本、ポスター、パッケージ、映像作品、Webなど、魅力的な最新のデザインを毎週ダイジェストでお届け。今回は、CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』を紹介します。


目次

CDジャケット
RHYMESTER『Open The Window』

CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』
CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』
アーティスト・ビジュアル

●Art Director:木村豊[Central67]
●Illustrator:我喜屋位瑳務
2023
JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

6年振りとなるRHYMESTERのニューアルバム『Open The Window』が、2023年6月21日にリリースされる。ドラマタイアップ曲「初恋の悪魔-Dance With The Devil」や、ゲストを招いての新録曲など、さまざまな試みのある11曲を収録。CDジャケットのアートディレクションは木村豊、イラストは我喜屋位瑳務によるもので、RHYMESTERのアートワークを数多く手がけてきたタッグだ。アルバムのリリースにあわせ新しいアーティスト・ビジュアルも公開され、こちらも両名が手がけている。

商品パッケージ
『madoca』

CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』
左から『madoca シャンプーバー みずみずしいフルーティフローラルの香り』
『madoca シャンプーバー さわやかなシトラスボタニカルの香り』
『madoca コンディショナー バーやさしいハッピーサボンの香り』
CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』

●Designer:三原美奈子
2023
牛乳石鹸共進社
発売元:バイソン

牛乳石鹸から新しいサステナブルブランド『madoca』が誕生。固形のシャンプーバー2種とコンディショナーバーを発売した。ブランド名は「円」という漢字から想起されたもので、「地球(球体・丸)に対して、あらゆる角度(360度)で環境対応し、穏やかさ、安らぎを与えられるブランドでありたいという」という想いが込められている。パッケージデザインもそのコンセプトを感じられるような、柔らかさや優しさのあるデザインに。またパッケージ容器は、食べられなくなったお米を使用した紙素材「米紙 kome-kami」が使用された。デザインは三原美奈子。

デザイナーの三原美奈子さんコメント

パッケージは、循環を表現した造形や、自然の営みをやわらかい線画のイラストで構成しました。

中身がエコな商品なので、印刷色もキーカラーとスミの2色のみ。kome-kamiのナチュラルな風合いを生かしました。

牛乳石鹸さんのシンボルであるCOWマークが、madocaのロゴやイラストの世界観ともマッチしたので、信頼感や安心感がありつつ、かわいさも感じられるデザインに仕上がったかなと思います。


緑、赤、グレーのカラーリングは、サステナブルと親和性が高いアウトドア商品をイメージしました。私自身、旅好きということもあり、使うとその分なくなっていく固形シャンプーは旅やキャンプにぴったりだと考えたんです。

書籍カバー
千加野あい『どうしようもなくさみしい夜に』

CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』

●Designer:二宮由希子[新潮社装幀室]
●Illustrator:右近茜
2023
新潮社

R18文学賞友近賞を受賞した、千加野あいの短編集『どうしようもなくさみしい夜に』。セックスワークで生計を立てる、主人公・夏希の母親。そんな母が、ある日突然「結婚したい」と言い出し、夏希は元風俗嬢と噂される先生のもとへ……。緑の背景と差し色の赤のコントラストが目を引く書籍カバーは、装丁を新潮社装幀室の二宮由希子、装画をイラストレーターの右近茜が手がけた。寝転ぶ女性の背中が描かれ、気怠気で艶もあり、切さも漂う抒情的な装画に。夏の代名詞でもある蚊取り線香によって、夏の情景をリアルに想起させる。

新潮社装幀室のデザイナー、二宮由希子さんコメント

夜の仕事とその周辺で生きる人々のリアルを描いた、切なく、そして温かい気持ちになる連作短編集です。
編集部からのリクエストは「エモさ」を感じさせる装幀。右近茜さんの、シンプルだけど艶っぽく、優しく包み込んでくれるような作風がぴったりだと考え、お願いしました。
あえて顔を見せないことで余韻を濃密にただよわせる、女性の後ろ姿が気に入っています。
頭のなかに控えめに配した書名は、彼女の心の呟きでもあるようにと、そんなことも意識しました。

CDジャケット『Open The Window/RHYMESTER』、商品パッケージ『madoca』、書籍カバー『どうしようもなくさみしい夜に/千加野あい』
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