高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

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NHK「首都圏ネットワーク」のリポーター市村紗弥香は、気象予報士の資格を持っているそうだが、番組でやっていることは気象予報ではない。文字通り「お天気体感!中継」である。
コロナの影響で最近はNHK構内の外からやっているが、今日着てきた服がお天気に合っているかとか、気候と肌感覚とか、先日は蚊に刺されたことを報告していた。
NHK「お天気体感!中継」のリポーター市村紗弥香が気になる!...の画像はこちら >>
屋外での「天気の感じ」を報告した後、スタジオにいる気象予報士に振るということが仕事であるようだ。気象予報士が外でやれば済むコーナーだが、このわずか40秒ほどのコーナーで彼女の存在感が際立つ。しゃべり方が、まるで、今、走ってきて、すぐ喋っているような感じの息づかいなのである。

[参考]NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の脚本はやはりすばらしい

彼女の荒い息づかいのしゃべり方は、意識してやっているのだろうか、それとも元々がこういうしゃべり方なのだろうか。とにかく、一生懸命さが伝わってくるのである。

ネット情報によれば、彼女は24歳でアナウンサー志望であるという。だが、彼女のしゃべり方ではキー局、特にNHKでは局員アナウンサーには採用されにくいだろう。

だが、「首都圏ネットワーク」のような淡々とやる番組では彼女のような存在は貴重である。「首都圏ネットワーク」をBGMとして、原稿を書いている筆者の手は、彼女の登場によって必ず止まる。

「首都圏ネットワーク」が彼女を採用しているのは慧眼である。
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