※ 2024.03.21:「JAPANESE MODERN AND CONTEMPORARY」「ポケモンと考える アート・環境教育展 2」を追加
【目次】
【1】<Event Area>東京都・新宿区
「JAPANESE MODERN AND CONTEMPORARY」
~日本のビンテージ家具のデザインに注目~
展覧会では、有名な作家が手掛けた作品が展示販売されます。Objet d’ artから紹介されるのは、坂倉準三氏、剣持勇氏、イサムノグチ氏、柳宗理氏、シャルロット・ぺリアン氏など13名の作品です。シャルロット・ぺリアン氏はフランスの建築家/デザイナーで、日本にも滞在し、日本の美意識に強く影響を受けています。
そのほか、本イベントではGallery CASA DEの復刻プロジェクトも披露されます。日本の伝統的な技術を応用してデザインされた名品を復刻し、次世代へとつなぐことを目的としたプロジェクトです。
今回は、剣持勇氏がデザインした5種の手刺緞通(絨毯)が復刻され、イセタン ザ・スペースで初めて受注販売されます。剣持氏はかつて京王プラザホテルの内装や家具、空間デザインを総合プロデューサーとして手掛けた人物です。今回の緞通は同ホテルのメインロビーで使われていたものが復刻されています。
原嶋亮輔氏によるフロアランプ
写真提供:オリエンタルカーペット株式会社期間2024年3月20日(水・祝)~4月8日(月)開催場所伊勢丹新宿店 本館2F イセタン ザ・スペース
東京都新宿区新宿3-14-1URLhttps://www.mistore.jp/store/shinjuku.html
【2】<Event Area>東京都・天王洲
「ポケモンと考える アート・環境教育展 2」
~身の回りのもので美大生が40体以上のポケモンを制作~
本展は、財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団の協力のもとで開催されます。作品を制作したのは、多摩美術大学 生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻 Studio3の学生たちです。Studio3では、美大ならではのアートを含めたオリジナルの “提案力” を大切にし、造形力を中心にクリエイティブな表現力が育成されています。現在取り組んでいるのは、循環型社会の構築やゴミ問題の解決を目指す “すてるデザイン” です。
今回の展示作品には、昨年に登場したピカチュウやリザードンなどのポケモンに加え、パピモッチ、ルギア、コダックなどの新作も追加されました。
また、会期中の3月30日(土)と4月6日(土)には「君だけのモンスターボールをつくる」と題した無料ワークショップも実施されます。会場は多摩美術大学 TUBと同じくミッドタウンタワー 5Fのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで、小学生と保護者のペアでの参加が可能です(各日3回・全6回予定/各回15組/先着順)。
©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
※ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー 5FURLhttps://tub.tamabi.ac.jp/
【3】<Event Area>東京都・港区虎ノ門
「PLAY w/ HOKUSAI」~新ギャラリーで葛飾北斎の絵手本 “北斎漫画” に注目~
「北斎漫画」は全15編の絵手本です。全国各地に点在していた弟子たちに、葛飾北斎が自身の技術を伝えることを目的として描きました。
「北斎漫画」は現代の漫画のルーツの1つになったとも言われています。本展では「北斎漫画」から厳選された80点が紹介され、“遊び” の要素を含む作品が多いことも特徴です。
会場の空間演出でも、自由奔放な森羅万象の世界に入り込むような楽しいデザインが実現されました。「Scene(状況・光景)+Graphic(描写・記述)」に由来する「セノグラフィー」という方法論が用いられています。オープニングディレクションを担当したのはART&REASONの佐々木真純氏、クリエイティブディレクションを手掛けたのは田中一光に師事して2003年に有限会社ナノナノグラフィックスを設立した、おおうちおさむ氏です。
東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 3FURLhttps://artcruisegallery.com/
【4】<Event Area>東京都・豊島区 ほか
有村架純 写真展「sou.」~30代初の写真集の発売を記念した展覧会~
当初の予定より期間が延長され、3月25日(月)まで開催されることが決まりました。池袋での会期終了後は、福岡PARCO(3月30日~4月21日)や心斎橋PARCO(4月26日~5月12日)にも巡回します。
写真集の撮影を担当したのは、フォトグラファーの今城純氏です。会場では、写真集の舞台となったタイ・東京・鎌倉のそれぞれの世界観が再現されています。写真集の未収録カットやオフショット映像を鑑賞できるほか、有村架純さんによる言葉もさまざまな仕掛けを通して展示されます。
来場者には「チケット型クリアカード」や「ミニステッカー(全5種ランダム)」の特典があり、有村架純さんがプロデュースしたオリジナルグッズも販売予定です。会場でしか購入できないスペシャルカバーでの写真集(ポストカード付き)も販売され、対象商品の購入者から抽選で500名を対象に「サイン本お渡し会」も実施されます。
