それができないのは、昭恵夫人が歴代の首相夫人以上に膨大な日当をもらっている、もしくは、日当は辞退していたとしても、昭恵氏にあてがわれる実費や飲食費、公用車の使用などが「内閣総理大臣の公務を補助する活動」の「範囲」をはるかに超えているからではないか。
「桜を見る会」で「昭恵枠」まで設けられていたという事実が象徴するように、昭恵氏の公私混同は度を越したものとなっている。しかも、その私的な行動に公的資源が投入されるという状況も起きている。その象徴といえるのが、総理夫人付き秘書の存在だ。
総理夫人を支援する職員の配置がはじめておこなわれたのは第一次安倍政権時で、その後の福田内閣は不在、つづく麻生~野田内閣までは1名が配置されたが、野田内閣までは非常駐で〈首相が外国を訪問する際に夫人が同行したり、外国要人を接遇したりする活動を助けることが主な目的だった〉(東京新聞2017年4月12日付)という。しかし、第二次安倍政権が発足すると、職員は3名に増員、2013年度からはさらに2名増やして計5名となり、挙げ句、うち2名を常勤としたのだ。
そして、第二次安倍政権発足とともに総理夫人付き秘書を増員した目的は、昭恵氏の言動を監視するためだったという。「プレジデント」(プレジデント社)2013年8月12日号によると、“アッキー対策室”として官邸内に1部屋用意したとし「税金の無駄遣いという批判を受ける可能性がある」(官邸関係者)ことから、昭恵氏秘書の存在はオープンにせず非公式になったという。