大物芸能人との熱愛でグラビアアイドルが引退に追い込まれるのはなぜか

 芸能人の熱愛や不倫報道の中で、男性が大物タレント、女性が無名のグラビアアイドルというのは、昔からよくあるパターン。ところが、最近、そのパターンのスキャンダルにちょっとした異変が起きている。報道のされ方が変わったわけではない。報道後、女性のほうが芸能界を引退するケースが相次いでいるのだ。

「フライデー」(講談社)10月3日号が報じたHey! Say! JUMP高木雄也とグラビアアイドル原愛実の熱愛もそうだった。高木と原は既に1年ほどの付き合いで、合鍵を渡す関係であり、一緒に事務所の車で高木のマンションにまで送迎するなど事務所もその関係を認識していた。

 しかし熱愛報道が出るやいなや、高木と原は破局を余儀なくされたばかりか、グラドルだった原は芸能界を引退してしまった。

「原は『フライデー』発売の前日、突然ブログを閉鎖し、芸能界も引退してしまった。事務所はマスコミに対し、『そもそも熱愛報道以前の9月頭に、原との契約は切れていたので高木の件とは無関係』と説明しています」(週刊誌記者) 

 しかし、それを信じる記者などいないだろう。

 同じく今年6月に「フライデー」6月27日号が報じたダウンタウン浜田雅功とグラビアアイドル吉川麻衣子の不倫も同様だった。この一件は「フライデー」報道直後に浜田が「羽を伸ばし過ぎ、その羽は、家族にへし折られました。家族にこの様な思いをさせまいと猛省しております」とコメントを出し、また小川菜摘も"芸人の妻"として寛容な態度を示したことでまるで家族愛のような展開になったが、しかし一方の不倫相手の愛人は、これまた芸能界引退に追い込まれている。

 吉川の事務所は「フライデー」が発売された段階で、吉川のプロフィールを消し、さらに吉川との契約は今年4月で切れていたと公表したのだ。

 ジャニーズタレントの交際相手と大物芸人の愛人が、報道後に相次いで芸能界引退──。これは、今までになかったパターンではないか。

 というのも過去において、有名芸能人と格下タレントとの交際が発覚するや、そのスキャンダル性、話題性を利用して自らを売り出そうとするケースが圧倒的に多かった。そう"売名"である。

 今ではセレブ婚をしたモデルの長谷川理恵にしても売名を武器にのし上がったタレントだ。といってもその相手は石田純一ではない。そもそも長谷川は女子大生モデルだった2000年に西城秀樹との熱愛を報じられたことで一般にも名前が知られるようになったタレントだった。その後の石田純一との不倫関係でさらに知名度はアップ。そして神田正輝と、ホップ、ステップ、ジャンプである。

 またグラドル出身の庭あつこも"売名"の代名詞のように語られるタレントだった。巨乳とバカキャラを武器にバラエティに進出したが、生き残りをかけヘアヌード写真集発売と同時に羽賀研二との交際宣言をぶち上げたのだ。当時は羽賀は梅宮アンナと付き合っており、桜庭はワイドショーにも大きく取り上げられるなど話題となったのだ(桜庭は12年引退)。

 まだある。07年沖縄で島田紳助とのホテル密会を報じられた熊田曜子をはじめとする数多くの女性タレントたちも、売名や仕事が欲しいためとなどと盛んに報じられている。

 03年には明石家さんまが巨乳タレントの斉藤ますみのお泊まり熱愛が発覚した際も(「フライデー」2月21日号)、そもそも斉藤自身が仕掛けた張本人と言われている。斉藤はマスコミの取材に応じ「売名と言われても仕方ないかもしれません」などと語ったが、さらに返す刀で同年にオリックスバッファローズの後藤光尊選手と結婚、その挙式を女性誌に大きく取り上げられた。

 それだけでなく、有名人との関係を自ら告白する女性たちも出現している。「私を抱いた●●さんと」などとメディアに告白し、同時にヌード写真で登場するといったパターンも多い。その多くが落ち目や無名に近いタレント、その卵、AV女優などだった。

「91年にビートたけしとの『めくるめく一夜』を語ったAV女優の憂花かすみは、告白と同時に自分のヌードグラビアを掲載して大きな話題になりました。これは"売名スキャンダルの原点"とさえいわれていますが、その後も92年古谷一行と『寝ました』と語ったAV女優・浅井理恵、ナイナイ岡村隆史との一夜を告白したAV女優の夏川彩水、佐々木主浩の"あそこ"を『ごんぶと』と告発ヌードを飾ったタレントの杉山美保、西川きよしの息子・弘志との関係をAV作品にした広田まみなど枚挙に暇がありません」(スポーツ紙記者)

 もちろんこうした売名行為、スキャンダルを利用してのし上がれるタレントはごくわずかだ。多くのタレント予備軍などが一瞬だけメディアの注目を浴び、その後は消えてしまっている。それでもなお、無名に近い末端タレントやAV嬢である彼女たちはわずかなチャンスに賭け、スキャンダルを利用していったのだ。それは推奨されなくても、芸能界の特殊性を考えれば決して否定できない行為でもある。芸能マスコミ的にも盛り上がる。なにより、生き馬の血を抜く芸能界にあって、彼女たちにとって有名人との熱愛という"売名"は成り上がるための最後の手段である、一発逆転を狙う"慣習""伝統"でもあったはずだった。

 しかし、冒頭に記したようにグラビアアイドルだった原と吉川は逆に売名さえも許されずに芸能界を去った。この変化は一体どういうことなのか? 芸能界の裏事情に詳しいある人物に聞いてみた。

「まずひとつに特定の芸能事務所の力があまりに強大になったことがあります。ダウンタウン浜田の場合はそれが顕著ですね。グラドル愛人の吉川の所属事務所K-pointは吉本興業と業務提携している配下の事務所ですから、吉本の威光に逆らえるはずはありません」(芸能関係者)

 かつてはこうした売名スキャンダルを女性タレントやAV嬢サイドの事務所が仕掛けたこともあったというが、現在ではグラドルやAV嬢が所属する小さな事務所は業務提携に関わらず、スキャンダルやトラブルをおそれ、大手に逆らえない構造があるという。

 そしてもうひとつがグラドルの大量増殖だ。

「以前に比べグラビアアイドルと称するタレントは星の数ほど存在します。今はグラドルになりたいと希望して面接さえすれば、ほとんどが事務所に所属できます。そして事務所に所属さえすればグラドルと名乗れるんです。でもその実態は仕事はほとんどなく、グラドルだけでは生活できない。実際、Hey! Say! JUMP高木と熱愛を報じられた原も六本木のクラブでバイトをしていましたしね。ホステルやキャバ嬢のバイトをしながら、業界の有力者の愛人になったりして生活費を稼いでいる。さらにあわよく有名芸能人と付き合えば仕事と金とステイタスを一挙に得ることができると思ってしまうのでしょう」(前同)

 そのため多くの著名人が"お手軽な"グラドルとの熱愛をキャッチされることにもなるのだが、しかしかつてより強固となった芸能界の力学、利権構造の前では、愛人グラドルたちは売名行為など許されるはずもなく、大手事務所の影響力を恐れた弱小所属事務所の意向によって引退を余儀なくされていくらしい。

 グラドルの悲惨な実態はニュースサイト・リテラで既報のとおりだが、芸能事務所の力関係の格差。そしてグラドルが増殖したことによって、いつでも替えが効く存在になってしまったことが簡単に引退させてしまう理由なのだ。

「持てる者だけがどんどん強くなる社会」。社会全体で見られるこの傾向は芸能界でもまったく同じらしい。
(林グンマ)

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