◆そもそも「ラマダン」とは?
ラマダン(ramadan)とは、イスラム教の太陰暦であるヒジュラ歴の第9番目の月の呼称です。
ドバイ観光局によると「都市の鼓動はスローダウンし、 内省、癒し、成長のために時間が費やされます。聖なる月の祝い方は国ごとに異なりますがラマダン中には、恵まれない人たちに施しを与え、彼らの気持ちを理解しようとする雰囲気の中で、日の出から日没までの間の断食、定期的なお祈り、慈善行為とつつましさが奨励されます」とのこと。
イスラム教徒の方はラマダン月の約1ヶ月、日の出から日没までの間、一切の飲食や喫煙などを断ちます。そのことにより空腹を経験をし、飢えた人や平等への共感を育み、積極的に喜捨(恵まれない人への施し)を行います。
この断食中は喧嘩や悪口、闘争などを断つことによって自身を浄化。日が暮れた断食明けは人々が食を分かち合う姿も見られます。ラマダンの時期は太陰暦で数えるため、私たちが普段使っている太陽暦のグレゴリオ暦では毎年11日ほど早めに。
この時期のドバイは、比較的涼しくて過ごしやすいため、観光客にとっても人気のシーズンです。ラマダン期間中にドバイを訪れた筆者としては、日中は観光地も空いている印象でゆっくりと過ごせました。
観光客が気をつけることとして、日中の断食をしている人の前では飲食を避け、喉が渇いたら少し隠れた場所で水を飲むなど配慮を心掛けるといいでしょう。
◆ラマダンのイルミネーションを楽しみながらショッピング
2025年のラマダン時期に、筆者は実際にドバイを訪れたのですが、想像とは異なりお祭りモードの町の姿に驚きました。
伝統とモダンなデザインが融合した複合施設「アル・シーフ地区」は人気の観光地。ラマダンのイルミネーションで彩られて夜はさらに美しかったです。
ここには可愛い洋服屋さんも多数あるのでショッピングもおすすめ。筆者もいくつかロングワンピースなどを購入しました。
また、歴史的な建築スタイルの店構えがSNSなどで人気のスターバックスもあり、周囲の街並みに溶け込む土壁でできたデザインの店舗を多くの人が撮影&休憩がてら訪れます。
◆ディナータイムをラグジュアリーに
基本的にはラマダン中でもレストランなどは通常営業しているため観光客は昼間の利用も可能。
しかし、夜になるとレストランもショッピングモールも多くの人で賑わうので、ラマダンならではの地元の様子が見られますよ。
夕日が沈んだ後のディナータイムは「イフタール」と呼ばれ、イスラム教の人にとっても楽しみの時間。多くの人が家族や友人と過ごして食事を満喫します。
今回、訪れたのはオシャレでラグジュアリーなレストラン「Gerbou」。アラビア語で「私たちのつつましい家にようこそ」を意味し、温かく迎え入れるアラブ文化の精神を体現しています。
店内のインテリアは椅子やテーブル、照明と、どれもこだわりを持ってセレクトされた家具で揃えられ、とにかくオシャレな雰囲気。
テラスもありスペースも広々としています。有名ブランドもイベントで貸し切るほど、今現地でホットなレストランです。
お料理は、ミシュラン星付きレストランでの経験を持つシェフ、イオネル・カタウ氏が率い、伝統と現代的な料理芸術を融合させ、エミラティやアラブ文化を讃える特別な食体験を提供。イフタールセットメニュー(ラマダン後のディナーセット)などの用意もあります。
サラダや前菜、メインのカレーなど工夫のあるお料理はどれも美味しく見た目も美しい。女子旅やデートでも楽しめるラグジュアリーな雰囲気も素敵です。
スイーツも繊細なデコレーションが施された、あっと驚く一皿が登場。
◆この期間しか見られない大砲発射の儀式
ドバイでは、ラマダンキャノン(Ramadan Cannon)という大砲発射の儀式が、ラマダン期間中に行われます。日没時に空砲を撃ち、イフタール(断食を終え日没後の食事)の時間を知らせるこの伝統は、10世紀のエジプトに由来し、ドバイでは1960年代から続いています。
今回は観光名所のバージュ・カリファ近くの広場で行われているラマダンキャノンを鑑賞。この時期だけのため、家族連れで見にくる観光客も見受けられ、会場の周りには多くの人が発射の瞬間を待っている様子でした。
時間になると、儀式がスタートして、想像以上の大きな大砲の音が響き、その迫力に驚かされました。
その後はバージュ・カリファの夜景なども楽しめるので、周辺をゆっくり散策もおすすめです。
◆ラマダン限定のコスメセットやグッズをチェック
ドバイモールのSEPHORAでは、世界的に有名なコスメブランドがラマダンのスペシャルコスメセットを販売しています。
ボックスがとっても可愛いのでギフトにもおすすめ。まるでクリスマスコフレのような内容、ボックスの豪華さに驚きました。観光客にとってはこの時期ならではの楽しみになるかもしれませんね。
同じくドバイモール内にあるダイソーでもラマダンのポストカードやリボン、装飾品などが販売されていました。こちらも可愛いのでチェックしてみてくださいね。
◆シェイク・ムハンマド文化理解センターでカルチャーを知る
シェイク・ムハンマド文化理解センター(通称:SMCCU)はドバイの文化や習慣を学べる施設です。全てのプログラムが英語を使って行われます。
歴史的な建物の中ではアラビア語レッスン、遺産ツアー、モスク見学などを体験可能。今回はラマダン期間中だけ行われるイフタールディナーとモスク見学のプログラムをこちらで体験してきました。
イフタールとは日中のラマダン(断食)を終え、日没後にいただく食事のことです。施設内では現地ホストを囲むように席について話を聞きます。世界中の人が集まっていることもあり、質問もたくさん上がりフランクな雰囲気でカルチャーを学ぶことができる印象です。
イフタールディナーは体に負担がかからないように先ずはデーツとアラビックコーヒーからはじまり、スープや飲み物、その後にさまざまな現地の料理、スイーツが並びます。まるでホームパーティーのようです。
モスクではお祈りの時間についてなどイスラム教についての話があり、ディナーとモスク見学を通してイスラムの文化をより深く知ることができます。
◆ライトアップされたモスクを見学
ラマダン中の夜はジュメイラモスクもライトアップされ、外から眺めるだけでも美しさについ見入ってしまいます。ただのライトアップではなく、豪華なプロジェクションマッピングのため、次々と雰囲気が変わるのが、また面白い。
そこまで人だかりがあるわけでもなく、ゆっくりと見学できるのも嬉しいポイントです。夜にモスクの近くを通る際は、ぜひチェックしてみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。ラマダン期間中は観光ができないのではないか?と旅行を避ける人もいるかもしれませんが、逆にラマダン期間だからこそ、できること、買えるものも多く、ドバイの旅がより豊かになるかもしれません。
これから数年間のラマダン期間はドバイのベストシーズンにもあたるので、ご旅行を検討中の方は参考にしてみてくださいね。 (女子旅プレス/modelpress編集部)
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