※〈前編の10選はこちら〉
【目次】
【11】<Event Area>東京都・渋谷区
「恐怖心展」
~自分の中に潜む “恐怖” に向き合う展示~


今回の展覧会では、先端や閉所や視線など、人々がさまざまなものに対して抱く恐怖心をテーマとした展示が繰り広げられます。さまざまな展示を通して各自の恐怖心に向き合うきっかけとなる展覧会です。「展示物の一部はフィクションです」という注意書きがあることも特徴となっています。
キービジュアルのアートディレクションは、数々の映画ポスターのデザインを手掛けていることでも知られる大島依提亜氏が担当しました。オルタナティブポスターではForbes JAPANによる「世界を変える30歳未満」に選出されたアーティストの雪下まゆ氏によるイラストが起用されており、ティザー動画は「MADドラえもん」などで知られるFranz K Endo氏が手掛けています。
© 2025「恐怖心展」実行委員会


東京都渋谷区宇田川町31-2 渋谷BEAM 4FURLhttps://kyoufushin.com/
【12】<Event Area>大阪府・東大阪市
「誕生55周年記念 Hello! セサミストリートの世界展」
~世界中で人気の子ども向け教育番組の舞台裏まで公開~

「セサミストリート」は1969年に誕生し、可愛らしいパペットたちやアニメーションで不動の人気を確立しました。
本展では、クッキーモンスターのキッチンカーも間近で観察できる展示が実現されています。特撮用の街並みの映像とともに体感でき、「セサミストリート」ファン垂涎の内容です。座りながらじっくりと「セサミストリート」の世界を堪能できる映像シアターも用意されました。会場では、限定の展覧会公式グッズも販売されます。
そのほか、さまざまな関連イベントも展開され、申込不要/無料(観覧料のみ)で参加できるものが多数あります。7月18日(金)~8月24日(日)には常設ワークショップの「セサミストリートのぬり絵であそぼう!!」、8月2日(土)には学芸員によるギャラリートーク、7月19日(土)~7月21日(月・祝)にはエルモとの記念撮影会を実施予定です。
TM and © 2025 Sesame Workshop


大阪府東大阪市吉田6-7-22URLhttps://hello-sesamestreet.com/
【13】<Event Area>茨城県・水戸市
「サンリオ展 -ニッポンのカワイイ文化60年史-」茨城会場
~「カワイイ」文化のルーツをサンリオ視点で探る展覧会~

本展では、ハローキティを通じて、長く愛され続けるキャラクターの秘密に迫っています。オリジナルキャラクターが生まれた背景にも注目し、「ストーリーを持たないキャラクターに人気が出るのはなぜか」「作家性を排除したデザインとは」といった謎も掘り下げられる興味深い内容です。「サンリオの目線」での掘り下げで、企画の意図や苦労話などの貴重な情報も紹介されます。
サンリオファンにはお馴染みの「いちご新聞」に注目したコーナーも用意されました。
もちろん、サンリオの展覧会らしく、販売グッズも充実のラインナップです。限定デザインで発売されているグッズは見逃せません。さらに本展では、会場内での撮影もOKとされています(フラッシュ撮影/三脚・セルフィースティックの使用は不可)。「#サンリオ展」のタグを付けて、SNSなどへの投稿を楽しむことが可能です。
© 2025 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP660002


茨城県水戸市緑町2-1-15URLhttps://rekishikan-ibk.jp/special-event-3/
【14】<Event Area>東京都・墨田区
髙野詩音「Whispers」
~気鋭のアーティストによる “フェンス” を起点とした作品~

髙野氏は2025年に東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)を卒業し、現在は同大学美術研究科(絵画専攻油画技法・材料第一研究室)に在学しています。2023年には東京のroidworksgalleryで「painting - 塗り重ねる」と題した個展を開催し、BSフジの「ブレイク前夜 ~次世代の芸術家たち~」にも出演しました。roidworksgalleryの「AaP」に3年連続で出品するなど、多くのグループ展にも参加しています。
今回の個展では、髙野氏が初めて展示空間を訪れた際に「強く印象に残った」と語るフェンスの存在が1つの起点となりました。フェンスに対し「遮るようでありながら、向こう側に開かれているような構造に魅力を感じた」そうで、「もしこの空間に絵を置くならどんな絵が描けるだろうか」と想像を巡らせ、その思考をもとに作品が描かれています。

