目次
  • 訪問看護における連携強化の推進
  • 専門性の高い看護師による訪問看護の評価の推進
  • 医療ニーズの高い利用者の退院支援の見直し
  • 遠隔死亡診断の補助の評価

YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」の運営者であり、訪問看護ブログ「ビジケア訪問看護経営マガジン」の編集長、書籍『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック【第二版】』著者の杉浦良介です。

2022年4月、医療保険制度の診療報酬改定が行われ、さまざまな変化が予想されます。

その中で、訪問看護は「質の高い訪問看護の確保」を掲げ改定が実施されます。その柱は次の4つです。

  • 訪問看護における連携強化の推進
  • 専門性の高い看護師による訪問看護の評価推進
  • 医療ニーズの高い利用者の退院支援の見直し
  • 遠隔死亡診断の補助の評価

この4つの軸について改定する内容や、利用者にとってどのような影響があるのかを解説します。

訪問看護における連携強化の推進

まず、1つ目の柱である連携強化のポイントを下記にまとめてみました。

  • 感染や災害が発生した場合も、訪問看護の業務が継続できるように訓練などを普段から行う必要がある。
  • 複数の訪問看護ステーションが連携することで、24時間対応体制が整備しやすくなる。
  • 専門の研修を受けた看護師を配置し、住民からの相談に応じることが求められる。
  • 自治体や学校などへの情報提供を今までの15歳未満から、18歳未満の児童も対象となる。
  • 複数での訪問看護を行う場合の基準が緩和される。
  • リハビリ専門職による訪問看護は医師からの具体的な指示が必要になる。

これらの改定により利用者にとって、次のようなメリットが考えられます。

  • 感染症の流行や災害時も、普段通り訪問看護を受けられる。
  • 24時間対応の訪問看護ステーションが増える。
  • 質の高い看護サービスを受けられる。
  • 訪問看護を受けていなくても、訪問看護ステーションに相談しやすい環境ができる。
  • 訪問看護ステーションと高等学校、専修学校、特別支援学校、中等教育学校、高等専門学校との連携が強化される。
  • 複数名での訪問看護が受けやすくなる。
  • 医師の詳細な指示により質の高いリハビリテーションを受けられる。
  • 2022年度診療報酬改定で訪問看護におけるポイントの画像はこちら >>

専門性の高い看護師による訪問看護の評価の推進

次に2つ目の柱である専門性の高い看護師を育成することで、サービス内容が強化されます。

  • 施設基準に該当する褥瘡(じょくそう)ケアに係る研修内容の強化
  • 研修を受けた看護師が専門的な管理を含む訪問看護を実施したときの評価が新設される(専門管理加算)。
  • 医師が訪問看護師に特定行為の実施に係る手順書を交付された場合の評価が新設される(手順書加算)。

このように、看護師の研修における評価が変わります。これによって次のようなメリットが考えられます。

  • 緩和ケア、褥瘡ケア、人工肛門ケア、人工膀胱ケアなどに詳しい看護師による訪問看護を受けられる。
  • 医師と訪問看護師との連携が強化され、気管カニューレやカテーテルの交換、褥瘡の処置、輸液など質の高い医療的管理が受けられる。

医療ニーズの高い利用者の退院支援の見直し

また、入院中の患者が退院後に安心して在宅ケアを受けられるよう、退院支援でも改定が行われます。

  • 退院日に長時間の退院支援指導を行なった場合の評価が新設される。
  • 他の算定の兼ね合いで、今より退院日の退院支援指導が受けやすくなる。

今回の改定によって、より退院支援が利用しやすくなると考えられます。

  • 退院日から必要に応じて長時間の退院支援指導を受けられるようになり、退院後も安心して在宅療養ができる。
  • 病院に入院している人が、自宅で最期を迎えたい場合にも退院日の退院支援指導が受けやすくなる。
  • 2022年度診療報酬改定で訪問看護におけるポイント
    質の高い退院支援が受けられるようになる

遠隔死亡診断の補助の評価

この改定では、ICTを活用して遠隔死亡診断の補助を訪問看護師が行えるようになります。

これまで病院などに直接受け取りに行かなくてはもらえなかった死亡診断書が、オンラインで取得できるようになると考えられます。

今回は、2022年度診療報酬改定の訪問看護における内容について、改定のポイントと利用者さんにとってのメリットを説明しました。

訪問看護ステーション側には、ICTの活用、地域連携、医師との連携、研修、訪問看護ステーション間の連携などがより一層求められていることがわかると思います。

病気になって障がいを負っても、住み慣れた自宅で最期まで安心して生活するために、訪問看護は必要なサービスです。

今回の改定は、皆さんが質の高い訪問看護を受けられるようなプラスの改定だと思います。これからも良い方向に制度が改定され、皆がより安心して生活できる豊かな社会になれば良いですね。

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