政治団体が政治活動を行うために集める「政治資金」。このお金の流れは「政治資金収支報告書」に記載し、毎年提出することが法律で義務付けられています。

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2年続けて提出しなかった場合、その政治団体は事実上解散となりますが、その数は去年で214、今年で158に上っています(MBSの独自調査による)。しかも、こうした“未提出による解散”を何度も繰り返す現職の議員がいるのです。

一体何が起こっているのでしょうか?

「政治資金収支報告書」158の政治団体が提出せず事実上解散

「政治家はあぐらをかいている」なぜ?『収支報告書』未提出で“事実上解散”と再設立を繰り返す地方議員・首長たち… 罰金など罰則あるが「ほとんど起訴されない」
MBS

政治団体が法律で毎年の提出を義務付けられている「政治資金収支報告書」。

しかし、取材班が全国の都道府県が発行する公報などを調べると、現職の地方議員や首長151人が関係する158の政治団体が2024年・2025年分の収支報告書を提出せず事実上解散させられていたことが分かりました(2026年4月30日時点)。

なぜ収支報告書を提出しなかったのか。議員を直撃すると…

「忙しさにかまけて」「面倒くさい」なぜ提出しなかった?

(自民党 田畑仁泉南市議)
「正直、こんな田舎の議員ということもあって、政治献金とかパーティーとか、お金の出入りがないということを甘んじていた私の落ち度」

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(立憲民主党 廣利一志佐用町議)
「早くしないといけないなと思いながら、忙しさにかまけてしまった」

また、“政治とカネ”の問題を厳しく追及する政党の議員も…

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(日本共産党 川合清北海道・新ひだか町議)
「私はもう歳で、これが最後だから、後援会を廃止しようと思っています。そういうことで、収支報告書は出していません」
「(Q今後提出する予定は?)2年まとめてというのは、ちょっと面倒くさいですよね。出そうとは思っています」

調査を進めていくと、取材班にある疑問が浮かびました。

常総市・神達市長の政治団体 報告書未提出や解散・設立を繰り返す

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議員らが政治団体を解散させられるのは、今回が初めてなのか?

過去の公報を徹底的に調べてみると、ある市長の政治団体に不可解な点が見つかりました。

(MBS井守裕太記者)
「茨城県の公報には、神達岳志常総市長の政治団体が『今年と2022年に事実上の解散』と書かれています」

茨城県常総市の神達岳志市長(57)は、県議を務めた後、2016年に市長に初当選。現在3期目のベテラン政治家です。

過去の公報などを遡ると、神達市長の政治団体「神達たけし後援会」は2020年と21年分の収支報告書を出さず、22年に事実上解散に。

しかし、24年に名称などが全く同じ団体を設立。そして24年と25年分の報告書を出さず今年再び事実上解散させられていました。

なぜ報告書の未提出や団体の解散・設立を繰り返しているのか?取材班は茨城県常総市へ…

自身は4年前の解散を「把握していなかった」再設立は「市長選があったので…」

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議会閉会後に市長を直撃すると、団体の担当者に任せていて、4年前に解散していたことも把握していなかったと話します。

(茨城・常総市 神達岳志市長)
「(Q何回も解散を繰り返されているのは把握している?)2回しているということも把握していなかったのですが、収入支出が後援会として無いということで、出さなかったと後援会(の担当者)からは聞いています」

また、2年前に再び団体を作った理由については「市長選があったので作った方がよいと考えたのだと思う」と話しました。

(茨城・常総市 神達岳志市長)
「(Q 4年報告書を出せていなかったことになるが?)これは反省しないといけないし、しっかりとこの後、選挙管理委員会に今確認作業してもらっていますから、その指示に基づいてしっかりとした対応をしたい」

さらに「未提出による解散」を繰り返す政治家は他にも…

逗子市・丸山議長の政治団体も…報告書未提出を繰り返す

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都心から最も近いビーチリゾートとも言われる神奈川県逗子市。人口6万人ほどの風光明媚な街です。