東京都墨田区本所2-16-5 KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS 1F STORAGE 1URLhttps://artsticker.app/events/80027
【15】<Event Area>愛知県・名古屋市
「動き出す妖怪展 NAGOYA ~Imagination of Japan~」
~デジタル技術と立体造形で妖怪たちの世界に没入~

本展は、3DCGやプロジェクションマッピングやホログラフィックスクリーンなどのデジタル技術を駆使し、妖怪たちがダイナミックに躍動していることが魅力です。立体造形も相まってリアルな妖怪の世界が再現されています。ただ鑑賞するだけでなく、妖怪たちと一緒に動画や写真撮影を楽しんだり、立体的な映像空間を体感できたりと、妖怪の世界に徹底的に没入できる仕組みです。
さらに本展では、古書博物館・西尾市岩瀬文庫や小豆島の妖怪美術館の協力のもと、妖怪文化や妖怪画・戯画・妖怪美術についての解説も用意されています。歌川国芳による妖怪の浮世絵版画の実物展示もあり、妖怪が現代のポップカルチャーにどのようにつながっているのかも紐解かれている展覧会です。会場内のコンテンツはノンバーバル(非言語的)で直感的に体感できるものが中心で、展示の解説は日本語と英語で構成されています。


愛知県名古屋市中区金山町1-1-1URLhttps://www.yokaiimmersive.com/
【16】<Event Area>東京都・渋谷区
「NEO平成レトロ展」
~懐かしさと新しさが交差する平成カルチャーの展覧会~

会場には、歴代のガラケーやポケベルなどが並べられた「もしもし?平成です!」エリア、当時の懐かしい部屋を新しく再現した「キラキラ平成♡ルーム」エリア、ギャルファッションや当時のトレンド雑誌を紹介する「平成ファッション大百科~コギャルもオタクも、みんな主役!」エリアなどが用意されています。平成を思い起こさせる懐かしいグッズも約300点が取り揃えられました。
平成の懐かしさを主体的に楽しめるコーナーも多く、「平成クイズ」やプロフィール帳を皆で書いてシェアする企画などがあります。リアルに平成を生きてきた世代には懐かしく、あまり平成を知らない世代には新鮮な発見があり、どの世代にも “刺さる” ポイントが用意された展覧会です。
なお、本展では公式サイトにも、平成に「タイムスリップ」できるような複数の仕掛けが用意されています。一例として「めぐのほむぺ」というリンクでは、時代性を感じさせるレトロなWebページが公開されており、「平成レトロなデザイン」の参考にもなる構造です。

東京都渋谷区宇田川町21-1URLhttps://www.tbs.co.jp/NEO-heisei-retro-ten/
【17】<Event Area>東京都・千代田区
「60周年記念 ガチャガチャ展」
~ガチャガチャの面白さを大解剖!~

会場では約400シリーズもの商品が展示され、ものづくりのこだわりや商品の製作過程を知ることができる貴重な資料の展示にも注目です。さらに、商品化には至らなかった「幻のガチャガチャ」も特別展示されます。出展メーカーは奇譚クラブ/ケンエレファント/クオリア/ケーツーステーション/スタジオソータ/スタンド・ストーンズ/ターリン・インターナショナル/トイズキャビン/トイズスピリッツ/ブシロードクリエイティブ/ブライトリンク、出展クリエイター(敬称略)は乙幡啓子/現代美術二等兵/ザリガニワークス/灰色メロン(飯田マサミ)/福澤貴之(エコードワークス)です。
本展の会場周辺では、エンタメアプリ「プラリー」を活用したデジタルスタンプラリーも実施されます。「プラリー」でスタンプを集めると、出展する各社のグッズが入ったアプリ連動カプセルトイ「プラポン」を回すことが可能です。そのほか、会場の最後には「ガチャ詰めポーチ」フォトスポットも設置され、来場記念の撮影を楽しむことができます。「ガチャ詰めポーチ」は、中身が見えるクリアポーチにガチャガチャ商品をまとめて収納したアイテムです。


