株式会社モリサワが、2024年10月15日(火)に「Morisawa Fonts」をアップグレードし、2024年度の新書体の第1弾の提供を開始しました。注目の写研フォントを含め、合計106ファミリーを新たに使えるようになります。
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そのような人たちを喜ばせたのは、2021年に発表された「モリサワがOpenTypeフォントの共同開発で写研と合意」というニュースです。2024年には、そのOpenTypeフォント開発プロジェクトで、数年内に合計100フォントに及ぶリリースが予定されていることも明らかになりました。
今回のリリースを含め、写研書体のOpenTypeフォントのリリースは合計100フォントに及ぶことが発表済み2024年10月の「Morisawa Fonts」のアップグレードでは、第1弾として32ファミリー(ウエイトのバリエーションを含めて43フォント)の写研フォントを使えるようになります。
これらのうち、写植の全盛期の味わい深いデザインそのままに使える見出し書体群は「写研クラシックス」(文字セット:Min2)として分類されています。従来は写植のみで利用できた多くの写研書体と、写植の時代にも発表されていなかった書体が、不足文字の作成や文字セットなどの整理を経てOpenTypeフォントとして再現されました。一方で、今回提供が開始されるうち「石井明朝」「石井明朝オールドスタイルかな」「石井ゴシック」は「写研クラシックス」とはまた開発アプローチが異なるフォントで、「改刻フォント」(文字セット:StdN)とされています。
「写研クラシックス」と「改刻フォント」で文字セットなどの仕様は異なる
「欅見出明朝」や「秀英にじみ初号明朝」など、既存の人気シリーズにも新たなフォントが追加。文字セットの拡張を含めて27ファミリー書家による繊細な毛筆の文字を元にした「花氷」、スピード感のある「辻風」など、和のモチーフで活躍する筆文字系のデザイン書体の選択肢も広がりました。
そのほか、株式会社SCREENグラフィックソリューションズによるヒラギノフォントでは、人気書体の「こぶりなゴシック」に最も細いウエイトのW0が追加されました。
字面が小さめで極細の「こぶりなゴシック W0」
「Occupant Fonts」ライブラリーからは16ファミリーが登場中国語フォントでは、台湾のフォントメーカーのArphic Typesから、新たな簡体字・繁体字の書体が追加されます。可読性が高いUD書体の「AR UDJingxiheiE1」、近未来的な雰囲気の「AR Xinyi」など、ベーシックな書体からトレンドを押さえたデザイン書体まで含まれることが特徴です。和文書体の「翠流」シリーズとの併用でも相性が良いラインナップです。
Arphic Types社によるフォントには30ファミリーが追加* * * * * * * * * *
2024年度の新書体の第1弾で、「Morisawa Fonts」には合計106ファミリーの多彩なフォントが追加されました。今回のアップグレードには含まれていませんが、2024年度の新書体として初のバリアブルフォントの「DriveFlux」が追加されることも既に発表されており、第2弾以降にも目が離せません。
Morisawa Fonts 2024年度 新書体紹介ムービー
なお、新書体は「Morisawa Fonts」サービスサイト上でアクティベートすることで利用できるようになります。
株式会社モリサワ
URL:https://morisawafonts.com/
2024/10/15
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多くのデザイナーが待ち望んだ写研フォント
今回のアップグレードでは、ついに多くのデザイナーにとって待望の写研フォントが登場します。株式会社写研の書体は、パソコンでのDTPが普及する以前の写植(写真植字)の時代に、印刷物を作るために広く活用されていました。優れたデザインの書体が多く、プロのデザイナーには今でも高く支持されています。「写研の書体をDTPでも気軽に使いたい」という要望は、長い間にわたって非常に多く上がっていました。そのような人たちを喜ばせたのは、2021年に発表された「モリサワがOpenTypeフォントの共同開発で写研と合意」というニュースです。2024年には、そのOpenTypeフォント開発プロジェクトで、数年内に合計100フォントに及ぶリリースが予定されていることも明らかになりました。

これらのうち、写植の全盛期の味わい深いデザインそのままに使える見出し書体群は「写研クラシックス」(文字セット:Min2)として分類されています。従来は写植のみで利用できた多くの写研書体と、写植の時代にも発表されていなかった書体が、不足文字の作成や文字セットなどの整理を経てOpenTypeフォントとして再現されました。一方で、今回提供が開始されるうち「石井明朝」「石井明朝オールドスタイルかな」「石井ゴシック」は「写研クラシックス」とはまた開発アプローチが異なるフォントで、「改刻フォント」(文字セット:StdN)とされています。

「世界観づくり」にも役立つモリサワのフォント
モリサワフォントとしても、ベーシックな書体から見出し用の書体、手書き系書体まで、バラエティ豊かな新書体が追加されます。サイケデリックなアートや音楽からインスピレーションを受けた極太の「虹蛸天国」、文字の下半分に厚みを持たせたユニークな「満福丸」、丸い輪のようにループするパーツの装飾で楽しげな雰囲気を演出できる「はるかぜ」など、「世界観づくりにぴったり」なデザイン書体も充実したアップグレードです。
さらに、「A1ゴシック」に簡体字や繁体字が追加されるなど、多言語フォントもさらに充実しています。
そのほか、株式会社SCREENグラフィックソリューションズによるヒラギノフォントでは、人気書体の「こぶりなゴシック」に最も細いウエイトのW0が追加されました。

グローバルな情報を発信するデザインにも対応
欧文フォントや中国語フォントも拡充されています。アメリカを拠点とした「Occupant Fonts」ライブラリーの一部が「Morisawa Fonts」でも使えるようになりました。多くのフォントがエディトリアルデザインでの使用を想定して開発されており、多くの本文書体も含まれます。華やかなディスプレイ書体の「Occupant Gothic」や「Biscotti」などもあり、欧文組版の表現の幅が広がるラインナップです。

2024年度の新書体の第1弾で、「Morisawa Fonts」には合計106ファミリーの多彩なフォントが追加されました。今回のアップグレードには含まれていませんが、2024年度の新書体として初のバリアブルフォントの「DriveFlux」が追加されることも既に発表されており、第2弾以降にも目が離せません。
Morisawa Fonts 2024年度 新書体紹介ムービー
なお、新書体は「Morisawa Fonts」サービスサイト上でアクティベートすることで利用できるようになります。
株式会社モリサワ
URL:https://morisawafonts.com/
2024/10/15

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