「モンスターハンター20周年-大狩猟展-」イメージ
©CAPCOM7月に入ってすっかり暑さも強まり、夏休みが間近に迫っていることを感じさせます。「夏休みにはぜひアートにたくさん触れたい!」と心待ちにしている人も多いでしょう。
【目次】【1】<Event Area>福岡県・福岡市
YouTubeで2.7億もの再生回数を突破しているYOASOBIの「夜に駆ける」のMVや、Ado氏の「私は最強(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」など、数々のMVやブランドとのコラボで有名なnina氏による初個展です。入場無料で作品を鑑賞できます。本展は東京・神保町のNew Galleryのこけら落としの展覧会として好評を博し、待望の福岡巡回を迎えました。
nina氏は2023年11月に “藍にいな” から現在の “nina” に改名しました。アニメーション表現を軸に、音楽/アパレル/出版などの幅広いフィールドで活躍しています。2018年には自身初の書籍「セキララマンガ 眠れぬ夜に届け」を執筆し、2021年・2023年にはラグジュアリーブランドのCOACHのポップアップ展でインスタレーションを担当しています。独自のタッチや色彩感覚が光る作品で人気です。
本展は「ディスプレイを介したデジタルのコミュニケーションが全盛となった現代社会で失われつつある生々しい身体性」をテーマとしています。油彩の平面作品やドローイングのほか、立体作品やディスプレイ作品なども紹介される予定です。福岡会場での開催に向けて制作された新作も登場します。
nina氏期間2024年7月12日(金)~8月4日(日)開催場所OVERGROUND
福岡県福岡市博多区美野島1-17-5 寿ビル 2FURLhttps://overground.asia/【2】<Event Area>愛知県・名古屋市
これまで全国の約20会場で人気を博してきたイベント「~ふしぎの国で遊びながら学ぼう~ アリス イン サイエンスワールド」が、さらにパワーアップして名古屋の電気文化会館で開催されます。テレビ愛知・ハンズプロの主催、中日新聞社・電気文化会館(中電不動産)の共催によるイベントです。
本展は、1865年に刊行されたルイス・キャロルの児童小説「ふしぎの国のアリス」の世界を、新たな感覚で楽しめる内容です。科学やトリックを通じて、“ふしぎの国” に自分が迷い込んだような気分になったり、大きなチェシャ猫が目の前に現れたり、キャンバスの絵が飛び出して見えたり、鏡の力で宙に浮かんでいるような写真を撮影できたりといった体験を楽しむことができます。
「ふしぎの国のアリス」は、子どもたちはもちろん、今もなお大人たちにも愛され続けているワクワクと心踊るような大人気作品です。本展は、遊びながら学べることもポイントとなっています。
錯覚を利用したトリックアートや室内プロジェクションマッピングや3Dアートなど、さまざまな驚きの仕掛けが盛り込まれていて、スマホやカメラでの撮影も楽しい展覧会です。会場にはバルーンプールも用意されています。
期間2024年7月13日(土)~8月18日(日)開催場所電気文化会館 5F 東・西ギャラリー
愛知県名古屋市中区栄2-2-5URLhttps://tv-aichi.co.jp/alice/【3】<Event Area>大阪府・大阪市
東京の六本木で29万人超を動員した体験型の恐竜展が、今夏に大阪でも開催されます。この展覧会は、“サイエンスコミュニケーター” の恐竜くん(田中真士氏)が企画・監修を担当しました。恐竜くんは、解説の執筆や標本収集、CD映像の監修、キービジュアルや展示のイラストまで全て自ら手掛けています。
本展は、失われた大陸「ララミディア大陸」を舞台に、科学的な視点から恐竜の姿に迫る内容です。「ララミディア大陸」は、約1億年前から6600万年前にかけて、現在の北米大陸西部に存在し、トリケラトプスやティラノサウルスなども生息していました。
会場での展示では、多彩な骨格標本と最新の技術が駆使されています。関西初上陸となる皮膚までも保存されたトリケラトプス「レイン」の復元全身骨格や、そこに対峙するティラノサウルス「スタン」の姿は必見です。
また、本展では恐竜の世界への没入体験ができ、幼いトリケラトプスの冒険を追体験できるストーリー型の展示などもあります。ソニーの「Locatone」を活用し、耳で恐竜の世界を体験できるサウンドアトラクションも魅力の1つです。
