【目次】
広告が目指してきた「心に触れる表現」
情報の伝達においては、論理や効率が重視される傾向があります。一方で日本では「言外の意味」や「余白の美」などを大切にする文化的な背景もあり、広告の分野でも単なる情報伝達を超えた「心に触れる表現」を目指してきた歴史がありました。それは、なぜかグッときたり、キュンとしたり、ザワザワするような、理屈を超えた「なんか伝わる広告」です。デザインの仕事では、クライアントへの説明の際などにも1つ1つの処理に「明確で具体的な意図」を求められる場面は多々あります。それはたしかにとても大切なことですが、一方でそのような型にはまりやすいスタイルではなく、「なんか伝わる」デザインが多くの人を惹きつける場合があるのもまた事実です。
「なんか伝わる」をテーマに多彩なコンテンツを展開
本展では、その「なんか」の魅力を存分に味わうことができます。「『なんか』伝わる広告展示」では、アドミュージアム東京のアーカイブ資料から「なんか伝わる」という視点で選定された約30点の広告が展示されます。そのほか、「『なんか』伝わる広告カルタ」や「『なんか』伝わるの庭」などの独特な展示も繰り広げられます。広告カルタは、表面に「伝えたいこと」、裏面に「なんか伝わる広告」が描かれたカルタを使用する体験展示です。


「なんか」の大切さを見直すきっかけにもなる場
本展には、コピーライターの太田恵美氏や歌人の伊藤紺氏など、広告業界の内外の人たちからの「なんか」についてのコメントを紹介する展示もあります。「なんか伝わるってどうして大事なんだろう」と考えさせられるコーナーです。さらに会場には、本展の公式アンバサダーでもある超魔術師・Mr.マリック氏を起用したメインビジュアルに入り込めるフォトスポットも設置されました。Mr.マリック氏は、本展の開催にあたり、「マジックは、伝える努力や工夫を明かさずに、受け手に純粋な驚きと楽しさを届ける技術です。

■期間:
2024年12月6日(金)~12月25日(水)
■開催場所:
アドミュージアム東京 Hall B
東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留
■問い合わせ先:
株式会社電通/公益財団法人吉田秀雄記念事業財団
url. https://www.admt.jp/
