【目次】
定額制フォントサービスの先駆け
フォントワークスは、2002年に年間定額制の「LETS」をスタートし、現在のフォント提供スタイルの主流となったサブスク型サービスを広めたことで知られるメーカーです。「筑紫書体シリーズ」や「ロダン」など、高品位な数多くの書体を提供しています。アニメ作品を含めてTV番組のテロップに使われていることも非常に多く、特に「マティス」は「エヴァンゲリオン公式フォント」として一世を風靡しました。現在、フォントワークスが提供している主なサービスには「LETS」のほか、Webフォントサービスの「FONTPLUS」やセレクトフォントサービスの「mojimo」などがあります。「mojimo」は、特定の用途ごとに利用頻度の高いオススメのフォントを厳選し、より手頃な価格で提供している定額制サービスです。

URL:https://mojimo.jp
2023年9月にMonotypeの傘下入り
フォントワークスは2023年9月に米Monotype Imaging社の傘下に入り、注目の話題となっていました。2025年3月31日(月)をもって、現在のMonotype株式会社と合併し、商号の変更が予定されています。商号変更(合併)の背景としては、「経営の効率化と両社の強みを最大限活かしたシナジー効果を創出し、日本およびアジア市場におけるフォント事業の拡大」を目指すためと発表されています。デザイナーにとっては長きにわたって慣れ親しんだ「フォントワークス」の名称でなくなることに多少の戸惑いはあるでしょうが、提供されるサービスについては大きな変更はないようです。

商号が変わることでのユーザーへの影響は少ない
フォントワークスが運営している「LETS Leading Edge Type Solution(LETS)」「mojimo」「FONTPLUS」およびフォント組み込みを含む全ての事業は、Monotype株式会社の商号で継続されます。また、Monotypeのフォントサービス「Monotype Fonts」「MyFonts」やフォント組み込みおよびライセンス事業などについても、従来通りに展開されていきます。なお、商号変更の発表後、2025年2月21日(金)の電子広告で「債権者異議公告に関するお知らせ」が公開されました。合併によりフォントワークス株式会社がMonotype株式会社の権利義務全部を承継するという内容です。この合併に対して異議のある債権者は、公告掲載の翌日から1カ月以内の申し出が必要となります。
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今回の商号変更は、大きなインパクトのあるニュースではありますが、今のところデザイナーなどのエンドユーザーにとっては目に見える大きな影響はなさそうです。「LETS」では既にイワタ書体を扱う「イワタLETS」、モトヤ書体を扱う「モトヤLETS」などと同じくフォントワークスの書体は「フォントワークスLETS」というサービス名で提供されていることから、そちらの名称変更などもなさそうで大きな混乱が生じることはないでしょう。
フォントワークス株式会社
URL:https://fontworks.co.jp/
2025/02/26