期間2024年7月13日(土)~9月1日(日)開催場所なんばスカイオ 7F コンベンションホール
大阪府大阪市中央区難波5-1-60URLhttps://www.tv-osaka.co.jp/event/dino_science/【4】<Event Area>東京都・日本橋
2023年に考察型の展覧会「その怪文書を読みましたか」が渋谷で開催され、その斬新さが話題となって連日大盛況となりました。同イベントを手掛けた株式会社闇が、テレビ東京やローソンエンタテインメントとともに今夏に開催するのが「行方不明展」です。
本展の会場では、貼り紙や遺留品や都市伝説など、さまざまな “行方不明” にまつわる物品と情報が展示されます。「何が行方不明になったか」が掘り下げられ、その痕跡を辿るという一風変わった展覧会です。
展示ルートは、“ひと” の行方不明である「身元不明」、“場所” の行方不明である「所在不明」、“もの” の行方不明である「出所不明 」、“記憶” の行方不明である「真偽不明」という4つに分かれています。観覧の所要時間は約90分です。
本展の注意点は、リアルな謎や怖さが追求されているものの、あくまでもフィクションであるということです。本展のクリエイターには、「その怪文書を読みましたか」を手掛けたホラー作家の梨氏をはじめ、株式会社闇の代表の頓花聖太郎氏、テレビ東京の大森時生氏が名を連ねています。また、フェイクドキュメンタリー「Q」を手掛けた寺内康太郎監督や、第2回日本ホラー映画大賞の近藤亮太監督、アートディレクターの大島依提亜氏も参加しています。
期間2024年7月19日(金)~9月1日(日)開催場所福島ビル 1F
東京都中央区日本橋室町1-5-3 三越前URLhttps://yukuefumei.com/【5】<Event Area>東京都・六本木
2004年に第1作が発売されてから多くのファンを獲得してきたハンティングアクションゲーム「モンスターハンター」シリーズの20周年を祝う大規模な展覧会です。東北新社(TFC)が主催・演出・制作を手掛け、カプコンの協力および監修のもとで開催されます。
本展では、「モンスターハンター」の世界観を味わえるさまざまなコンテンツが用意されています。
「武器プロジェクション」「防具インタラクティブ」「モンスター図鑑AR体験」など、最新テクノロジーも駆使された展示構成です。
武器プロジェクション
277種から選んだ武器が手に取れるような大きさで目の前に出現防具インタラクティブ
タッチディスプレイによって219種のモンスターから目の前で防具を生産モンスター図鑑AR体験
ARヘッドセットを使って間近で歴代ナンバリングタイトルのメインモンスター16体を観察「黒龍襲来」ゾーンでは、トリックアートや造形作品などでシュレイド城での迫力の狩猟が再現されています。これまでのシリーズの歴史を振り返ることができる「モンハンヒストリーゾーン」や、多数のオリジナルグッズの販売、コラボカフェまで用意されたファン垂涎の展覧会です。
©CAPCOM
期間2024年7月19日(金)~9月8日(日)開催場所森アーツセンターギャラリー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 52FURLhttps://mh20th-exhibition.jp/【6】<Event Area>静岡県・静岡市
長きにわたって時代を映し出してきたプラモデルの魅力を紹介する展覧会が、世界でも有数のプラモデルメーカー集積地として知られる静岡で開催されます。本展は、創業100年を迎えた青島文化教材社(静岡市葵区)に焦点を絞った構成です。
青島文化教材社は、静岡市のプラモデルのルーツの一端となっています。プラモデルは国策で軍事教育の重要性が強調された頃に木製の飛行機模型づくりが推奨され、生産量が大幅に伸びました。その後も、1970年代のスーパーカーブームや映画・TVドラマの中に登場する車両などでも、幅広い年齢層のファンを集めています。
本展では、プラモデルそのものだけではなく、組み立て前の部品を入れた箱に完成イメージ図として描かれている「ボックスアート」も取り上げられました。情感のこもった自転車、一世を風靡した「デコトラ」、子どもたちに人気のロボットなど、いずれも迫力たっぷりのアートです。模型・ボックスアート・構想画が揃った貴重な展覧会であることは、大きなポイントと言えるでしょう。
