2025年1月18日(土)から3月16日(日)まで、逸翁美術館にて「黒い美術(ART)」が開催されます。「黒」という色をモチーフにしている作品を集めた展覧会です。
会期中には館内にある茶室での呈茶や講演会も実施されます。

【目次】

古くから人々を魅了してきた「黒」という色

「黒」は美術作品の中でも重要な役割を担っています。水墨画や書における古筆・墨蹟などでは、黒い墨の濃淡・かすれ・線の太さでさまざまな表現が行われてきました。工芸品でも、「黒」は人々を魅了する色です。焼き物は釉薬や焼成方法、温度、作られた場所によって黒の発色が異なり、漆芸品は塗り重ねられた上に磨かれることで艶のある「黒」が生まれます。

逸翁美術館での今回の「黒い美術(ART)」は、そのような多彩な表情を見せる「黒」の作品を楽しめる展覧会です。水墨画や古筆切、墨蹟などの掛軸、樂茶碗や瀬戸黒茶碗、漆を用いた棗や盆、器などが展示されます。

“黒” が魅力を発揮している美術工芸品を紹介する展覧会「黒い美術(ART)」
主な出品

定期的に呈茶を実施している美術館内の茶室

会場の逸翁美術館は、1957年に開館した美術館です。「逸翁」の名称は、阪急阪神東宝グループの創業者である小林一三氏(1873~1957年)の雅号に由来しています。小林氏は実業家であると同時に文化・芸術の世界で名を馳せた数寄者でもあり、逸翁美術館には同氏が収集した約5,500件の美術工芸品が収蔵されています。

小林氏は茶もたしなみ、それらのコレクションを茶会で披露していました。逸翁美術館には館内に「即心庵」という椅子席の茶室がありますが、それは「逸翁」が自ら考案した茶室「即庵」を再現したものです。展覧会の会期中の日曜に開席され、今回の「黒い美術(ART)」の会期中にも呈茶が実施されます(1月19日・26日/2月2日・9日・16日・23日/3月2日・9日・16日)。

呈茶券は、各日10:00から美術館受付にて先着順で販売されます。
一服500円で、チケットは1人につき2枚までの購入が可能です。開始時間は10:50/11:30/12:10/13:10/13:50/14:30の回があり、定員は各席7名となります。

“黒” が魅力を発揮している美術工芸品を紹介する展覧会「黒い美術(ART)」
テーマに合わせたオリジナルのお菓子とお茶が提供される呈茶のイメージ

関連企画で講演会「漆黒美の愉しみ」も実施

また、本展では関連企画として、3月1日(土)の14:00~15:30に「漆黒美の愉しみ」と題した講演会も実施されます。元鶴見大学教授の小池富雄氏が講師として登壇し、会場は逸翁美術館マグノリアホールです。

事前の申し込みが必要ですが、当日観覧券があれば講演会は無料で聴講できます。逸翁美術館のWebサイトに設置されたフォームから申し込みができ、定員は先着100名です。

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■期間:
2025年1月18日(土)~3月16日(日)

■開催場所:
逸翁美術館
大阪府池田市栄本町12-27

■問い合わせ先:
逸翁美術館(公益財団法人阪急文化財団)
url. https://www.hankyu-bunka.or.jp/itsuo-museum/

“黒” が魅力を発揮している美術工芸品を紹介する展覧会「黒い美術(ART)」
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