東京都豊島区南池袋1-28-2 池袋PARCO 7FURLhttps://art.parco.jp/
【5】<Event Area>東京都・台東区 ほか
「変わる廃墟展 2024」~アートとしての “廃墟” のイメージを楽しめる写真展~
この「変わる廃墟展」は1年に1度開催されていますが、最新作が一挙に公開されるため、これまでに会場を訪れたことがある人も新たな気持ちで楽しめる内容です。総勢15組の新進気鋭のアーティストが参加し、どの作品でも「静寂の中に眠る美しさ」が表現されています。
参加者はSNSで人気のアーティストが中心で、Xでフォロワー数28万人を超える「toshibo(@JIYUKENKYU_jp)」、Instagramでフォロワー3万人超えの「啝(@neji_maki_dori)」などの作品を楽しむことができます。そのほか、展覧会に初出展となるクリエイターにも要注目です。
会場では、オリジナルグッズや公式図録も購入できます。公式図録は数量限定で、最新作が掲載された特別仕様での新登場です。また、来場者の先着2,000名にはオリジナルのポストカードもプレゼントされます。
東京での会期終了後、4月6日(土)~4月21日(日)には、名古屋にあるTODAYS GALLERY STUDIO. NAGOYAでも開催予定です。
東京都台東区浅草橋5-27-6 5FURLhttp://tgs.jp.net/event/haikyo
【6】<Event Area>東京都・千代田区
「BOOKS 水戸部 功×名久井直子」~2人のブックデザインの仕事から各30冊を紹介~
1979年生まれの水戸部氏は、多摩美術大学に在学中から装丁の仕事を始め、2011年には第42回講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞しました。要素を削ぎ落とした無駄のない美しい佇まいのデザインを得意としています。
1976年生まれの名久井氏は、武蔵野美術大学を卒業後に広告代理店を経てから装丁の仕事を始め、2014年に第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞しました。紙をはじめとする素材や加工を駆使したデザインを展開しています。
本展は、一見すると対照的とも言える2人の仕事から、素材・造本・デザインについて深掘りしていく内容です。“装丁の現在” を堪能することができます。
各30冊の装丁の情報を井上佐由紀氏による写真とともに2冊の本にまとめた図録も、会期初日にあわせて3月4日(月)に刊行予定です。図録は会場のほか、Webストアでも購入できます。この図録自体の書籍設計も、水戸部氏と名久井氏が手掛けています。
装丁:水戸部功
装丁:名久井直子期間2024年3月4日(月)~4月12日(金)開催場所株式会社竹尾 見本帖本店 2F
東京都千代田区神田錦町3-18-3URLhttps://www.takeo.co.jp/
【7】<Event Area>東京都・新宿区 ほか
白鳥真太郎写真展「光と影、色・形」~広告で活躍してきた第一人者の写真展~
白鳥真太郎氏は、千葉大学工学部写真工学科を卒業後、株式会社資生堂宣伝部写真部や株式会社博報堂写真部(現在の株式会社博報堂プロダクツ)を経て1989年に独立し、白鳥写真事務所を設立しました。ADC制作者賞、APA賞、毎日広告デザイン賞最高賞、日経広告賞グランプリ、読売広告大賞金賞、朝日広告賞、APAアワード経済産業大臣賞、ACC全日本CMフェスティバル金賞など数々の受賞歴があり、2018年には藍綬褒章を受章しています。
長きにわたって広告写真の第一線で活躍し、4年前には約45年の広告写真家の集大成としての展覧会も開催されましたが、今回の写真展の依頼は、その「集大成の後に続くものが見つからない時期」に受けたものであるとのことです。再び「写真の原点に戻ってみよう」という発想で撮影が行われ、その期間について白鳥氏自身は「コロナ禍の非日常な日常がクリエイティブな日々となりました」と語っています。
期間(東京)2024年3月5日(火)~3月18日(月)開催場所ニコンプラザ東京THE GALLERY
東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28FURLhttps://www.nikon-image.com/
【8】<Event Area>東京都・港区
「遠距離現在 Universal / Remote」~個人と社会の距離感を探るグループ展~
展覧会タイトルの「遠距離現在 Universal / Remote」は、資本と情報が世界規模で移動する今世紀の状況を踏まえて名付けられました。過剰な監視システムや精密なテクノロジーのもたらす滑稽さ、人間の深い孤独も感じさせるような作品が集められています。
8名と1組の作品が紹介されており、そこで軸となっているのは “Pan- の規模で拡大し続ける社会” と “リモート化する個人” です。出品者たちは、そのような社会的な条件が形成されてきた今世紀の “社会の在り方” に取り組むかたちで表現を展開してきました。
本展に関連して、各種のイベントも開催されます。3月18日(日)にはアーティストによるリレー・トーク(井田大介氏/地主麻衣子氏/ティナ・エングホフ氏/チャ・ジェミン氏/エヴァン・ロス氏)、3月17日(日)には徐冰氏の講演会(日本語と中国語の同時通訳あり)、5月12日(日)には木浦奈津子氏を招いたワークショップ、5月25日(土)にはヒト・シュタイエル氏とトレヴァー・パグレン氏の対談を実施予定です。