会期中の8月2日(金)と8月7日(水)には、小学生と保護者を対象にしたプラモデル教室も実施されます。
周辺の風景も細やかに描かれた電車
©青島文化教材社期間2024年7月20日(土)~9月8日(日)開催場所駿府博物館
静岡県静岡市駿河区登呂3-1-1 静岡新聞放送会館別館 2FURLhttp://www.sbs-bunkafukushi.com/museum/【7】<Event Area>岡山県・岡山市
「パンダコパンダ」は、1972年に公開されたアニメ映画です。高畑勲監督が演出を手掛け、原案・脚本・画面設定を担当した宮崎駿氏との豪華なタッグで、小学生のミミ子とパンダたちの物語が描かれています。劇場公開から50年を経てもなお、今もファンの多い名作ファンタジーです。
「パンダコパンダ展」では、ミミ子の家を再現したコーナーやパパンダとパンちゃんのオブジェなどを通じて「パンダコパンダ」の愉快な世界を体感できます。前回の開催地である宮城県石巻市では、4万人を動員しました。西日本では初開催で、会場のある岡山県は高畑勲監督の出身地です(出生地は三重県/後に転居)。
本展では、告知ポスターや公開当時のグッズとともに「パンダコパンダ」のストーリーが紹介されます。ミミ子の家に招かれたような気分に浸れるダイニングの再現エリアでは、設定資料やイメージボードなどの資料も展示されるため注目です。かつて日本で起きたパンダブームの写真なども特別公開されます。
フォトスポットでは、ふわふわパパンダと一緒に写真撮影もできます。子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる内容で、家族連れでもおすすめのほのぼのとする展覧会です。
期間2024年7月25日(木)~8月22日(木)開催場所杜の街グレース オフィススクエア 3F
岡山県岡山市北区下石井2-10-12URLhttps://morinomachi-grace.jp/pandakopanda/【8】<Event Area>東京都・日本橋
列車のくみたて 「くみたて」より(福音館書店)「田中達也展 みたてのくみたて MINIATURE LIFE・MITATE MIND」は、ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏による展覧会です。田中氏は2011年から毎日「MINIATURE CALENDAR」をInstagramで発表し続けて人気を集めています。
本展は韓国・ソウルで開催され、2カ月で約9万人の動員を記録しています(2024年5月16日時点)。日本へは初上陸です。
この展覧会のテーマは「みたてのくみたて」で、田中氏の作品制作のポイントに迫っています。会場では、「HOME(暮らしから考える)」「FORM(形から考える)」「COLOR(色から考える)」「SCALE(スケールを変える)」「MOTION(動きや変化から考える)」「LIFE(生き物におきかえる)」「WORLD(世界共通のことから考える)」という7つの観点のゾーンに分けて、日本初公開の約160点のミニチュア作品が展示されます。
大人気の絵本「おすしが ふくを かいにきた」のキャラクター作品や、自分がミニチュア人形になったように撮影を楽しめる大型作品のフォトスポットも用意されています。全ての作品が撮影OKな展覧会です。
©Tatsuya Tanaka
おすしが ふくを かいにきた 「おすしが ふくを かいにきた」より(白泉社)期間2024年8月1日(木)~8月28日(水)開催場所日本橋髙島屋S.C.本館 8Fホール
東京都中央区日本橋2-4-1URLhttps://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/【9】<Event Area>東京都・丸の内
エプサイトギャラリーでは、「FLOWING LIVES~浮世絵からミライへ ながれうごくアートをあそぼう~」が開催されます。「水」をキーワードに、江戸時代の浮世絵と現代デジタルアートが融合したコンテンツをインタラクティブに体験できる展覧会です。
