※イメージ画像:『Dating Naked』より

 セレブや一般人の生活のありとあらゆる場面を世にさらけ出すのがリアリティー・ショーだが、リアリティー・ショー王国の米国が、とうとうこれ以上はないという領域に到達してしまった―—「全裸」だ。

 MTVの兄弟分とも言える、ニューヨークのケーブルテレビチャンネル「VH1」が7月17日より放送を開始した恋愛リアリティー・ショーの新シリーズ『Dating Naked(裸でデート)』は、参加者たちが離島のような僻地に集まり、全裸で恋人探しをするというもの。

 同番組は放送前から米国のテレビをはじめとするさまざまなメディアで取り上げられ、放送開始の数日前には、ロサンゼルスの街中で全裸ダンサーたちによるゲリラ・パフォーマンスがプロモーションとして行われ、話題となった。街中を、全裸のダンサーたちが複数組のカップルとなって、ステップを踏んだり、全裸のまま大きく開脚飛びをしたりしながら駆け巡る映像は必見だ。ダンサーたちはさまざまな年代や体型、人種で構成され、カップルも男性と女性、男性と男性、女性と女性の組み合わせがきっちりと用意されているのが、なんとも米国らしい。

 さて、大きな期待を受けて放送された初回の冒頭で、女性参加者の一人は次のように語る。

「インターネットでの出会いや人の紹介ではあまりうまくいかなかったの。だから、この番組に参加して、自分のすべてをさらけ出してみようと思ったの」

 たしかに、全裸になれば文字通り「すべて」をさらけ出すことになる。

ただ、さすがに公共の電波で「すべて」を見せるわけにはいかないので、女性の胸部と男女の局部にはボカシが入っている。また、参加者全員が常に全裸でいるわけではない。全裸になるのは、デートの時だけ。参加者は、別々の人と3回だけ全裸でデートをすることを許されている。

 参加者たちは、初めての裸デートをどのように乗り切るのだろうか―—特に、男性陣は。ある男性参加者は、「(相手の裸を見て興奮しないように)なるべくその事について考えないようにしてるよ。
ゾウとかサルとか、そういうことばかり考えてる…」と困り顔。自分との闘いに忙しく、もはや恋愛どこではないのではないか、と心配になるが、別の男性参加者からは「いつもなら3、4回はデートしないと相手の裸を拝むことなんてできないから、手間が省けていいよ」という余裕の声も。

 一方、女性参加者はというと、「最初は逃げ出したいと思った」「ものすごく緊張した」などと番組内でコメントしているものの、「途中から裸であることを忘れちゃった」と、時間が経つと案外慣れてしまうようだ。

 日本ではシェアハウスで男女が同居する『テラスハウス』(フジテレビ系)人気が続いているが、どこまでが演出か分からない「リアリティ」に慣れた我々の目に、『Dating Naked』でさらけ出される彼らの「ありのままの姿」はとても新鮮に映るはずだ。
(文=ツジエダサト)