会期中には、キュレーター(国立新美術館 特定研究員 尹志慧氏)によるギャラリートークも複数回の実施が予定されています。
期間2024年3月6日(水)~6月3日(月)開催場所国立新美術館 企画展示室 1E
東京都港区六本木7-22-2URLhttps://www.nact.jp/
【9】<Event Area>東京都・千代田区
千賀健史個展「まず、自分でやってみる。」~特殊詐欺を掘り下げた新作を発表~
千賀氏の写真「1_WALL」での受賞作品「Bird, Night, and then」は、インドのカースト制度や貧困、学歴社会をテーマとした内容でした。社会の事象を構造的に捉える視点や、フィクションとノンフィクションを交錯させる編集力、写真媒体の活用の巧みさなどが高く評価されています。
今回の個展では、千賀氏が2019年から取り組んできたテーマに新たな視点を加えた新作が発表されます。約3年間にわたる特殊詐欺についてのリサーチを起点として、それを取り巻く社会構造や個々人をテーマとした作品です。
千賀氏は写真家としてキャリアをスタートしましたが、その表現は写真のみにとどまらず、映像や書籍や装置、それらを含むインスタレーションなど、その時々のテーマに対して最適な手法を採用しています。本展でのリサーチをベースとしながらも事実をただ写すだけでなく “常にフィクションが交えられた” 表現にも注目です。
期間2024年3月6日(水)~4月14日(日)開催場所BUG
東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー 1FURLhttps://bug.art/
【10】<Event Area>東京都・港区 ほか
櫻井寛写真展「列車で行こう!The Railway World」~3拠点で展開される鉄道写真~
3拠点のいずれの写真展にも同じタイトルが冠され、櫻井氏が国内外で撮影した鉄道写真を鑑賞できます。展示される作品は全て、キヤノンの大判プリンタ「imagePROGRAF」で出力されました。
キヤノンギャラリーSの展示は、“世界の鉄道写真” がメインテーマです。これまでに櫻井氏が訪れた95カ国のうち62カ国で撮影された作品が展示されます。世界初の鉄道や世界最高所を走る鉄道など計66点の展示のほか、スイスで世界最長の旅客列車が走行する様子を捉えた映像も紹介されます。
キヤノンギャラリー銀座・大阪での展示作品数は各24点です。銀座では、日本初のクルーズトレインとして2013年に誕生したJR九州の「ななつ星in九州」をはじめ、日本が誇る4大豪華列車を乗客の目線で捉えた作品が展示されます。大阪での作品のテーマは “全国各地を走るローカル鉄道” です。北は道南いさりび鉄道から、南はくま川鉄道まで、24鉄道の作品が1点ずつ紹介されます。
期間(品川)2024年3月9日(土)~4月23日(火)開催場所(品川)キヤノンギャラリーS
東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー 1F URLhttps://canon.jp/
【11】<Event Area>東京都・千代田区
nina個展「AfterBirth」~ソニー・ミュージックの新ギャラリーの初の展覧会~
nina氏は、東京藝術大学に在学中に「夜に駆ける」のMVとジャケットを手掛け、大きな注目を集めました。2033年11月に “藍にいな” から “nina” へと改名しています。今回の展覧会は、新たな名前で迎える初の個展です。
音楽にまつわる作品のほか、nina氏はラグジュアリーブランド・COACHの限定インスタレーションや、小学館「YouthBooks」シリーズの装丁イラストなど、幅広いフィールドで活躍しています。今回の展覧会も、これまでの漫画・アニメ・イラストレーションといった活動の枠組みにはとらわれず、“美術家としての現在” を感じさせる展示内容です。
テーマは “現代社会で失われつつある生々しい身体性” で、完全新作の作品群が発表されます。油彩を用いた平面作品やドローイングのほか、立体作品やディスプレイ作品などまで楽しめる展覧会です。
東京都千代田区神田神保町1-28-1 1FURLhttps://newgallery-tokyo.com/
【12】<Event Area>東京都・港区
「エフェメラ:印刷物と表現」~長期的な保存が目的ではない印刷物の企画展~
「エフェメラ(ephemera)」とは、「1日だけの、短命な」という意味の言葉です。一般的な美術作品や書籍のように長期的な保存を本来の目的としたものではなく、チラシやパンフレットのように、時限的な使用や情報の掲載を目的とした媒体を示します。
「エフェメラ」は比較的に安価で作られて配布される印刷物ですが、その時代のできごとや空気も伝える重要なアイテムです。近年では、ミュージアムをはじめとする文化機関での蒐集の対象にもなっています。
今回の展覧会は、ポスターやパンフレットなど、展覧会やアートイベントに合わせて作られた「エフェメラ」に焦点を当てた内容です。大学研究所のアーカイブや図書館に保管されている資料から、情報の伝達とともに実験的な表現も見られるような戦後美術において意義深い作品が紹介されます。
なお、KeMCoでは河口龍夫氏と冨井大裕氏の2人展も同時開催されます。両名もまた、エフェメラ/印刷物に関心を寄せている現代アーティストです。
東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学 三田キャンパス 東別館URLhttps://kemco.keio.ac.jp/