「Immersive: The Great Wave」というコンテンツでは、葛飾北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」の世界に入り込んで、波の形や速度を自由に変えることができます。北斎が描いたダイナミックな波を立体的に感じ、海の中にいるような感覚を味わえる3D体験です。
「Live Painting Digital Duo」は中山晃子氏の “動く絵画” を下地としたコンテンツです。体験者自身が体を動かすと、インタラクティブなデジタルインクがスクリーンに出現します。
会場には、タブレットとプロジェクターを使った多色摺り版画の体験コーナーも設置されています。「神奈川沖浪裏」の版をタブレット上で分解し、1つずつ好きな位置・色・大きさで版を摺り重ね、自分だけの版画制作を体験できます。完成させた作品はプロジェクションマッピングで投影され、オリジナルの複製画と並べて鑑賞が可能です。
期間2024年8月1日(木)~8月31日(土)開催場所エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー
東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル 1FURLhttps://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/【10】<Event Area>東京都・上野
8月3日(土)の1日限定のイベントとして、国立西洋美術館では「にぎやかサタデー」が開催されます。当日は常設展/企画展の観覧が無料となり、「おしゃべりOK」と明示されていることで会場が自由に話しやすい雰囲気となります(ショップやCAFÉすいれんを利用する場合には別途料金が必要/通常の開館日の客どうしの会話を制限するものではない)。
本イベントは「美術館では静かにしなくてはいけないから緊張する」「小さな子ども連れだとなかなか展覧会には行きづらい」といった声にも応えるべく、新しい気軽な鑑賞スタイルを提供する目的で開催されます。キッズスペースや授乳室も設置されるため、幼い子どもの父母も安心して参加できる企画です。
常設展では、モネの「睡蓮」など数多くの有名な作品が展示されています。当日は、ゲーム感覚でアートを鑑賞できる「この作品をさがしに行こう!」企画が実施されます。
企画展で鑑賞できるのは「内藤コレクション 写本―いとも優雅なる中世の小宇宙」です。さらに作品を楽しんでもらうための問いかけや作品解説を掲載した小冊子が配布され、写本作品の一部を並べたビンゴも用意されています。
期間2024年8月3日(土)開催場所国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7URLhttps://www.nmwa.go.jp/jp/* * * * * * * * * *
今回の記事では、夏休みの期間中に楽しむことができる多種多様な展覧会を紹介してきました。いずれも個性がキラリと光る見逃せないイベントばかりです。美術館はしっかりと温度の管理がされており、暑い夏にも快適に過ごしながらアートを鑑賞できる文化施設です。各地への旅行などを計画している人も多いでしょうが、そこで訪れる目的地の1つに美術館・イベント会場を加えてみてはいかがでしょうか。
©CAPCOM7月に入ってすっかり暑さも強まり、夏休みが間近に迫っていることを感じさせます。「夏休みにはぜひアートにたくさん触れたい!」と心待ちにしている人も多いでしょう。
この記事では、夏休みの期間に開催されている注目のイベントを集めました。「モンスターハンター」シリーズの20周年を祝う大規模な展覧会や、「おしゃべりOK」と明記されてアート作品の新たな鑑賞スタイルを提案する国立西洋美術館のイベントなど、楽しい企画が盛りだくさんです。
【目次】
【1】<Event Area>福岡県・福岡市
「AfterBirth」
~YOASOBIの “夜に駆ける” で有名なnina氏の初個展が福岡に~
nina氏は2023年11月に “藍にいな” から現在の “nina” に改名しました。アニメーション表現を軸に、音楽/アパレル/出版などの幅広いフィールドで活躍しています。2018年には自身初の書籍「セキララマンガ 眠れぬ夜に届け」を執筆し、2021年・2023年にはラグジュアリーブランドのCOACHのポップアップ展でインスタレーションを担当しています。独自のタッチや色彩感覚が光る作品で人気です。
