DNPの意匠データを使ったライフオンプロダクツ株式会社のカイロ大日本印刷株式会社(DNP)が「インテリア製品向け オリジナル意匠制作サービス」を開始しました。電化製品や生活雑貨や家具などに使いやすい木目・石目などのオリジナル意匠データを制作し、使用権を販売するサービスです。


【目次】

1950年代からのノウハウを生かしたサービス

同社は1950年代から、生活空間を彩る化粧シートや化粧鋼板の製造・販売事業を展開しています。それらの事業で培われたインテリアデザインの企画・開発のノウハウが生かされているのが今回の新サービスです。空間内の調和を重視するインテリア製品向けに、製品の特徴や生活者ニーズに最適化した意匠のデータが提供されます。

本サービスが生まれた背景には「日常的に使う製品を通じて “自分らしさ” を表現したい」という近年になって増加した生活者のニーズがあります。木目や石目などの柄のデータは既存の素材集などでも入手できますが、インテリアのトレンドを反映したものが少ないなどの課題もありました。DNPによる意匠データは、対象となる製品の特徴やターゲットユーザーのニーズに最適化され、その絵柄の開発ストーリーとともに提供されます。

DNP、オリジナルの木目や石目の意匠データの使用権販売を開始
本物の素材の提示で開発ストーリーを提供

製品の特徴やターゲットのニーズに合わせて最適化

DNPは建装材用の意匠データを5万点ほど保有しています。今回のサービスでは、それらのアーカイブの中から独自の視点を生かして最適なものが提供されます。

さらに「製品の特徴やターゲットユーザーのニーズに合わせた最適化」が大きなポイントです。絵柄パターンのピッチや色調・色合いなどのデザイン、データサイズ、木目や石目が途切れずに続く「エンドレス処理」など、さまざまな調整を経て納品データが作られます。

DNP、オリジナルの木目や石目の意匠データの使用権販売を開始
ターゲットユーザーの「ペルソナ」を踏まえた空間コーディネートの提案例価格は個別見積もりによって決まる方式で、意匠データを提供する製品の仕様や点数などによって異なります。具体的に提供までは「ヒアリング」→「デザイン企画・提案」→「発注」→「デザイン制作」→「意匠データ納品」といった流れです。

第1弾の事例と今後予定されている展開

本サービスの第1弾として、ライフオンプロダクツ株式会社が販売する加湿器やヒーターやカイロなどに意匠データが提供されています。計4アイテムで採用されており、2024年冬モデルとして登場予定です。


DNP、オリジナルの木目や石目の意匠データの使用権販売を開始
DNPの意匠データを使ったライフオンプロダクツ株式会社の加湿器さらにDNPでは、本サービスの各企業への提供を進め、2026年度までに累計5億円の売り上げを目指すことを発表しています。そのほか、意匠データの活用範囲はリアルな製品のみにとどまらず、インターネット上のバーチャル空間である「メタバース」などにも広げていくことが企画されています。

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DNPは「ミラノデザインウィーク」をはじめとした展示会や、住宅/オフィス/ホテル/商業施設などの内外装デザインの調査を継続的に実施し、生活シーンに合うデザインの最新トレンドを把握・分析しています。今回のサービスは、それらのノウハウが生かされていることはもちろん、説得力を持たせて製品の魅力をより際立たせるような「意匠開発のストーリー」が一緒に提供されることも特徴的です。

大日本印刷株式会社(DNP)
URL:https://www.dnp.co.jp/

2024/08/27

DNP、オリジナルの木目や石目の意匠データの使用権販売を開始
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