◆今田美桜ヒロイン連続テレビ小説「あんぱん」
今作は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった2人が、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。鳴海は、ヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)と共に戦後初の女性記者として高知新報に入社する小田琴子を演じる。
◆鳴海唯、ヒロインオーディションで涙した理由
― まずは、オファーを受けた時の心境をお聞かせください。
鳴海:元々ヒロインオーディションを受けていた際に、エントリーシートに「アンパンマンのような人になりたい」と書いていたので、オーディションが終わった後に琴子役のオファーをいただき「あんぱん」という作品に出演できることに不思議なご縁と喜びを感じました。すごく光栄ですし、魅力的な人物を任せていただいたので、身が引き締まる思いです。
― ヒロインオーディション時はまだ「あんぱん」の企画発表前だったんですよね。
鳴海:はい。制作統括の倉崎(憲)さんは情報漏洩してしまったのではないかと、一瞬すごく焦られたそうです(笑)。本当に偶然でした。
― まさに運命ですね。倉崎さんのお話によると、最終オーディションでは「人生を変えたい」と涙ながらに語っていたそうですが、当時はどのようなお気持ちだったのでしょうか。
鳴海:「アンパンマン」を題材とした作品を作るということが、ヒロインオーディションの途中で発表されたので、最終オーディションではすでに知っている状態だったんです。
◆鳴海唯本人が語る琴子の魅力
― ヒロインオーディションを経て琴子役を託された時の心境はいかがでしたか?
鳴海:琴子は戦後初めての女性記者としてのぶとともに新聞社に入社する、史実に基づいた女性なのですが、作品の中ですごく重要な役割を担っているので、そんなキャラクターを任せていただけて本当に光栄でした。緊張というよりは、どのように演じたら自分が琴子をより魅力的に、なおかつ「あんぱん」という作品で面白く作用していけるかということを考えていました。
― 琴子がご自身と似ているなと感じるところはありますか?
鳴海:琴子は私にはないものをたくさん持っているキャラクターです。ただ、人は誰しもいろいろな顔を持っていると思うので、琴子はたまたまお酒が入るとスイッチが入る女性だったというだけで、私自身も状況や環境に合わせて無意識にスイッチを押して切り替えている気がするので、そういった二面性みたいなものは共感できますし、通ずるものがあると感じています。
― 「自分にはないものを持っている」ということですが、特にどんなところが魅力的に映りましたか?
鳴海:琴子は結婚相手を探すために入社して、男性には本性がバレないように、波風を立てないように、おしとやかに生きている女性なので、そういったところは自分とは全く異なる部分で面白いなと思います。また、魅力的だなと思うのは、すごく愛情深いところ。新聞社で再会するのぶと嵩(北村匠海)を応援する役割を担っているのですが、琴子のお節介が2人の関係性を変えていくきっかけになるので、そういった愛のあるお節介ができる女性は素敵だと思いました。
◆鳴海唯から見たヒロイン・今田美桜の現場での姿
― 同期役の今田美桜さんとは本作で初共演ということですが、どのような印象ですか?
鳴海:すごく自然体な方です。今田さんから溢れている穏やかな雰囲気が現場に伝染しているなと感じていて、今田さんが真ん中に立ってくださっているから「あんぱん」が温かい作品になっているのだと現場に入って感じています。
― 今田さんとのやり取りなど印象に残っているエピソードを教えてください。
鳴海:今田さんは現場でのご飯をすごく楽しみにされていた印象で、美味しいご飯の話をよくしていました。「この麻辣湯美味しいですよ」という話で盛り上がっていました。
― 演技や作品の話というよりは、何気ない会話がリフレッシュになっていたんですね。
鳴海:そうですね。お芝居の話というよりは、プライベートというか、ほぼご飯の話や差し入れの話などをみんなでしていました(笑)。でも、そういったコミュニケーションを取ることで、みなさんとのシーンがより温かくなっていると考えているので、すごく大切な時間だったと思います。
― ちなみに、これまでの差し入れで特に印象的だったものはありますか?
鳴海:グルテンフリーをしているので、お米から作られているお菓子をよく食べているのですが、私も今田さんも含めみんなが好きなおせんべいがあって、その話をしていた数日後に津田(健次郎)さんがそのおせんべいを差し入れてくださったんです!すごく嬉しくて、その日はみんなのテンションが上がっていました(笑)。
― 楽しそうですね。北村匠海さんとはいかがでしたか?
鳴海:北村さんからもデリバリーで美味しいサラダを聞いて、おすすめのトッピングも教えていただきました。やっぱりご飯の話で盛り上がることが多かったかもしれないです(笑)。
◆「なつぞら」から6年ぶりの朝ドラ 成長を実感したこと・今後の目標
― 鳴海さんは「なつぞら」で朝ドラ初出演を果たしておりますが、その後のキャリアや今回の「あんぱん」の現場において、当時得た経験が活きているなと感じることはありますか?
鳴海:「なつぞら」は自分にとっての初めての朝ドラでもあり、俳優として初めての出演作品だったので、当時は憧れの先輩方と共演させていただける喜びや緊張感といった様々な感情が渦巻いていました。今回6年くらいの時を経て、朝ドラの舞台に戻ってこられて、緊張や責任感を感じながらも「なつぞら」の経験はもちろん、今まで出会ってきた作品で学んできたことを活かせたらなと思いましたし、そういう風に心がけることで、今まで以上に視野が広がり、全体のことを考えながら作品に臨むことができました。
― 当時支えてくれた方や大切にしている言葉があれば教えてください。
鳴海:具体的に誰かに何かを言われたというわけではないのですが、作品は一人ひとりの力が合わさって、長い年月を経てようやく視聴者の方に届いているということを日に日に実感しています。自分は作品の一部であって、決して1人で作っているわけではないということを頭だけではなくて、心で理解できるようになり、成長しているのではないかと思います。
― 近年、様々な作品で活躍されていますが、いつか朝ドラヒロインや他のドラマで主演を務めたいという目標も?
鳴海:もちろん、いつか朝ドラのヒロインやドラマ主演を挑戦してみたいという思いはありますが、それよりも血の通った人物を演じることができる俳優になりたいと考えています。これからまたいろいろな役と出会っていくと思うのですが、限られた時間の中で役と向き合い、血が通った人を演じることができるよう努めていきたいです。
― 最後に視聴者の方に向けメッセージをお願いします。
鳴海:琴子の新聞社での一面と、お酒が入った時の全く違った一面のギャップを楽しんでいただけたら嬉しいです。また、琴子の愛のあるお節介によって2人の関係がどういう形で進展していくのか、ぜひ注目して観てください!
― 素敵なお話をありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆鳴海唯(なるみ・ゆい)プロフィール
1998年生まれ、兵庫県西宮市出身。2019年、NHK連続テレビ小説「なつぞら」でドラマデビューし、2023年にはNHK大河ドラマ「どうする家康」に出演。近年の主な出演作は、ドラマ「Eye Love You」 (TBS/2024)、「君が獣になる前に」(テレビ東京/2024)、「あのクズを殴ってやりたいんだ」(TBS/2024)、「わかっていても the shapes of love」(ABEMA・Netflix/2024)、「秘密~THE TOP SECRET~」(関西テレビ/2025)、 「地震のあとで」(NHK/2025)、映画「赤羽骨子のボディガード」(2024)など。2025年10月3日には、主演映画「アフター・ザ・クエイク」の公開を控える。
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