本展は「ディスプレイを介したデジタルのコミュニケーションが全盛となった現代社会で失われつつある生々しい身体性」をテーマとしています。油彩の平面作品やドローイングのほか、立体作品やディスプレイ作品なども紹介される予定です。福岡会場での開催に向けて制作された新作も登場します。
福岡県福岡市博多区美野島1-17-5 寿ビル 2FURLhttps://overground.asia/
【2】<Event Area>愛知県・名古屋市
「アリス イン サイエンスワールド」
~科学やトリックで “ふしぎの国のアリス” の世界を体験~
本展は、1865年に刊行されたルイス・キャロルの児童小説「ふしぎの国のアリス」の世界を、新たな感覚で楽しめる内容です。科学やトリックを通じて、“ふしぎの国” に自分が迷い込んだような気分になったり、大きなチェシャ猫が目の前に現れたり、キャンバスの絵が飛び出して見えたり、鏡の力で宙に浮かんでいるような写真を撮影できたりといった体験を楽しむことができます。
「ふしぎの国のアリス」は、子どもたちはもちろん、今もなお大人たちにも愛され続けているワクワクと心踊るような大人気作品です。本展は、遊びながら学べることもポイントとなっています。
錯覚を利用したトリックアートや室内プロジェクションマッピングや3Dアートなど、さまざまな驚きの仕掛けが盛り込まれていて、スマホやカメラでの撮影も楽しい展覧会です。会場にはバルーンプールも用意されています。
愛知県名古屋市中区栄2-2-5URLhttps://tv-aichi.co.jp/alice/
【3】<Event Area>大阪府・大阪市
「DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~」
~骨格標本と最新技術で大昔の恐竜の世界を追体験~
本展は、失われた大陸「ララミディア大陸」を舞台に、科学的な視点から恐竜の姿に迫る内容です。「ララミディア大陸」は、約1億年前から6600万年前にかけて、現在の北米大陸西部に存在し、トリケラトプスやティラノサウルスなども生息していました。
会場での展示では、多彩な骨格標本と最新の技術が駆使されています。関西初上陸となる皮膚までも保存されたトリケラトプス「レイン」の復元全身骨格や、そこに対峙するティラノサウルス「スタン」の姿は必見です。
また、本展では恐竜の世界への没入体験ができ、幼いトリケラトプスの冒険を追体験できるストーリー型の展示などもあります。ソニーの「Locatone」を活用し、耳で恐竜の世界を体験できるサウンドアトラクションも魅力の1つです。
大阪府大阪市中央区難波5-1-60URLhttps://www.tv-osaka.co.jp/event/dino_science/
【4】<Event Area>東京都・日本橋
「行方不明展」
~フィクションとは思えない!? リアルな考察型の展覧会~
本展の会場では、貼り紙や遺留品や都市伝説など、さまざまな “行方不明” にまつわる物品と情報が展示されます。「何が行方不明になったか」が掘り下げられ、その痕跡を辿るという一風変わった展覧会です。
展示ルートは、“ひと” の行方不明である「身元不明」、“場所” の行方不明である「所在不明」、“もの” の行方不明である「出所不明 」、“記憶” の行方不明である「真偽不明」という4つに分かれています。観覧の所要時間は約90分です。
本展の注意点は、リアルな謎や怖さが追求されているものの、あくまでもフィクションであるということです。本展のクリエイターには、「その怪文書を読みましたか」を手掛けたホラー作家の梨氏をはじめ、株式会社闇の代表の頓花聖太郎氏、テレビ東京の大森時生氏が名を連ねています。また、フェイクドキュメンタリー「Q」を手掛けた寺内康太郎監督や、第2回日本ホラー映画大賞の近藤亮太監督、アートディレクターの大島依提亜氏も参加しています。
東京都中央区日本橋室町1-5-3 三越前URLhttps://yukuefumei.com/
【5】<Event Area>東京都・六本木
「モンスターハンター20周年-大狩猟展-」
~モンハンの開発データを駆使した多彩なコンテンツを展開~
