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手頃な価格の「Apple Pencil(USB-C)」
「Apple Pencil(USB-C)」は、12,880円(税込)の価格で販売される。「Apple Pencil(第1世代)」が14,880円(税込)、「Apple Pencil(第2世代)」が19,880円(税込)であることから、まずその価格に注目が集まり「Apple Pencilが購入しやすくなった!」と多くのユーザーが歓喜の声をあげた。ただし、その後にこの新モデルは「筆圧検知」に対応していないことがSNSなどを中心として話題となる。同社の発表では、Apple社が本国から発信しているリリース画像がそのまま公開され、そこでのモデルごとの比較表で「Pressure sensitivity(筆圧感知)」が英語で表記されていたことからも、SNS上で「間違えないように要注意」と呼びかけるユーザーが多く見られた。

そもそも筆圧感知とは?
スタイラスの筆圧感知についておさらいしておくと、この機能を備えた製品では画面にペンを当てる際の筆圧の強さが描画に反映される。つまり、紙とアナログのペンで書くのと同じような使い心地を求めるのであれば、この「筆圧感知」の機能は必須だ。特にイラストを描くときにタッチペンを使う場合には、「筆圧感知」を利用することで、自分の手での描画ならではの繊細なタッチを再現できる。「筆圧感知」の機能がないスタイラスでは、力強く描いても弱いタッチで描いても、使用するブラシツールの太さを変えない限り一律して同じ太さの線で描画されてしまう。多くのイラスト制作者が求めるような「アナログで描くような操作感」は実現されない。
Apple社のブランディングの意向もあるだろうが、これまでと同じく新製品に「Apple Pencil」という名称が冠されたことも分かりづらく感じたユーザーが多かったようだ。少なくとも「Apple Pencil(USB-C)」は「Apple Pencil(第2世代)」の後継機というわけではなく、方針が異なる別モノの製品ととらえたほうがクリエイティブな分野のユーザーにとっては分かりやすいだろう。
「Apple Pencil(USB-C)」のメリットは?
新製品の特徴は、前述の通りに購入しやすい価格であること。
もちろん、自分の作業環境やタッチペンの用途に照らし合わせて、「筆圧感知は必要ない」と結論付けられるのであれば、「Apple Pencil(USB-C)」は魅力的な製品となる。「後継モデル」ではなく「ラインナップが拡充されて選択肢が広がった」ととらえれば、それは喜ばしいことである。
「Apple Pencil(USB-C)」にも傾き検知の機能などは搭載されており、第1世代モデルでは対応していない「iPad Pro」でのホバー機能(画面から少し浮かせた状態で反応する)などをサポートしているといった違いもある。「新モデルだから当然、筆圧感知にも対応していると思った」と早合点だけはしないように注意が必要だ。個人的には、イラスト制作などクリエイティブな用途に使うのであれば、少し予算の確保を頑張ってでも上位の「Apple Pencil(第2世代)」の購入がオススメではある。

URL:https://www.apple.com/jp/
2023/11/1
