毎日のアクティビティや健康状態を手軽に把握できるツールとして注目を集めるスマートウォッチですが、高機能化が進んだことで、製品によってはスマホやPC上に使い方が難解で、機械オンチの人にとってはなにかとハードルは高いもの。またハイエンドモデルだと価格も数万円はくだらず、買いたくても手を出せない人は多いはずです。


こうした人にぴったりな、初めから一通りの機能を組み込み、PCやスマホに不慣れなユーザーにもわかりやすく使えるようにしたスマートウォッチ「QS16 PRO」を今回、紹介していきます。実売わずか2,980円で、販売元が楽天年間ランキング1位を大きくアピールする本製品、どの程度使えるのかをレポートします。

実売わずか2,980円、楽天年間ランキング1位の格安スマートウォッチ「QS16 PRO」は果たして信頼できる?
女性でも使えるとの触れ込みながらサイズは大きめ
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右側面のボタンは画面の再点灯などに使います
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肌に触れる背面センサーで心拍数を測定する仕組み
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専用の充電器(左)にはめ込むことで充電されます本製品は、歩数などのアクティビティーを計測したり、あるいは体温や心拍数など健康状態を把握するためのツールがひととおり有効になっています。購入してセットアップを完了すれば、迷わずすぐに使い始められます。

測定したデータは、画面上で参照できるのはもちろん、連携先のスマホアプリからも参照できます。スマホなしで単体利用も可能ですが、スマホがあれば過去のデータと対比させるなど、長期にわたってデータを保管、分析できるようになります。

体温や心拍数、血中酸素濃度などの測定は、指定した間隔で自動的に行われますので、手動で測定を行う必要はありません。スマホとの連携も、アプリを起動することにより、Bluetooth経由で取り込まれますので、煩わしい操作をする必要はありません。機械オンチな人にはぴったりでしょう。

またスマートウォッチの利点の一つである、スマホと連携しての電話やメール、LINEなどの通知表示もサポートしていますので、スマホをバッグの中に入れたままこれら通知を読むことが可能です。このほか本製品からスマホを探したり、スマホから本製品を探すといった紛失防止機能や、座り過ぎを警告する機能も備えています。

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文字盤の例。
画面を右方向へスワイプすると体温や心拍、各種アクティビティなどを確認できます
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画面を左方向にスワイプすると個別の機能を呼び出すことができ、手動の計測も行えます
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メールなどの受信や音楽再生、さらには連携先のスマホを本製品から鳴らす機能も用意されています
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文字盤はさまざまなデザインから選択することができます。スマホアプリからも選択可能です操作は基本的に画面のタッチで行います。本製品はデフォルトでは操作が5秒間ないと消灯するため、そのたび右側面のボタンを押して画面を再表示させる必要がありますが、基本的にはタッチ操作でほぼすべてが完結します。

特筆すべきなのはバッテリーの持ちの良さです。今回の試用期間中、就寝時は外し、日中のみ装着するスタイルで試用しましたが、途中2週間ほどの中断期間を経て1ヶ月ほど試用しても、バッテリーの残量表示は未だに50%を超えています。一部のスマートウォッチのように、こまめな充電が必要なせいで、就寝中のアクティビティーが記録しづらい問題はなさそうです。

そんな本製品の最大のメリットは価格です。実売価格は2,980円と、コストパフォーマンスは抜群です。スマートウォッチに興味はあるけれども、いざ買っても馴染めるかわからない、1週間もすれば放置状態になるかもしれないという不安がある場合、本製品のような低価格の製品で試すのは、ひとつの方法かもしれません。交換用のバンドが豊富にラインナップされているなど、ファッション性の高さも魅力です。

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スマホアプリのメイン画面。当日の計測データの概要を縦スクロールで参照できます
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個別の画面に切り替えると日/週/月単位の表示の切替や、具体的なデータの表示が行なえます
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本製品を着用して就寝することで睡眠データが取得できます。
アドバイス機能も用意されています
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心拍数や体温、血中酸素濃度などの測定は自動的に行われるため、通常は手動測定の必要はありません
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デバイスの設定画面。着信通知、アラームなどのほか、座りすぎの通知機能なども用意されています
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文字盤のデザインは本体側で変更するよりもスマホアプリ上で変更したほうが一覧性も高く選択も容易です
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通知を受け取るアプリの選択画面。GmailやTwitter、LINEなどを試しましたが問題なく動作しました
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本製品からスマホを探す機能とは逆方向の、スマホ側から本製品を検索する機能も用意されていますと、なかなかよい製品に見えますが、ではお勧めできるかというと、少々微妙なところがあります。これにはいくつかの理由があります。

ひとつはメーカー名を明らかにせず販売されていることです。こうした製品につきものの技適の取得番号をもとに総務省のサイトで検索すれば、申請元の中国・深センの企業名が出てくるのですが、そこまでしなくては分からない製品を全面的に信用するのはやはり無理があります。ましてや本製品はアクティビティデータを預けるのですからなおさらです。

またアプリを使っていると、取扱説明書などに記載のない謎の画面が唐突に表示されることもあるのも気になります。これらについてアプリ内の問い合わせフォームから質問を送っても回答は一切なく、サポート体制にも不安を感じます。

さらに致命的なのが、正しく測定しているとは思えない結果が稀に見られることです。筆者はかなり血圧が高めなのですが、本製品の血圧測定機能ではいつ測っても上が125±5、下が80±5程度(単位はmmHg、以下同じ)という、至って健康的な値が表示されます。これが正しい値ならば喜ばしいのですが、腕につけずに測定を実行しても、ほぼ同じ値が表示されるなど、この上なく不自然です。


試しに本製品を初期化し、細身で小柄な女性という架空のプロフィールで再登録したところ、測定される血圧は110/70前後へと下がりました。こちらもやはり、腕につけずに測定を行っても、装着時とほぼ変わらない値が表示されます。実際には測定を行わず、体型などから予測される血圧を毎回微妙に変えつつ、ランダムに返しているだけなのでは? と疑いたくなります。

もともとスマートウォッチで血圧測定が可能な製品といえば、管理医療機器としての認証番号も取得したファーウェイの製品しか国内にはなく、実売価格は6万円台と高価です。実売3千円台で、かつ医療機器ではない旨注意書きがある本製品にそれに匹敵する性能を求めるのは無理があるにせよ、測定結果が不正確なのと、ダミーと思しき値を返してくるのとでは、根本的に意味合いが異なります。

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血圧の計測データ。いつ測っても変動がなく健康的ですが、筆者の通常の血圧とは大きくかけ離れています
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こちらはダミーの体型で作り直したアカウントで取得したデータ。左のデータと比べ明らかに低めの値が出ています
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一見まっとうな心拍数のデータに見えますが、実はこの間、本製品は肌に装着しておらず、データの根拠が不明です
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ダミーで使用したプロフィール。これらのデータをもとにランダムに値を返している疑いがあります以上のように、一見すると機能豊富で使い勝手もよいのですが、一部に疑わしい機能があるせいで、きちんと測定されていると思しき計測データまで疑わしく見えてしまうというのが、試用した上での感想です。

なかには歩数計のように、客観的に見てもある程度信頼が置けそうな機能もありますし、着信通知をはじめとしたスマホ連携機能の実用性は十分ですが、実売2,980円という安さを持ってこれら計測まわりの疑わしいデータを許容するのか、それとも信頼性を重視するのかで、製品の評価は大きく変わってくると言えそうです。

DATA製品名:QS16 PRO
実売価格:2,980円
発売元:L&Lライブリーライフ

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