将来的な人口減少を見据え、合併を視野に入れた動きが加速する大阪府の泉佐野市と泉南市。来年発足する研究会に阪南市も参加を表明し、南大阪に大きな市が誕生する可能性がでてきました。

そうした中、大阪最南端の岬町・田代町長は「合併を前提とした協議会には参加しない意向」を示しています。

「過疎地域」に指定されるなど厳しい状況におかれながら、なぜあえて「単独で生き残る道」を選ぶのでしょうか。“合併”をめぐる大阪南部の動きを深掘りします。

【岬町のこれまで】町の経済支えた「みさき公園」の廃園などが打撃に…

「過疎指定はありがたい」大阪南部の“合併話”に不参加姿勢の最...の画像はこちら >>

海と山に囲まれた自然豊かな大阪府岬町。面積の8割を山が占め、町の機能は海側にまとまっています。

名産は、大阪湾でとれた海産物。他にも、関西空港の埋め立ての際に土砂の搬出に使った桟橋を利用した釣り場など、海を生かした観光資源が特徴です。

かつて岬町には、ピーク時(1966年度)に年間96万人もの入場者でにぎわったレジャー施設「みさき公園」や、関西電力の「多奈川発電所」がありました。

「過疎指定はありがたい」大阪南部の“合併話”に不参加姿勢の最南端「岬町」…経済打撃・人口減少の中なぜ?町長が語った“過疎地域だからこそ”の事情
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しかし2020年、来園者の減少などによりみさき公園が閉園したうえ、多奈川発電所もすべて廃止に。これにより固定資産税などの税収が減少したほか、雇用機会の喪失が町の経済に大きなマイナスとなりました。

そして、その翌年2021年、町内全域が国の支援を受ける「過疎地域」に指定されたのです。

人口はピーク時から4割減少

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町の人口減少も深刻な状況です。

現在の人口は約1万3000人(10月1日時点)で、ピークだった1980年ごろの約2万2000人から4割も減少しました。

とりわけ懸念されているのが、将来の働き手や納税者となる子どもたちです。

15歳未満年齢の割合は2020年時点で8.0%(約1100人)、2040年には5.5%(約524人)にまで落ち込むと予想されています(国立社会保障・人口問題研究所)。

町民からは“合併話”に前向きな声も「ちょっと活気づくのではないかな」

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財政や人口減少など、厳しい状況にある岬町。今回の“合併話”を町民はどう思っているのでしょうか?

(町民)
「どうして岬町が外れてしまったのだろうと思っているくらいです。若い人が少ないでしょ、合併したらちょっと活気づくのではないかな」
「お金がない町なので、(合併の検討案に)入れてくれないんじゃではないかと思っています。(Q入れてもらえるなら?)他の大きな街の人に『こうしようよ』って言ってもらいたいですね」

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合併には前向きな町民の声も聞かれる中、舵をとる町長は、「合併を前提としたそういった協議会には参加はしないという意向をはっきり申し上げています」とコメントしました。

一体なぜなのでしょうか?

過疎指定は「ありがたい」町長が語った事情

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合併を視野に入れた研究会に不参加の姿勢を見せている田代町長。その背景には、「過疎地域」だからこその事情があると言います。

(Q「過疎指定」を受けたことについては?)
「ありがたいですね。『過疎指定』なら(公共施設整備費など)7割が地方交付税で返ってきますから、町の単独負担が少なくてすむ。現在国の過疎債を使って老朽化対策をやっていることはメリットが大きい」(岬町・田代堯町長)

「過疎指定」されると、借金のうち7割を国が支援してくれるという、特例的な借金「過疎債」を発行することができるようになるというのです。

「合併をすることで住民の声が遠くなることが問題」とも

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さらに、合併の“デメリット”も挙げています。

【合併の影響】※町長による
・役所が遠くなる
・町内の小学校3校→1校(統廃合などにより)
・町の議員12人→2人
・過疎債が使えなくなる

「住民の身近なところで行政運営されて、住民の声が行政に届きやすい。合併をすることによって、声が遠くなっていくことが私は問題かなと思っています」(岬町・田代堯町長)

岬町の命運を握るのは「2つの跡地」

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過疎債による支援を受けられるとはいえ、それだけで町の未来が約束されているわけではありません。町が“自立”を目指すならば、住民(人口)を増やすか企業を誘致し税収を増やす必要があります。

そんな岬町の命運を握るのが、「みさき公園跡地」と「多奈川発電所跡地」です。

「みさき公園跡地」は、グランピング施設など再開発が一時持ち上がったものの、今年2月に白紙となり、新たな事業者を探しているのが現状です。

現在、更地となっている「多奈川発電所跡地」は、2028年2月に蓄電所として運転開始予定。それでも空いている土地は、町長によると関電が新たな企業を誘致する方針でまとまっているということです。

人口減少という巨大な荒波のなかで、地域の暮らしと行政のあり方をどのように維持していくのか…模索が続いています。

(2026年10月27日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『山中プレゼン』より)

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