日大アメフト問題で太田光ら日大出身芸能人が次々コメントする一方、附属高アメフト部出身のオードリーは沈黙

日大アメフト問題で太田光ら日大出身芸能人が次々コメントする一方、附属高アメフト部出身のオードリーは沈黙
『オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線』(文藝春秋)

 日本大学アメリカンフットボール部選手による悪質タックルの問題は昨日、加害者の選手が会見。内田正人監督やコーチから「潰せ」と指示があったことを証言した。

 ところが、内田監督といえば、ようやく監督辞任を表明したものの、今回の事態がなぜ引き起こされたかについてまともな説明はいっさいおこなっていない。日本大学も同様だ。内田監督は日大の常務理事で職員の人事権を掌握する人事部長でもあるのだが、責任をとらせるどころか、この期に及んでまだ「壊せ、は激しくぶつかれ、という意味」などと、事件を矮小化し、内田監督を擁護する弁明を繰り返している。

 こうした問題はスポーツ部の不祥事から日本大学という大学の問題に発展。日大の責任を問う声が日増しに強くなっているが、とばっちりを受けているのが日大出身の芸能人たちだ。

 彼らには何の責任もないが、自ら日大出身であることを表明し、母校についてコメントせざるを得ない状況になっているのだ。

 たとえば、20日の『サンデー・ジャポン』(TBS)では、アメフト好きでも知られる爆笑問題の太田光が開口一番、「私も日大OBなんでね、恥ずかしい」と 言ったあと、アメフトの精神との乖離を指摘した。

「アメリカンフットボールの常識として、クオーターバックを怪我させるのはとんでもないことであって。なおかつアメリカンフットボールって、こんだけ激しいスポーツだからこそ、毎年ルールが改正されていくんですよね」
「それはすごく科学的なスポーツで、ジャッジにしてもビデオ判定とかいち早く、必ずアメリカンフットボールから全部のスポーツが発展していくイメージがあって、すごく安全性に関しては、何回も何回もルールをチェンジしている」

 テリー伊藤も同番組で、「大学は学生ファーストのはずだけど、学生に対して思いがない。学生だけでも話し合うことが必要。(日大の)一般学生も恥ずかしい思いをしている」と日大の姿勢を問題視した。

 また、21日の『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)では、トレンディエンジェル斎藤司も「お恥ずかしいんですけど、僕日大なんです。恥ずかしい」と、恐縮しきりの様子を見せていた。

 いずれも、OBとしてこの事件がアメフトや日大生のイメージを傷つけていることを深刻に受け止め、母校への批判や残念な気持ちを積極的に表明するものだった。

 ところが、そんななか、日大とも浅からぬ縁があり、アメフトについて一家言をもっているはずの芸人が不自然なくらいに沈黙を貫いている。

 それはオードリーの若林正恭と春日俊彰だ。周知のように、ふたりはともに日本大学第二高等学校のアメフト部出身。日大のアメフト部だったわけではないが(進学先も春日は日大だが、若林は東洋大学)、日大と関係の深い特別付属高校でアメフトをやっており、その伝統や体質についても一般人よりは詳しいはずだ。

●日大二高アメフト部出身のオードリー若林のアメフト愛

 しかもふたりは、アメフトへの愛情が深く、2010年からは『オードリーのNFL倶楽部』(日本テレビ)のMCも務めるなど、さまざまなメディアでアメフト愛を語ってきた。

 とくに、若林はアメフトについて高い見識をもっており、『オードリーのNFL倶楽部』のなかでは、ひとつのプレーをスローモーションで再生しながら、その数秒のなかで同時多発的に発生している選手同士の駆け引きや戦略を若林自ら解説するコーナー「若林の熱視線」を担当している。しかも、そうしたなかでしばしば語ってきたのが、アメフトが「野蛮なスポーツ」でなく、いかに知的で戦略的なスポーツであるかということだった。

 前述のテレビ番組のコーナーを書籍にまとめた『オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線』(文藝春秋)で若林はアメフトの魅力をこのように語っている。

〈アメフトのアメフトたる所以というのは、本当の意味で"捨てプレー"がひとつもないこと。だって1回1回プレーを止めて、作戦を練るスポーツなんて他にないでしょ。(中略)オフェンスであれば誰かがゲインし、ディフェンスであれば誰かがブロックする。つまり、ひとつひとつのプレーに明確な意図があり、誰かのファインプレーが隠されているわけですよ。捨てプレーがないから、一瞬たりとも気が抜けない。すべてのプレーが面白いし、そこには必ずデザインされた意思があるんです〉

 こうした知見とスタンスをもっている若林だから、今回の日大の悪質タックル事件についても、おそらく思うところも言いたいこともはたくさんあるだろう。

 若林は「週刊文春」(文藝春秋)18年2月8日号掲載「阿川佐和子のこの人に会いたい」では、「アメフトって体格や技術で負けていても、作戦次第、もっというと卑怯なプレーで勝つことができるんですね」という発言をしていたが、今回の事件をめぐってなにが「許される卑怯」でなにが「ありえない卑怯」かということもきちんと語ることができたはずだ。

 しかし、若林も日大卒の春日もいまのところ、この事件についてなにも語っていない。ふたりがパーソナリティをつとめる『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)ではしばしばアメフトの話題になるため、先週土曜日の放送で何か発言があるのではないかと思われたが、結局、なにもなかった。

●「オードリーのオールナイトニッポン」を日大が番組提供していたが...

 いったいなぜか。ネットや一部の業界関係者の間では、「オードリーは日大から番組のスポンサーについてもらってるから、そのからみで話題にできないんじゃないか」という見方も流れている。

 たしかに、調べてみると、『オードリーのオールナイトニッポン』では2016年10月4日から12月28日、2017年10月7日から2018年3月31日まで、日本大学が番組提供をしていた。

 しかし、現在は番組提供に日大は入ってないし、そもそもラジオ番組のスポンサーをしているくらいで、今回のような大事件に口をつぐむというのは考えにくい。

 むしろ、オードリーがこの件について発言できない理由があるとすれば、やはり特別付属高校のアメフト部出身ということが大きいのではないか。昨日の日大アメフト部の選手会見では、内田監督の意を受けて反則を指示し念押しした井上奨コーチが、加害選手が通っていた日大豊山高校の監督も兼任していたことが明らかにされたが、内田監督は大学だけでなく、附属高校や提携の高校にも強い影響力をもっている。

 そういう体育会的なヒエラルキーやしがらみ、目に見えない圧力を感じて、オードリーは言いたいことを言えなくなってしまっているのかもしれない。

 しかし、どういう事情があろうと、オードリーはやはりこの事件にきちんとコメントすべきではないか。前述したように、彼らはこれまで、アメフトというスポーツの伝道者として活動し、若林はアメフトが「野蛮なスポーツ」などではなく、「知的で科学的なスポーツ」であることをしきりに強調してきたのだ。

 これでもし、体育会的なヒエラルキーに屈して口をつぐんでしまったら、それこそ自分の言葉を否定してしまうことになるだろう。日本のスポーツの陰湿な体育会的体質を変えるためにも、若林のようなアメフトの科学的な本質を理解している人間に、ぜひこの事件の問題点や背景を指摘してもらいたい。
(本田コッペ)

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