸びと表現していく。その次の「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」もホーンを導入した賑やかなナンバーで、2番のユーモラスなラップ風歌唱やダンサーズのポップな動きを含め、観ていると思わず笑顔がこぼれてしまう楽しさだ。その後のMCでこの日のダンサーズ、Ryotaro、A-chan、KEITA、HIDEKIを紹介。さらにオープニング映像のダンスをディレクションしたTAKAMASA、振り付けのYusukeといった、ステージをサポートしてくれているチームの面々への感謝の気持ちも述べる。内田はこのライブが実現できるまでの1年半、色んなことに悩んできたと言うが、ファンに向けて「こうやってみんなと一緒に何かをすることが、僕たちの幸せなんだなって、そういう風に感じさせてもらうことができました」と感慨深げに語り、深々とお辞儀をする。そして「いまこのステージを見てくれているすべての人が、僕にとってとても特別で大切な存在です。その気持ちを歌で届けたいと思います」と伝え、優しくも力強い想いに満ちた「You Are Special」を歌唱。“君が生きる毎日にそっと 寄り添えるような歌を”“力になりたい”といった歌詞がいつも以上に心に染み渡り、会場全体が柔らかな光に包まれていく。そこから一転、「Kiss Hug」ではリゾートポップ風の軽快なサウンドに乗せて、甘い歌い口でオーディエンスを魅了。ダンサーズのキュートなポージングや落ちサビでの内田を囲んで祈るような振り付けも楽しく、ラストの内田の情熱的なフェイクなど胸キュンポイントが多すぎて大変な1曲だった。その後、幕間映像「YUMA UCHIDA =GO!」の後編が上映。カーステで内田の楽曲を聴きながら楽しそうにドライブする様子などが映される。目的地の河口湖に到着し、2人で富士山を見ながら、内田「これからもよろしくな」、榎木「爽やかすぎて気持ち悪い(笑)」といった会話を交わす一幕も。最後に内田が急に「虹が見えるような気がしてきた」と言い出して、おもむろに立ち上がると、映像は終了して、ステージに虹色のライトが灯るなか「Rainbow」でライブ再開。チェック柄のシャツにタイトなパンツを合わせたややラフな格好の内田が、伸びやかな美声を聴かせる。ラスサビでの爽やかなロングトーンなど、この曲では歌の上手さが際立っていたように思う。そしてステージにスタンドマイクがセッティングされると、内田は私物のテレキャスターを手にして、エレキギターを掻き鳴らしながら「BRIGHT SIGN」を歌唱。空を飛翔するようなイメージ映像も相まって、心が自由に羽ばたくような名演となった。内田は直後のMCで「そういうわけで内田雄馬、ギター始めました!」と報告。ギターを本格的に始めたのは2ヶ月ほど前のことで、最近は夜な夜なギターを弾くのが楽しいらしく、今回、ライブ当日の1ヵ月ほど前に提案してみたにもかかわらず、スタッフの柔軟な対応と段取りによってステージでの演奏が実現したという。今後のチャレンジも楽しみにしたいところだ。楽しい時間はあっという間で、なんと次がライブ本編の最後の曲に。内田は改めて「今この公演に来てくれているあなた、配信で観てくれているあなた、あなたがいて初めて、僕は内田雄馬になっています。本当に皆さんありがとうございます」と、感謝の気持ちを伝える。そして「みんなでイコールにならなくてはいけません」「ここにいる全員で、内田雄馬になって帰ろうぜ!内田雄馬になって騒げ~!」と元気いっぱいに煽って、2ndアルバムの表題曲でもある「equal」を披露。この曲の“You & I どころじゃない そうだって僕たちは=(イコール)”という歌詞こそが、本公演のコンセプトに直結するメッセージ。内田雄馬と彼のファンがお互いの気持ちを通わせ合い一体になる、そのための場所がライブというわけだ。内田のパーソナルと同様、ポジティブパワー全開のこの曲が、最高の一体感を生んだことは言うまでもないだろう。もちろんこれで終わりではない、オーディエンスの声に応えて再びステージに降り立った内田雄馬が、アンコールの1曲目に選んだのは「NEW WORLD」。彼のソロアーティストデビューを飾った記念すべきナンバーだ。そこに刻まれた“誰より先に 君を連れてくよ”という約束の言葉が、彼とファンを繋いでさらなる高みへ、新世界へと連れて行く。その歌声はもちろんのこと、間奏でのダンスパフォーマンスも心を躍らせるもので、このデビュー曲はこれからもずっと彼の成長と約束の景色を見せてくれることだろう。続くMCで内田は「ここが内田雄馬の生きる意味だと、みんなで楽しいことをする時間が、自分にとっての糧だと思います」と今の心情を吐露。「これから色んなことがあると思います。でも内田雄馬はずっとここにいるので。あなたがいてくれるなら、僕はずっとここに立ち続けていけるので。だから、また何か……何もなくてもいいや、いつでも遊びに来てください!」と笑顔で想いを伝える。この気さくさ、真っ直ぐさもまた、彼の魅力だ。さらに9thシングルの制作決定、そして内田雄馬オフィシャルファンクラブ「Beside YU(ビサイド ユー)」の発足を発表し、ファンを喜ばせると、「新たな一歩をこの曲で迎えましょう!」と呼びかけてパンキッシュなアップチューン「スタートライン」へ。ここまで歌にダンスに全力で走ってきた内田だが、ここにきてさらに元気を増したかのように、ステージ上を右に左に勢いよくダッシュで駆けながらパフォーマンス。その場で駆け足するように足踏みしたり、反復横跳びをしたり、まるで子供のように楽しくはしゃいで歌う姿を見ていると、こちらも元気になってしまう。その無尽蔵の体力にも驚きだ(しかもこの日は昼夜2公演をこなしている)。そんな無邪気さとはまた別の一面、R&B調のクールなダンスポップで魅せたのがアンコール最後のナンバー「向かうべき場所へ」。