だが、この質問主意書に対し、政府はこう答えたのだ。
〈一について
お尋ねの「典型的な催し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、安倍内閣総理大臣の公務遂行を補助するものとして安倍内閣総理大臣の夫人が出席する「行事」としては、宮中晩餐会、園遊会等が挙げられる。
二について
お尋ねの「日当や実費など」及び「飲食費、交通費など」の範囲が明らかではないため、お答えすることは困難である。
三について
お尋ねの「「公務の遂行」の「補助」において公用車は使われていますか」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。〉
「おいおい」とツッコまざるを得ないほど、矛盾した答弁ではないか。というのも、昭恵氏が「公務の遂行を補助」する者として出席する行事について「宮中晩餐会、園遊会等」と政府自ら具体的に挙げているのだから、そこでの日当などの公費支出はいくらなのか、公用車は使用されているのかという質問に対しては「日当は出ている/出ていない」でも「公用車に安倍首相と乗車」でも答えられるはずだ。それを「範囲が明らかではない」「意味するところが明らかではない」として「お答えは困難」などと回答しないのは、まったくおかしな話ではないか。
しかも、じつは「公務の補助」に対する昭恵氏に支払われる「日当」「交通費」について、政府は過去、答弁をおこなっているのだ。
それは森友問題の追及が国会でおこなわれていた2017年3月2日の参院予算員会でのこと。自由党(当時)の山本太郎議員が「総理夫人が総理とともに海外に公務で出張した際、夫人に対する手当って出ますか。また、その手当の名前と金額はいくらなのか、国内の場合だとどれぐらいですか」と質問したのだが、当時の内閣審議官で現・厚労省官房長の土生栄二氏は、こう答弁をおこなった。