Illustrator(イラレ)で、オブジェクト(図形など)をブレンドする方法を解説します。ブレンドには「ブレンドツール」を使用します。
ここでは星形と五角形の2つのオブジェクトを使った場合を例に(図1)、まずはブレンドツールで何ができるかを確認していきましょう。使い方は後ほど紹介します。
図12.ブレンドツールでできること[1]
たとえば、ブレンドツールで星形と五角形を「ブレンド」すると、その中間の形を生成できます(図2)。
図2。星形と五角形をブレンドツールでブレンドすると、星形からだんだんと五角形になり、その過程の図形も生成される3.ブレンドツールでできること[2]
黄色と赤の中間色はオレンジですが、ブレンドツールで異なる2色をブレンドすると、段階的に黄→オレンジ→赤のグラデーションのオブジェクトを作成できます(図3)。
図3この中間のオブジェクトにアンカーポイントなどはありません。星形と五角形だけが編集可能で、どちらかを変化させるとそれに合わせて中間のオブジェクトも変化します。
また、中心にはブレンド軸とよばれるパスがあります。このブレンド軸を中心にオブジェクトがブレンドされます。ブレンド軸をカーブにするなどの編集も可能です(図4)。
図4
1.ブレンドツールをクリック
2.ブレンドしたいオブジェクトを順にクリック(星形をクリック)
3.(五角形をクリック)
これで中間のオブジェクトができます(図5)。
図5
(図5をブレンドした結果の図)
ブレンドオプションは、ブレンドしたオブジェクトを選択後、ブレンドツールをダブルクリックすると表示できます(図6)。
図6。ブレンド後に、ブレンドツールをダブルクリックで表示
[間隔:ステップ数]は、何段階でオブジェクトを変化させるかを決めます。下図(図7)は、ステップ数[3]に設定した状態。指定した数で中間のオブジェクトを作ります。
[間隔:距離]は、オブジェクトの輪郭から輪郭までの間の距離を指定します。たとえば下図のように、距離[20px]に指定した場合は、中間がすべて20pxで統一されます。
図7
図8
ブレンドされたオブジェクトはグループ化されています。個別で編集する際は、shift+command+Gキー(Macの場合。
また、オブジェクトメニュー→“ブレンド”→“”解除”を選択すると、ブレンドを解除することもできます。
原因はクリックする位置です。ブレンドツールではオブジェクトのアンカーポイントをクリックすると、そのアンカーポイントを基準にブレンドします。オブジェクトが回転してしまう場合は、ブレンドツールでクリックする際、基準となるアンカーポイントを統一することで解決します(図9)。
図9以上、Illustratorでブレンドツールで、オブジェクトをブレンドする(自動でオブジェクトを均等に分布・グラデーションにしながらオブジェクトなど)方法でした。
●構成:編集部、専門学校講師のイラレさん ●制作:専門学校講師のイラレさん ●編集:編集部
だんだんと形を変える図形や、オブジェクトを均等に分布、グラデーションされたオブジェクトなど、気の利いた変形ができる便利なツールなので、ぜひ活用しましょう。
■使用する機能「ブレンドツール」「ブレンドオプション」、ブレンドの「拡張」「解除」
目次1.ブレンドツールとは?
ブレンドツールの機能を端的に言うと「2つのオブジェクトの中間を作成するツール」です。ここでは星形と五角形の2つのオブジェクトを使った場合を例に(図1)、まずはブレンドツールで何ができるかを確認していきましょう。使い方は後ほど紹介します。

2.ブレンドツールでできること[1]
中間の形を作成できる
たとえば、ブレンドツールで星形と五角形を「ブレンド」すると、その中間の形を生成できます(図2)。
3.ブレンドツールでできること[2]
中間色、グラデーションを作成できる
黄色と赤の中間色はオレンジですが、ブレンドツールで異なる2色をブレンドすると、段階的に黄→オレンジ→赤のグラデーションのオブジェクトを作成できます(図3)。
また、中心にはブレンド軸とよばれるパスがあります。このブレンド軸を中心にオブジェクトがブレンドされます。ブレンド軸をカーブにするなどの編集も可能です(図4)。

4.ブレンドツールの使い方
ブレンドツールの使い方は簡単で、1.ブレンドツールをクリック
2.ブレンドしたいオブジェクトを順にクリック(星形をクリック)
3.(五角形をクリック)
これで中間のオブジェクトができます(図5)。


5.ブレンドオプションツールで中間を設定する
中間のオブジェクトの設定などは、ブレンドツールのブレンドオプションで細かく調整できます。ブレンドオプションは、ブレンドしたオブジェクトを選択後、ブレンドツールをダブルクリックすると表示できます(図6)。

■[間隔]でブレンド方法の詳細を設定
[間隔]では3種類のブレンド方法が選べます。[間隔:スムーズカラー]は、色がスムーズに変化するブレンドです。中間に生成されるオブジェクトの数は、自動で設定されます。[間隔:ステップ数]は、何段階でオブジェクトを変化させるかを決めます。下図(図7)は、ステップ数[3]に設定した状態。指定した数で中間のオブジェクトを作ります。
[間隔:距離]は、オブジェクトの輪郭から輪郭までの間の距離を指定します。たとえば下図のように、距離[20px]に指定した場合は、中間がすべて20pxで統一されます。

■[方向]でオブジェクトの向きを設定
[方向]では、ブレンド軸をカーブにしたときの、ブレンドオブジェクトの向きを決めます。[垂直方向]を選択すると、カーブであってもオブジェクトの向きは変わらず、[パスに沿う]を選択すると、オブジェクトの向きはパスに対して垂直になります(図8)。
6.ブレンドツールで作ったオブジェクトを編集するには?
ブレンドツール自体は、中間のオブジェクトを編集できません。そこで、中間のオブジェクトは、オブジェクトメニュー→“ブレンド”→“拡張”で編集しましょう。ブレンドされたオブジェクトはグループ化されています。個別で編集する際は、shift+command+Gキー(Macの場合。
Windowsは、shift+ctrl+Gキー)で、グループ化を解除します。
また、オブジェクトメニュー→“ブレンド”→“”解除”を選択すると、ブレンドを解除することもできます。
■ブレンドが上手くできない場合の対処法
ブレンドツールを設定していて、オブジェクトが回転してしまい上手くできないケースがあります。原因はクリックする位置です。ブレンドツールではオブジェクトのアンカーポイントをクリックすると、そのアンカーポイントを基準にブレンドします。オブジェクトが回転してしまう場合は、ブレンドツールでクリックする際、基準となるアンカーポイントを統一することで解決します(図9)。

●構成:編集部、専門学校講師のイラレさん ●制作:専門学校講師のイラレさん ●編集:編集部
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