歌詞の元気づけてくれるようなメッセージはもちろん、サビの振付の大ぶりなアクションも、まるでファンを引き連れていくような力強さに溢れており、“共に一歩を踏み出そう”という歌詞の通り、一緒に歩んでくれるような信頼感がある。この先にきっと待っているであろう、希望ある未来を提示して、内田はアンコールを締め括った。そしてWアンコール、ダンサーを引き連れて勢い良く登場した内田は、「ありがとー!みんなと会えてすげー嬉しかったです!ここは本当に素晴らしい世界だ!みんなこれからもよろしく頼むぜ!」との前置きに続いて、2ndアルバム収録のナンバー「Wonderful World」を歌う。ミディアムテンポのスケール感あるサウンドに乗せて歌われるのは、この世界が素晴らしいものだということ。もちろん嫌なこと、思い通りにいかないこともたくさんある。だけどそのうえで、自分が最高の場所に連れて行くと高らかに宣言するこの曲は、まさにこの日のライブのオーラスに相応しい。ステージ下手から上手まで、ファンの側にできる限り近寄って、ときに手を差し伸べたりしながら歌う彼は本当に楽しそう。ラスサビでは観客と共に左右に大きく手を振って一体に。お互いが手を取り合うことで見つけることのできる“素晴らしい世界”、彼我の境なく誰もが幸せになれる瞬間が、この日のライブにはあったように思う。TEXT BY 北野 創(リスアニ!)PHOTO BY hajime kamiiisaka●セットリスト<OPENNING MOVE>1.Comin’ Back2.Over3.Image4.Mirror5.Spin a Roulette<MOVE 1>6.VIBES7.DNA8.Loser9.Relax10.SHAKE!SHAKE!SHAKE!11.You Are Special12.Kiss Hug<MOVE 2>13.Rainbow14.BRIGHT SIGN15.equal<ENCORE1>NEW WORLDスタートライン向かうべき場所へ<ENCORE2>Wonderful World●リリース情報2nd Album『Equal』発売中【完全生産限定BOX(CD+Blu-ray)】品番:KIZC- 90631~2価格:¥7,700(税込)※特製BOX仕様<封入物>・100 Pブックレット・マルチ缶ケース”YUMA CAN”「Equal」ver.・カード10枚(ランダムではありません)・特製フォト1点・ジャケ写miniステッカー【CD+BD盤(CD+Blu-ray)】品番:KIZC- 633~4価格:¥4,070(税込)【通常盤(CD)】品番:KICS-4021定価:¥3,300(税込)<CD>1.You & I作詞・作曲・編曲:SHOW2.equal作詞:渡邉シェフ 作曲:DJ first/DENZIL”DR”REMEDIOS/Peter Tambakis 編曲:DJ first3.Comin’ Back作詞:JuliShono 作曲:Erde/DENZIL”DR”REMEDIOS 編曲:Erde4.Image作詞:Shogo 作曲:Shogo/早川博隆 編曲:早川博隆5.DNA作詞:Shogo 作曲:Shogo/Tsubasa 編曲:Tsubasa6.Mirror作詞:uebo 作曲:uebo/畠舎聖悟 編曲:畠舎聖悟7.SHAKE!SHAKE!SHAKE!作詞・作曲・編曲:篠崎あやと/橘亮裕8.Wonderful World作詞:Shogo 作曲:Shogo/Tomoyuki Hirakawa/加藤祐平 編曲:Tomoyuki Hirakawa/加藤祐平9.Over作詞:SHOW 作曲:SHOW/Mitsu.J 編曲: Mitsu.J10.Rainbow作詞:SHOW 作曲:SHOW/Mitsu.J 編曲: Mitsu.J11.BRIGHT SIGN作詞:磯谷佳江 作曲・編曲:小野貴光12.I’m not complete作詞・作曲・編曲:SHOW13.向かうべき場所へ作詞:Shogo 作曲:Shogo/早川博隆 編曲:早川博隆<Blu-ray>〈Music Video〉・01. Rainbow・02. Over・03. Image・04. SHAKE!SHAKE!SHAKE!・05. Comin’ Back・06. equal〈Easy Listening Clip〉・BRIGHT SIGN・Wonderful World・I’m not complete〈Dance Shot ver.〉・Image・SHAKE!SHAKE!SHAKE!・equal〈Making〉・Making of Equal※完全生産限定BOXのみ「One Day Trouble」関連リンク内田雄馬オフィシャルサイトhttps://www.uchidayuma.com内田雄馬 2nd Album『Equal』特設サイトhttp://king-cr.jp/uchidayuma_special/2021_equal/YUMA UCHIDA LIVE 2021「Equal Sign」スペシャルサイトhttps://uchidayuma-special.com/2021_equal-sign/index.htmlD.LEAGUE公式ホームページ内KOSÉ 8ROCKSページhttps://home.dleague.co.jp/teams/tmbp/KOSÉ 8ROCKS公式Instagramhttps://www.instagram.com/kose8rocks/KOSÉ 8ROCKS公式Twitterhttps://twitter.com/kose8rocksKOSÉ 8ROCKS公式TikTokhttps://vt.tiktok.com/ZSV6eCxa/Youtubeチャンネル「FLAVA JAPAN TV」内 − KOSÉ 8ROCKShttps://www.youtube.com/playlist?list=PLscTeFQQcPAg3Y51C8FPlX90R8hRJBSNb