2025年4月12日(土)から7月6日(日)まで、TOPPANホールディングス株式会社が運営する印刷博物館P&Pギャラリーにて「GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-」が開催されます。印刷を活用したグラフィックの可能性を探っている恒例のポスター展です。


【目次】

色数や用紙やインキに制限のない自由な発想

「GRAPHIC TRIAL」は、第一線で活躍するクリエイターたちとTOPPANグループが協力し、ポスターの制作を通じて新しい印刷表現を探っているプロジェクトです。その発表の場となる展覧会では、毎回クリエイターの独創的なアイデアや、それをかたちにするための高度な印刷技術で、来場者に新しい発見をもたらしています。

参加クリエイターには色数/用紙/インキなどに制限が課せられることはなく、オフセット印刷はもちろんインクジェットやスクリーン印刷など印刷方法も自由です。新技術や新素材、紙の原料までさまざまなポイントに目を向けながら、柔軟な発想で印刷表現が追求されています。

大貫卓也氏をはじめ4人のクリエイターが参加

第19回目の開催を迎えた今回のテーマは「FIND」です。斬新な「発見」を求めて、4人のクリエイターが参加しました。アートディレクターの大貫卓也氏、グラフィックデザイナーの関本明子氏、クリエイティブディレクター/デザイナーの吉本英樹氏、アートディレクターの妹尾琢史氏という錚々たる顔ぶれです。

展覧会『GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-』(YouTubeより)

大貫卓也氏は、大判のレンチキュラー作品を制作しました。レンチキュラーは見る角度によって絵柄が変わって見えたり立体感が表現されたりする加工技術で、手元で動かせるような小さなサイズの印刷物で活用されるのが最も一般的です。今回の作品は、鑑賞者が作品の前を歩くことで完成する大型のサイズに仕上げられています。

著名クリエイターたちが独創的な印刷表現に挑戦した企画展「GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-」

フロッキー加工やアクリル素材などでの多彩な表現

関本明子氏は今回のトライアルで「実用的な印刷インキの不思議」に迫りました。インキを刷り重ねるとどのように見えるかが追求されています。

著名クリエイターたちが独創的な印刷表現に挑戦した企画展「GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-」
吉本英樹氏は、モコモコな質感を得られるフロッキー加工でのボリュームのある階調表現に挑戦しています。フロッキー加工は、接着剤を塗布した紙に静電気を帯電させて毛(パイル)を植え付ける技術です。
作品のモチーフには、ロケット発射の瞬間が選ばれています。

著名クリエイターたちが独創的な印刷表現に挑戦した企画展「GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-」
妹尾琢史氏の作品では、薄型のアクリル素材に和紙を閉じ込めることで透明感と積層感が表現されました。「現代アート」とも言えるような新しいかたちのポスター作品に仕上げられています。

著名クリエイターたちが独創的な印刷表現に挑戦した企画展「GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-」
本展は入場無料で作品を鑑賞できます。ただし、別途に印刷博物館展示室に入場する際には入場料が必要です。

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■期間:
2025年4月12日(土)~7月6日(日)

■開催場所:
印刷博物館P&Pギャラリー
東京都文京区水道1-3-3 TOPPAN小石川本社ビル

■問い合わせ先:
TOPPANホールディングス株式会社 印刷博物館
url. https://www.toppan.com/ja/joho/gainfo/graphictrial/2025/

著名クリエイターたちが独創的な印刷表現に挑戦した企画展「GRAPHIC TRIAL 2025 -FIND-」
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