2024年2月25日(日)まで、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの情報発信拠点「TOKYO NODE」にて、「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」が開催されています。写真家/映画監督の蜷川実花氏がクリエイティブチーム「EiM」として、五感で感じる体験「Eternity in a Moment」に挑んでいます。


【目次】

プロジェクトごとにチーム編成されるEiM

蜷川実花氏は、木村伊兵衛写真賞など数々の受賞歴を誇り、鮮やかな色彩の写真で人気です。写真のほかにも、映画、映像、空間インスタレーションと活躍の幅は広く、2012年の「ヘルタースケルター」、2019年の「Diner ダイナー」など長編映画は5作品を手掛けています。Netflixのオリジナルドラマ「FOLLOWERS」の監督も務め、最新の写真集には「花、瞬く光」があります。

その蜷川氏が、データサイエンティストの宮田裕章氏や、セットデザイナーのEnzo氏らと結成したクリエイティブチームが「EiM」です。プロジェクトごとにチーム編成を行うことが特徴で、今回は建築家の藤本壮介氏やフラワークリエイターの篠崎恵美氏らがゲストメンバーに迎えられました。

極彩色ではなく “光彩色” の世界が表現された「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
EiM(エイム)は「Eternity in a Moment」の意味を持つ名前 

CGを使わずにリアルな被写体で構成

会場は映像インスタレーション・写真、立体展示などで構成されており、14の作品全てが本展のための制作されたものです。会場の「TOKYO NODE」は地上から200m超の45Fの高さにある広大なギャラリーで、外光も作品の一部に取り入れるなど、会場の特徴的な空間に合わせて展示作品が制作・刷新されています。

極彩色ではなく “光彩色” の世界が表現された「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
「Flashing Before Our Eyes」イメージ
最高15mの高さのドーム型天井の全面を使った大型の映像作品本展のために制作された映像は、CGを用いずにリアルな被写体で構成されていることが特徴です。日常の中にある儚い美しさが「永遠の存在」として表現され、CG未使用ながらも幻想的な美しさが実現されました。

極彩色ではなく “光彩色” の世界が表現された「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
「胡蝶のめぐる季節」イメージ
投影される花は作りもののような美しさでありながら、CGではない “実物” が切り取られました。6層のスクリーンでは鑑賞者も作品の一部となります

色の消失から再生を表現したストーリー

全ての作品には音楽がセットになっていて、14の作品群を全て体験すると1つの映画を見たようなストーリーを感じさせます。「巡回不可」の展示スタイルも、そのストーリー性を強く強調する方式です。

展覧会は、世界から色が消えていることを象徴するような色のない展示から始まり、それはパンデミックにおける停滞と再生を表現しています。その後は蜷川氏の真骨頂とも言える色鮮やかな作品へと進んでいき、リアルの中にある色を最大限に引き出して、人間が識別できる最大数と言われる100万もの色を表現した作品が展示されています。


極彩色ではなく “光彩色” の世界が表現された「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
導入部分のイメージ。ここからストーリーを感じさせる展示が始まります従来の蜷川氏の作品を象徴するのは「極彩色」でしたが、本展の作品で表現されているのは「光彩色」です。つまり、強烈なコントラストによる強い鮮やかさから、光に包まれた美しさを感じさせる表現に変化しています。「日常にある多様な色」を感じることができる展示です。

極彩色ではなく “光彩色” の世界が表現された「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
「Intersecting Future」イメージ。映画のセット技術を活用し、鑑賞者の上下左右の視界一面が花で埋め尽くされます■期間:
2023年12月5日(火)~2024年2月25日(日)

■開催場所:
TOKYO NODE GALLERY A/B/C
東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F

■問い合わせ先:
TOKYO NODE
url. https://tokyonode.jp/sp/eim/

極彩色ではなく “光彩色” の世界が表現された「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
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