Photoshopで写真に雨を合成するテクニックを紹介します。実際には晴れていたり曇り空だったりする景色に、リアルな雨を降らせることができます。
過去記事「Photoshopで「写真」に雪を降らせるテクニック(Photoshop/写真加工/雪/合成/冬景色)」も併せて参考にしてみてください。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
■使用する機能「ファイバー」「スマートオブジェクト」「トーンカーブ」「ぼかし(移動)」「パターン塗りつぶしレイヤー」「描画モード」
目次
Photoshopで写真に雨を降らせる:
1.雨のパターンを作成する
まずは雨のパターンを作成していく。新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1200ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]、[カンバスカラー:白]で作成したら
(図1)、フィルターメニュー→“描画”→“ファイバー...”を[変化:64]、[強さ:30]で適用する
(図2)(図3)。これが雨のベースになる。
図1。正方形のまっさらなカンバスを作成する
図2。[変化:64]、[強さ:30]に設定する。[開始位置を乱数的に変化させる]をクリックすると、そのたびに模様が変わるので、好みに応じて数回クリックしてみるといい
図3続いてレイヤーメニュー→“スマートオブジェクト”→“スマートオブジェクトに変換”を実行
(図4)。
図4。この時点のレイヤーの状態。背景レイヤーをスマートオブジェクトに変換しておく次に、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“トーンカーブ...”を選び、「新規レイヤー」ダイアログが表示されたらそのまま[OK]をクリック
(図5)。
図5。
「新規レイヤー」ダイアログが表示されたらそのまま[OK]をクリックするプロパティパネルでカーブの左下にある黒いスライダーを右にずらして暗い部分を増やす。ここでは[入力:239]、[出力:0]となるようにスライダーを調整した
(図6)(図7)。
図6。プロパティパネルでカーブの左下にある黒いスライダーを右にずらして調整する。ここでは[入力:239]、[出力:0]となるように調整した
図7レイヤーパネルで雨のベースのレイヤーを選択したら、フィルターメニュー→“ぼかし”→“ぼかし(移動)...”を[角度:90°]、[距離:18pixel]で適用する
(図8)(図9)。この白い筋が雨のパターンになる。
図8。[角度:90°]、[距離:18pixel]に設定する
図9なお、雨の量を変更したい場合は、レイヤーパネルで「トーンカーブ」調整レイヤーを選択したあと、プロパティパネルでカーブの左下の黒いスライダーを左右に動かせば調整できる。左に動かすと雨量が増え
(図10)(図11)、右に動かすと雨量を減らすことができる
(図12)(図13)。今回は調整せずにそのまま作業を進めることにする。
図10。プロパティパネルでカーブの左下の黒いスライダーを左側に動かすと、白い筋(雨)が増える
図11
図12。
プロパティパネルでカーブの左下の黒いスライダーを右側に動かすと、白い筋(雨)が減る
図13雨のパターンが作成できたら、レイヤーメニュー→“画像を統合”を実行したあと、編集メニュー→“パターンを定義...”を選び、[パターン名]に分かりやすい名前(ここでは、「雨」)をつけて適用する
(図14)。
図14。分かりやすい名前をつけてパターンを登録する
Photoshopで写真に雨を降らせる:
2.写真に雨のパターンを合成する
写真にパターンを合成して雨を降らせていく。まず、元になる写真を用意して開いたら
(図15)、レイヤーメニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“パターン...”を選択。「新規レイヤー」ダイアログが表示されたらそのまま[OK]をクリックする
(図16)。
図15
図16。「新規レイヤー」ダイアログが表示されたらそのまま[OK]をクリックする「パターンで塗りつぶし」ダイアログが表示されるので、パターンピッカーから先ほど定義した雨のパターンを選択したあと、[角度:0°]、[比率:100%]、[レイヤーにリンク]に設定して適用する
(図17)(図18)。
図17。「パターンで塗りつぶし」ダイアログで、赤枠部分をクリックしてパターンピッカーを表示し、先ほど定義した雨のパターンを選択したあと、[角度:0°]、[比率:100%]、[レイヤーにリンク]に設定する
図18レイヤーパネルで、このパターンのレイヤーを[描画モード:スクリーン]に変更する
(図19)(図20)。
図19
図20。この時点のレイヤーの状態。パターンのレイヤーを[描画モード:スクリーン]に変更する次に、レイヤーパネルでパターンのレイヤーを2枚複製したあと
(図21)、それぞれレイヤー名を分かりやすい名前に変更しておく。
ここでは、最前面から「上」、「中」、「下」という名前に変更しておいた
(図22)。
図21。この時点のレイヤーの状態。パターンのレイヤーを2枚複製する
図22。この時点のレイヤーの状態。分かりやすいよう、最前面から「上」、「中」、「下」とレイヤー名を変更しておいたそのうち、「上」レイヤーを選択してレイヤーのサムネールをダブルクリックし、「パターンで塗りつぶし」ダイアログを表示したら、[比率:450%]に変更して適用する
(図23)(図24)。
図23。「パターンで塗りつぶし」ダイアログで、[比率:450%]に変更する
図24続いて「中」レイヤーを選択してレイヤーのサムネールをダブルクリックし、「パターンで塗りつぶし」ダイアログを表示したら、[比率:350%]に変更して適用する
(図25)(図26)。
図25。「パターンで塗りつぶし」ダイアログで、[比率:350%]に変更する
図26最後に「下」レイヤーを選択してレイヤーのサムネールをダブルクリックし、「パターンで塗りつぶし」ダイアログを表示したら、[比率:170%]に変更して適用する
(図27)(図28)。
図27。「パターンで塗りつぶし」ダイアログで、[比率:170%]に変更する
図28ここではさらに文字要素などを配置して完成とした
(図29)。
図29。完成ビジュアル以上、Photoshopで写真に雨を合成するテクニック法でした。