【目次】
「フォントの名前を知りたい」というニーズ
デザイナーは特に、画像を見たときに「このフォントいいな」「何というフォントだろう」と感じる場面は多いでしょう。そのような「フォントの名称を知りたい」というニーズに応えるかたちで、フォントワークスが開発したのが「フォント検索アプリ(β版)」です。それが「MOJICITY」で「フォトからフォント検索」として公開されました。「MOJICITY」は、同社がインターネット上で展開している “実験仮想都市” で、「誰もがもじをもっと楽しめる場所をつくる」というコンセプトのもと、多くの人々に文字やフォントを身近に感じてもらえるように運営されています。今回の「フォトからフォント検索」のほかにも、完成したアプリ・開発途中のアプリも含めて、さまざまなツールが公開中です。

URL:https://mojicity.jp/
「フォトからフォント検索」の具体的な使い方
今回の新アプリを利用するには、まず「MOJICITY」で「フォトからフォント検索」にアクセスします。表示される「UPLOAD」の画面内に「規約に同意する」という欄があるのでそこへチェックをしたら、次は画像をアップロードする手順です。画像は最大5MBのJPEGもしくはPNGデータに対応しており、ファイル選択かドラッグ&ドロップでアップロードできます。
画像がアップロードできたら、検索したい文字が含まれる範囲を指定して「検索」をクリックすれば結果が表示されます。結果では候補となる複数のフォントが提示され、どのくらい正確であるかを示す “一致率” もパーセント表示される仕組みです。
ツールを使いこなすポイント
画像に掲載されているフォントが複数ある場合も多いでしょうが、検索するフォントは複数ではなく1種類になるように範囲を絞って検索すると、精度が高まります。また、検索する文字の数は少ないほど、結果が速く表示されるようです。また、実際に使ってみると気づくことですが、範囲の指定には水平・垂直な矩形が用いられます。画像内の文字列が斜めである場合には、検索したい範囲の文字列の角度を調節した画像を別途に用意すると、指定がしやすいでしょう。


現時点での対応フォントは限定的
また、今のところ本アプリで検索できるフォントは、同社の年間定額制フォントサービス「フォントワークスLETS」で提供されている日本語フォントに限られています。指定した画像内の文字列がそれ以外のフォントであった場合には、「フォントワークスLETS」内の日本語フォントの中から近いものがヒットする仕様です。
フォントワークスの「フォトからフォント検索」は、日本語フォントに特化していることがある種の強みと考えられるかもしれません。フォント名の検索ツールでも、日本語に非対応のものは意外に多いからです。
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今回のツールは、十分に実用的な精度に成長し、対応フォントがさらに充実するとかなり便利そうな印象です。検索結果の画面から「フォント詳細」を押すと、そのフォントの詳しい情報を知ることができるので、フォントに関する知識を蓄える目的でも使えるでしょう。“遊び感覚” で試しに使ってみても非常に面白い、意欲的な試みのツールです。
フォントワークス株式会社
URL:https://fontworks.co.jp/
2023/12/28
