
不当かつ違法な人事介入がおこなわれた日本学術会議をめぐり、菅首相が卑劣な“問題潰し”に動き出した。今朝、読売新聞が「学術会議を行革対象に…政府への勧告10年なく、組織・運営の見直し検討」と題した記事を打ち、河野太郎・行政改革担当相も会見で「年度末に向けて予算、機構、定員について聖域なく見るので、しっかり見ていきたい」と宣言したからだ。
本サイトでも何度も繰り返し指摘してきたが、今回の問題は「菅首相が独立した機関に対して違法な人事介入をおこなったこと」であり、いますぐ菅政権がすべきは、6人の学者を任命拒否したことの法的根拠を示すこと、さらに、その任命拒否の理由を国民に説明することだ。
しかし、その説明をまったくできていないというのに、伝家の宝刀である「行政改革」を打ち出し、問題の本質を「違法行為の説明」から「税金の無駄遣いの見直し」にずらしにかかったのだ。
しかも、「行政改革」が必要だという根拠に持ち出してきた「日本学術会議からの勧告・答申が十数年ない」というのは、完全なミスリードだ。
7日には自民党の下村博文政調会長が日本学術会議のあり方を検討するプロジェクトチームを党内に設置すると発表したが、その際、「日本学術会議から政府に対する『答申』が2007年以降、出されていない。活動が見えていない」などと言い出し、「答申」のみならず「勧告」も10年出されていないと批判。これを受けてネット上でも「税金泥棒」「これが事実なら、年10億の税金が正しく使われているかわからない」「国民の税金が学者の名誉利権の為に無駄に浪費されていた」などという批判が起こっていた。