本展では、「モンスターハンター」の世界観を味わえるさまざまなコンテンツが用意されています。
エントランスは、展覧会のキービジュアルと歴代ナンバリングタイトルのパッケージアートで飾られました。
「武器プロジェクション」「防具インタラクティブ」「モンスター図鑑AR体験」など、最新テクノロジーも駆使された展示構成です。
武器プロジェクション
277種から選んだ武器が手に取れるような大きさで目の前に出現防具インタラクティブ
タッチディスプレイによって219種のモンスターから目の前で防具を生産モンスター図鑑AR体験
ARヘッドセットを使って間近で歴代ナンバリングタイトルのメインモンスター16体を観察「黒龍襲来」ゾーンでは、トリックアートや造形作品などでシュレイド城での迫力の狩猟が再現されています。これまでのシリーズの歴史を振り返ることができる「モンハンヒストリーゾーン」や、多数のオリジナルグッズの販売、コラボカフェまで用意されたファン垂涎の展覧会です。
©CAPCOM
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 52FURLhttps://mh20th-exhibition.jp/
【6】<Event Area>静岡県・静岡市
「模型の系譜-静岡から世界へ プラモデル100年展」
~時代を反映してきたプラモデルの魅力を紹介~
青島文化教材社は、静岡市のプラモデルのルーツの一端となっています。プラモデルは国策で軍事教育の重要性が強調された頃に木製の飛行機模型づくりが推奨され、生産量が大幅に伸びました。その後も、1970年代のスーパーカーブームや映画・TVドラマの中に登場する車両などでも、幅広い年齢層のファンを集めています。
本展では、プラモデルそのものだけではなく、組み立て前の部品を入れた箱に完成イメージ図として描かれている「ボックスアート」も取り上げられました。情感のこもった自転車、一世を風靡した「デコトラ」、子どもたちに人気のロボットなど、いずれも迫力たっぷりのアートです。模型・ボックスアート・構想画が揃った貴重な展覧会であることは、大きなポイントと言えるでしょう。
会期中の8月2日(金)と8月7日(水)には、小学生と保護者を対象にしたプラモデル教室も実施されます。
参加には事前の申し込みと入館料が必要です。
©青島文化教材社期間2024年7月20日(土)~9月8日(日)開催場所駿府博物館
静岡県静岡市駿河区登呂3-1-1 静岡新聞放送会館別館 2FURLhttp://www.sbs-bunkafukushi.com/museum/
【7】<Event Area>岡山県・岡山市
「パンダコパンダ展 岡山・杜の街の巻」
~高畑勲監督の故郷で西日本初開催となる体験型展覧会~
「パンダコパンダ展」では、ミミ子の家を再現したコーナーやパパンダとパンちゃんのオブジェなどを通じて「パンダコパンダ」の愉快な世界を体感できます。前回の開催地である宮城県石巻市では、4万人を動員しました。西日本では初開催で、会場のある岡山県は高畑勲監督の出身地です(出生地は三重県/後に転居)。
本展では、告知ポスターや公開当時のグッズとともに「パンダコパンダ」のストーリーが紹介されます。ミミ子の家に招かれたような気分に浸れるダイニングの再現エリアでは、設定資料やイメージボードなどの資料も展示されるため注目です。かつて日本で起きたパンダブームの写真なども特別公開されます。
フォトスポットでは、ふわふわパパンダと一緒に写真撮影もできます。子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる内容で、家族連れでもおすすめのほのぼのとする展覧会です。
岡山県岡山市北区下石井2-10-12URLhttps://morinomachi-grace.jp/pandakopanda/
【8】<Event Area>東京都・日本橋
「田中達也展 みたてのくみたて」
~全作品が撮影OKな日本初上陸のミニチュアの世界~
丸眼鏡が自転車に、ソフトクリームがウェディングドレスになるなど、田中氏の “見立て” の発想はユニークです。
本展は韓国・ソウルで開催され、2カ月で約9万人の動員を記録しています(2024年5月16日時点)。日本へは初上陸です。