東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル 7FURLhttps://www.marunouchi.com/pickup/event/6650/
【18】<Event Area>東京都・新宿区
「新宿歌舞伎町春画展 - 文化でつむぐ『わ』のひととき。」
~能舞台を活用した有名絵師たちの春画の展示~

本展で展示される作品は、浦上蒼穹堂代表である浦上満氏の春画コレクションの中から選ばれました。浦上氏は「北斎漫画」のコレクターとして知られるとともに春画のコレクターでもあり、春画の魅力を国内外に発信しています。2013年の大英博物館(ロンドン)の「春画 日本美術の性とたのしみ」の出品者でスポンサーとして携わり、2015年には東京の永青文庫で開催された「春画展」の実現に尽力しました。
展覧会のタイトルにある「わ」は「和」や文化の「輪」の意味に受け取ることもできますが、別の意味も込められています。春画は「笑い絵」や笑いの “わ” を象徴する「わ印」とも呼ばれ、仲間と囲んで笑いあったり読み解いたりする娯楽でもあったそうです。春画には、漢詩や和歌や古典文学を題材にした作品も数多く見られ、浮世絵師たちが巧みに織り込んだ「やつし」や「見立て」を読み解く楽しさもあります。ただし、本展は18歳未満は入場不可の展覧会であることには注意が必要です。

東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿 2FURLhttps://www.smappa.net/shunga/
【19】<Event Area>神奈川県・横浜市
「-・・」
~海底の特攻隊をテーマにした写真と音の展示~

出品者の濵本奏氏は、2000年神奈川県生まれの写真家です。人・もの・土地が持つ記憶を主なテーマに作品を制作しています。
第二次世界大戦終戦間近の夏に、横須賀の野比海岸では、頭上を通過する敵艦隊に機雷を撃ち込むための特別な訓練が行われていました。来る日も来る日も海底に潜る少年たちの手記を頼りに、濵本氏は横須賀で撮影とフィールドレコーディングを敢行しています。

期間2025年8月5日(火)~8月11日(月・祝)開催場所横浜市民ギャラリー 展示室 B1F
神奈川県横浜市西区宮崎町26-1URLhttps://ycag.yafjp.org/exhibition/u35_hamamotokanade/
【20】<Event Area>東京都・中央区
「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」
~“陶芸界のプリンス” の約300点の作品を展示~

©Stig Lindberg/Busスウェーデンの陶芸家/デザイナーで、現在もなお20世紀を代表する北欧デザイナーとして愛され続けるスティグ・リンドベリ氏(1916~1982年)の回顧展です。同氏がデザイナーとしての活動を始めた1930年代後半から晩年の作品まで、約300点が一挙に展示されます。
スティグ・リンドベリ氏は1937年にスウェーデンの陶磁器メーカー・グスタフスベリ社にデザイナーとして入社しました。機能性/調和/美を追求し、独創的なアイデアを生かした新しい表現方法で生み出されたデザインは、没後40年以上を経た今でも人気商品として親しまれています。特に有名なのは、白地に緑の葉っぱが並ぶ「ベルサ」シリーズなどです。同シリーズはスウェーデンの家庭での定番アイテムとなり、北欧デザインを象徴するような存在として高く評価されています。
本展は、食器や皿などのテーブルウエアはもちろん、⼈気の⾼いファイアンスやスタジオ制作の炻器、テキスタイルプリント、絵本の挿絵、さまざまなデザインオブジェ、スケッチなども含め、多角的に同氏のデザイン世界に触れられる内容です。これまで日本では紹介される機会のなかった側面を含め、偉⼤なアーティストの1人として「スティグ・リンドベリ」を再発見する貴重な機会となります。
期間2025年8月21日(木)~9月7日(日)開催場所⽇本橋高島屋S.C. 本館8Fホール
東京都中央区日本橋2-4-1URLhttps://www.stiglindberg-exhibition.jp/* * * * * * * * * *
後編でも、2025年の夏休みに楽しむことができる個性豊かな展覧会や注目のアートイベントを紹介しました。話題の企画から新しい表現に触れられる展示まで、暑さを忘れて堪能できる企画が満載です。お出かけの参考にぜひ役立てて、感性を刺激する夏のひとときを満喫してください。
※〈前編の10選はこちら〉
