大阪府の豊中市上下水道局は、下水道マンホール蓋を広告媒体として活用する有料広告事業を開始しました。まず最初の事例として、2025年7月に阪急宝塚線庄内駅の近くの庄内WESTショッピングストリート内に、5枚の広告入りマンホールが設置されています。


【目次】

人の目に留まりやすい足元の広告

今回の取り組みは、豊中市上下水道局による新たな収入確保の取り組みです。広告代理店を介してマンホール蓋に有料広告を掲出するもので、豊中市上下水道局によると、この取り組みは全国初の事例とされています。広告の掲出から原稿制作、施工・管理・撤去に至るまでを担当し、広告主をサポートするのは長田広告株式会社のNAGATA AGENT阪神営業所です。同社にとっても、マンホール蓋を媒体とした広告は今回が初の取り組みとなっています。

広告の掲出場所は庄内WESTショッピングストリート内で、阪急宝塚線庄内駅の西側にあります。全長約270mで約50店舗が出店している商店街(アーケードあり)です。近年はデザインマンホールが人気を集めていることも多く、足元にあって目に留まりやすいことから広告効果の高さが期待されています。

大阪府豊中市、下水道マンホール蓋を広告媒体として活用する有料広告事業を開始
青い線がショッピングストリートで丸部分がマンホール蓋(豊中市 Webサイトより)

地域に溶け込みながら企業メッセージを発信

広告の規格として、マンホール蓋のうち広告に割り当てられる部分は、中心から直径60cmほどの円形です。提出された広告デザインを印刷し、表面に滑り止め加工を施したシートをステンレス製プレートに貼り付けて、既に設置されているマンホール蓋に固定されます。

大阪府豊中市、下水道マンホール蓋を広告媒体として活用する有料広告事業を開始
左の画像の色付きの部分が広告で、右の画像は広告掲載イメージ(豊中市 Webサイトより)掲出は2年間単位の長期契約で、地域に溶け込みながら企業の認知を高めることが可能です。新たに屋外看板を設置するような方法ではなく、街中にあるマンホール蓋が広告スペースとして有効活用され、チラシなどの媒体とも違って「歩くだけで自然に」目に入ります。

自治体の財源を支える新たな収入源へ

予定されている9件のスペースのうち初回に設置されたのは5枚の広告入りマンホールで、広告主は地域に根差したクリニックや工務店などです。今後は広告の効果を確認しながら、設置場所の拡大なども検討されます。

大阪府豊中市、下水道マンホール蓋を広告媒体として活用する有料広告事業を開始
広告代理店が上下水道局に下水道占用料・広告料を納めることで、この取り組みは自治体にとっての財源確保の新たな手段にもなります。
納付によって確保された財源は、インフラ維持費用に充当される仕組みです。広告掲載についての問い合わせ先は、長田広告株式会社大阪事務所(大阪府大阪市淀川区西中島5-13-9 新大阪MTビル1号館 3F)となっています。

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マンホール蓋は円形という独特な形状であることから、従来型の広告とはまた違ったデザインの工夫が必要となりそうです。円形であることを生かした効果的なデザインの登場にも期待が高まります。また、路上にダイレクトに設置される広告であることから、景観を損なわない外観であることと、広告として注目を集めるデザインであることの両立も大きな課題となりそうです。広告費の一部が市に納付されて重要な財源にもなることから、「今あるもの」を有効活用した意欲的な取り組みとして注目が集まります。

豊中市上下水道局/長田広告株式会社
URL:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jogesuido/index.html
URL:https://ad-nagata.com/

2025/07/25

大阪府豊中市、下水道マンホール蓋を広告媒体として活用する有料広告事業を開始
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