この展覧会のテーマは「みたてのくみたて」で、田中氏の作品制作のポイントに迫っています。会場では、「HOME(暮らしから考える)」「FORM(形から考える)」「COLOR(色から考える)」「SCALE(スケールを変える)」「MOTION(動きや変化から考える)」「LIFE(生き物におきかえる)」「WORLD(世界共通のことから考える)」という7つの観点のゾーンに分けて、日本初公開の約160点のミニチュア作品が展示されます。
大人気の絵本「おすしが ふくを かいにきた」のキャラクター作品や、自分がミニチュア人形になったように撮影を楽しめる大型作品のフォトスポットも用意されています。全ての作品が撮影OKな展覧会です。
©Tatsuya Tanaka
東京都中央区日本橋2-4-1URLhttps://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/
【9】<Event Area>東京都・丸の内
「FLOWING LIVES」
~北斎の浮世絵とデジタル技術の組み合わせで斬新な体験~
「Immersive: The Great Wave」というコンテンツでは、葛飾北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」の世界に入り込んで、波の形や速度を自由に変えることができます。北斎が描いたダイナミックな波を立体的に感じ、海の中にいるような感覚を味わえる3D体験です。
「Live Painting Digital Duo」は中山晃子氏の “動く絵画” を下地としたコンテンツです。体験者自身が体を動かすと、インタラクティブなデジタルインクがスクリーンに出現します。
絵に新たな流れを生み出して、プロジェクションの中での “合作” を楽しむことができます。
会場には、タブレットとプロジェクターを使った多色摺り版画の体験コーナーも設置されています。「神奈川沖浪裏」の版をタブレット上で分解し、1つずつ好きな位置・色・大きさで版を摺り重ね、自分だけの版画制作を体験できます。完成させた作品はプロジェクションマッピングで投影され、オリジナルの複製画と並べて鑑賞が可能です。
期間2024年8月1日(木)~8月31日(土)開催場所エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー
東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル 1FURLhttps://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/
【10】<Event Area>東京都・上野
「にぎやかサタデー」
~観覧無料・おしゃべりOKな国立西洋美術館の1日~
本イベントは「美術館では静かにしなくてはいけないから緊張する」「小さな子ども連れだとなかなか展覧会には行きづらい」といった声にも応えるべく、新しい気軽な鑑賞スタイルを提供する目的で開催されます。キッズスペースや授乳室も設置されるため、幼い子どもの父母も安心して参加できる企画です。
常設展では、モネの「睡蓮」など数多くの有名な作品が展示されています。当日は、ゲーム感覚でアートを鑑賞できる「この作品をさがしに行こう!」企画が実施されます。
企画展で鑑賞できるのは「内藤コレクション 写本―いとも優雅なる中世の小宇宙」です。さらに作品を楽しんでもらうための問いかけや作品解説を掲載した小冊子が配布され、写本作品の一部を並べたビンゴも用意されています。
期間2024年8月3日(土)開催場所国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7URLhttps://www.nmwa.go.jp/jp/* * * * * * * * * *
今回の記事では、夏休みの期間中に楽しむことができる多種多様な展覧会を紹介してきました。いずれも個性がキラリと光る見逃せないイベントばかりです。美術館はしっかりと温度の管理がされており、暑い夏にも快適に過ごしながらアートを鑑賞できる文化施設です。各地への旅行などを計画している人も多いでしょうが、そこで訪れる目的地の1つに美術館・イベント会場を加えてみてはいかがでしょうか。
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