リスアニ!RADIO
4月18日配信分(#29)では、アニソンの細かいお気に入りポイント=“Notable points”を紹介するコーナー「アニソン!Notable points!」にて、アニソンにおける「TVサイズのカッティング(編集)」の面白さについて掘り下げた。
ここではまず、アニメに使用されたTVサイズ版とフルサイズ版とで構成が大きく異なる例として、森川美穂「ブルーウォーター」(TVアニメ『ふしぎの海のナディア』OPテーマ)を紹介。「イントロからAメロ」の流れで始まる当楽曲のフルサイズ版に対して、TVサイズ版では「サビのアカペラから」で始まることにより印象が大きく変わることを取り上げている。
この例について、冨田は「今も連綿と受け継がれている、アニソンの“入りサビ頭”構成による掴みの部分。これって、やっぱりTVサイズの文脈からある種発展していったものだと思う」としたうえで、「89.5秒と言われているTVサイズは、アニソンを特殊たらしめているポイントでもある」とコメント。続けて、自身が音楽プロデューサーとして楽曲制作を行う際の経験に基づいて話した。
「フルサイズとTVサイズを作って納品するわけだけれども、エンジニアさんとアレンジャーさんとは(構成を)かなり綿密に相談しながら…」「TVサイズ用に、ステムデータというそれぞれの楽器のデータを、ごちゃごちゃ切ったり貼ったりして作っているので、結構手間がかかっている」(冨田)と、TVサイズ音源制作の実情を語った。
一方、馬嶋からは「逆に89秒を先に作っちゃって、そこからフルサイズに広げるってやり方もある?」と質問。これに対しては、「最近はそっちのほうが多い」(冨田)、「DTMで1人で仕上げちゃう作家さんは、一旦(先行して)TVサイズで作る人もいる。というか、某クリエイターさんから聞いた話では、作っていると“勝手に89秒になるようになってきた”って」(青木)、「肉を手に持っただけで何グラムかわかるような肉屋の天才おじさんのような?(笑)」(冨田)といったやり取りで、ベテランのアニソンクリエイターが持つ一種の特殊技能になっていることも触れられた。
こちらの内容を含む「リスアニ!RADIO #29」は、Spotifyにて無料配信中。5月2日配信予定の次回「リスアニ!RADIO #30」もお楽しみに!
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