その逗子市で今年4月から市議会議長を務めているのが自民党所属の丸山治章議長(61)です。

公報を調べると、丸山議長の政治団体は今年だけでなく2年前の2024年にも収支報告書を2年連続で出さず事実上解散させられていました。

なぜ、未提出を繰り返しているのか。取材班が丸山議長を直撃すると…

2024年・2026年は「不注意で忘れてしまった」それ以前も…

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(自民党 神奈川・逗子市議会 丸山治章議長)
「悪意があったわけでも隠ぺいがあったわけでもないんですけれど、不注意で忘れてしまった」
「お金の動きが無かったので、ゼロなので、すぐ出せる用意をしていたんですけれど、それ(報告書)を目につく場所に置いておいたが忘れてしまった」

その上で、2024年も今年も期限は過ぎたものの報告書は提出したといいます。

ただ、詳しく話を聞いていくと…

(自民党 神奈川・逗子市議会 丸山治章議長)
「(Qこれより以前に解散していることは?)ごめんなさい、ちょっと思い出せない。(Qもしかしたらあるかもしれない?)はい」

未公開のデータを見ると…2年連続×4回=8年提出義務を怠る

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そこで取材班は神奈川県の選挙管理委員会に調査を依頼。

すると、県のホームページでは公報が公開されていない2019年と21年にも未提出で解散させられていたことが分かりました。

つまり、2年連続の未提出を4回繰り返したことになります。

改めて丸山議長に電話すると…

(自民党 神奈川・逗子市議会 丸山治章議長)
「(Q 2年連続×4回なので8年提出義務を怠ったことになるが?)深く反省というか、毎回するんですけど…(今後は)ちゃんと締め切りを守って必ず出しますので」

「どうせ注意を受けてそれで終わりでしょ、ぐらいに思っている」

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MBSの調べでは、今年、関係する政治団体が未提出で解散させられた現職の地方議員や首長151人のうち、少なくとも12人が過去にも同様に政治団体を未提出で解散させられていたことが分かりました。

“政治とカネ”の問題に詳しい専門家は…

(神戸学院大学 法学部 上脇博之教授)
「明らかに義務を果たしていない。本来規制すべきものが規制できてないという問題がある」

政治資金規正法では、収支報告書の未提出に関しては拘禁刑や罰金といった罰則が定められています。しかし…

(神戸学院大学 法学部 上脇博之教授)
「起訴されたケースはほとんど聞かないですよね。政治家側はあぐらをかいて、どうせ注意を受けてそれで終わりでしょぐらいに思っているから、なかなか政治資金規正法違反がなくならない」

「政治資金収支報告書データベース」過去3年分を無料公開

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未提出の問題は解決できないのか。ヒントとなる取り組みをしている人がいます。

政治資金の透明化などに取り組むシンクタンク「政策推進機構」の西田尚史さん。去年4月から無料で公開しているのが「政治資金収支報告書データベース」です。

(公益社団法人「政策推進機構」 西田尚史代表理事)
「『政治家から探す』という検索窓で高市総理を検索すると、高市総理の場合、政治団体が3つあり、それぞれ報告書があるが、それを束ねたページになります。2024年でいうと2億5500万円の収入を得られている」

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データベースでは現職の全国会議員の政治団体について過去3年分の収支報告書が収録されており、収入や支出の内訳などを見ることができます。

(公益社団法人「政策推進機構」 西田尚史代表理事)
「政治家の情報ってかなり分散していたり取り寄せる苦労がある。(簡単に)いつでも見に行ける状態に常にしておくのが大事」

「地方議員についてもデータベース化を進めた方が良い」

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西田さんは、地方議員についても収支報告書のデータベース化が進めば監視の目が強まり、未提出問題も解決に向かう可能性があると話します。

(公益社団法人「政策推進機構」 西田尚史代表理事)
 「インターネット上で検索できる形になると、議員の政治団体の内情に詳しい人たちがそれ(データベース)を見て、『他の団体もあるよ』『未提出の団体もあるよ』と情報提供しやすくなる。地方議員についてもデータベース化は進めていった方が絶対良い」

また、地方議員に関して西田さんは「来春までに都道府県議会の議員まで広げる予定」だとしています。

今後の制度変更について総務省は「政治団体の政治活動の自由と密接に関連していることから、各党会派で議論いただく問題」とコメントしています。

(2026年10月14日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)

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