TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)
ちなみに僕はApple Musicを使っている。Macユーザー、そしてiPhoneユーザーとして、流れでApple Musicのフリートライアルに登録し、そのまま流れで有料課金に応じている始末だ。ただ、電話としては使っていない旧iPhone(iPhone 5s)をオフィスに置き(つまりWi-Fi環境に置き)、それを使ってオフィス内に音楽を流しているので、十分に使っている方なのだと思う。
“外来の”ストリーミングサービスにおける弱点と言えるのは、恐らくは邦楽の充実度が国産ストリーミングサービスに劣る、ということだろうが、僕は邦楽をほとんど聴かないし、ましてオフィスのBGMとしての使い方としては日本語の歌詞は耳障りになるので、なんの問題がないことになる。
レコードやCDのようなパッケージを購入するという考え方は、まず物理的なパッケージからソフトウェアへと変化し、ダウンロードが主流になった。そして、今ではダウンロードからストリーミングへと変化し、上述のように群雄割拠で複数のサービスがしのぎを削る時代が訪れた。舞台はスマホ、モバイルである。
だから正直に今後の見込みを書けば、Apple、Google、Spotifyが最終的にはこの市場の三強として生き残り、そしてさらに最後はAppleかGoogleにSpotifyが買収されるというシナリオが僕には容易に浮かぶ。
もちろんFacebookやSnapchatのように、モバイルを主戦場にしながら、AppleとGoogleの支配を免れている分野は存在するが、音楽は作り手自体がメジャーであり、コンテンツの提供者は大企業だ。Facebookなどのソーシャルサービスにおいてはコンテンツの提供者と受託者の数はほぼ同一だが、音楽は提供者の数が圧倒的に少ない。こうしたマーケットにおいては、プラットフォーム側がたいていの場合勝利する。つまりAppleとGoogleが最終的に独占する、と僕は考える。
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おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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