8月5日(土)18時より、文京シビックホールにて、アニメ『ARIA』シリーズ初となる公式オーケストラコンサート「ARIA The SINFONIA」が開催された。

当日はオーケストラコンサートだけでなく、『ARIA』シリーズで主題歌を務めた牧野由依、主人公の水無灯里役・葉月絵理乃、アニメシリーズの監督である佐藤順一、音楽演出の佐藤恭野によるトークショーも行われ、1,800名で満員の会場は大いに盛り上がり、熱気に包まれた。


<オフィシャルレポート>
主人公の水無灯里を演じる葉月絵理乃の影アナの後、実力派演奏者で構成されたオーケストラ、グランドフィルハーモニック東京がステージに登場。続いて、Choro Club feat. Senooとして、アニメ『ARIA』シリーズの劇伴を担当したChoro Clubの沢田穣治、秋岡欧、笹子重治とピアニストの妹尾武、指揮者の井田勝大も加わり、このコンサートでしか聴けない豪華な顔ぶれによる「ゴンドラの夢」の演奏で、シリーズ初の公式オーケストラコンサートは開幕した。

アニメの冒頭でもお馴染みの楽曲の演奏を終えると、舞台袖から葉月が登場。スタンドマイクの前に立った葉月は、「皆さま、『ARIA The SINFONIA』へようこそ」と、コンサートの案内役・水無灯里として優しく語りかけた。葉月と入れ替わるように、Choro Club feat. Senooの4人は退場。2曲目「鐘楼のパトリ~ネオ・ヴェネツィア~」からはオーケストラだけでの演奏が始まる。
「ゴンドラの夢」から3曲目の「AQUA」まで、作品の優しく温かな世界観を象徴するような定番曲が続いた後は、「ケットーシーの行進」「逆漕ぎクイーン」などの軽快で楽しい楽曲のパート。続いて、「望楼」「永遠の海~A Song For Zephyr~」を始めとする優しくゆったりとした楽曲のパートになっていく。パートの切り替わりには、葉月による灯里のナレーションも入り、物語性を感じさせるプログラムでコンサートは進んで行った。

そして、「未来への航跡」の演奏後、ステージ中央にオーケストラとは別のピアノが運びこまれ、『ARIA』の全TVシリーズでオープニングテーマを歌った牧野由依が登場。オーケストラと共に、灯里のプリマ昇格試験が描かれたTVシリーズ第3期第12話の挿入歌「横顔」を弾き語りで披露した。力強くも澄み切った牧野の歌声は、重厚なオーケストラの演奏の中でも、まったく埋もれることなくホール中に響きわたる。
こうして、TVシリーズの楽曲とともに灯里の成長を見守っていくような第一部は終了。20分の休憩に入った。

第二部は、2021年に劇場公開された『ARIA The BENEDIZIONE』のエンディングテーマ「ウンディーネ~orchestra edizione~」で始まる。オーケストラとChoro Clubに、作曲と編曲を担当した窪田ミナのピアノと、大石真理恵のパーカッションも加わった豪華な演奏に乗せて、牧野が美しい歌声を響かせた。

その後は、アニメ『ARIA』シリーズの監督を務めた佐藤順一と音楽演出を担当した佐藤恭野、葉月、牧野の4人によるトークパート。『ARIA The SINFONIA』公式グッズに身を包んだ佐藤夫妻は、登場してすぐに「感動してるところにごめんなさい」と謝罪。
厳かな雰囲気だった客席からは、この日、初めての笑い声が聞こえてきた。

その感動を生み出した牧野からは、第一部の最後で披露されたオーケストラとの弾き語りは、長年の夢だったことが明かされた。
そして、このトークパートの中では、本日の演奏曲の中から特に好きな曲一曲ずつを紹介する予定だったようだが、最初に発表した佐藤監督が挙げたのは、「AQUA」「横顔」「逆漕ぎクイーン」の三曲。牧野が「AQUA」と「サンタクロウスの空」。葉月が「未来への航跡」と「横顔」で、恭野も「永遠の海~A Song For Zephyr~」「逆漕ぎクイーン」「おかしなふたり」の三曲を挙げ、最終的に誰も一曲に絞ることはできなかった。トークパートの最後には、佐藤夫妻が身に着けている以外の公式グッズを4人で手に持って紹介。
記念撮影も行なわれ、この日、唯一のトークパートは、非常に内容盛りだくさんの内容になった。

16曲目「ネオヴェネツィアの秋」からは、2021年に劇場公開された『ARIA The CREPUSCOLO』の楽曲のパート。オーケストラとChoro Club feat. Senooが、19曲目の「祝祭の幕が開く」までの4曲を続けて演奏しました。そして、この日で終わりではなく、再会を信じましょうという思いのこもった灯里らしいメッセージに続く最後のパートでは、『ARIA The BENEDIZIONE』の楽曲を演奏。オーケストラが「ゴンドラの魔法」など3曲を演奏すると、妹尾のピアノも加わって、「冬の世界~Fiocco di Neve~」と「旅立ちの空~ARIA
Forever~」を披露。コンサートの本編は終了した。


ステージから井田と妹尾が退場した後も鳴り響き続ける大きな拍手に応えて、井田と牧野がステージに戻ってきた。そして、始まったアンコールで、牧野はオーケストラの演奏と共に、TVシリーズ第1期『ARIA The ANIMATION』の挿入歌「シンフォニー」を披露。牧野は、美しく伸びやかな歌声で、三度も会場や映画館、配信で見守る人々を魅了した。

牧野と一緒に一度は舞台袖に下がった井田は、鳴り止まぬ拍手に応えて再登場。最後は、オーケストラが、アニメ『ARIA The ANIMATION』の劇中では河井英里の歌声も印象的だった曲「ARIA」を演奏。『ARIA』シリーズ初の公式オーケストラコンサートは、シリーズを象徴するような楽曲で幕を閉じ、出演者全員が並んでのカーテンコールでは大きな拍手が鳴り響き続けた。


ARIA The SINFONIA
2023年8月5日(土)
文京シビックホール 大ホール
・オーケストラによる生演奏
・豪華出演者&スタッフによるトークショー
出演者:井田勝大(指揮)、グランドフィルハーモニック東京(管弦楽)、對馬哲男(コンサートマスター)
Choro Club feat. Senoo、窪田ミナ、牧野由依、葉月絵理乃、佐藤順一、佐藤恭野
編曲・オーケストレーション: 窪田ミナ
湖東ひとみ、庄司燦、永井秀和
公式SNS:@ARIA_SENDEN
企画制作・運営:アーツイノベーター・ジャパン
協力:イープラス / グランドフィルハーモニック東京
主催:松竹

8月11日(金)23:59までアーカイブ配信中!
詳細はこちら
https://eplus.jp/sf/word/0000158876

©2021 天野こずえ/マッグガーデン・ARIAカンパニー

関連リンク
「ARIA The SINFONIA」公演サイト
https://ariacompany.net/sinfonia