目次
  • パーキンソン病の症状は主に運動機能に現れる
  • 治療や在宅でのリハビリ事例
  • パーキンソン病の人の家族・介護者が注意したいこと
  • パーキンソン病の症状は主に運動機能に現れる

    パーキンソン病は、50~60歳代で発症することが多く、具体的には4つの運動障がいが症状として現れます。

    パーキンソン病の4大症状

    1.振戦(しんせん) 安静にしているときに体の一部が震える症状が現れます。安静時振戦といいます。 2.固縮(こしゅく) 筋肉が固くなり、鉛のような抵抗感のことを指します。
    鉛管様固縮(えんかんようこしゅく)ともいわれます。 3.寡動(かどう)・無動(むどう) 動作を開始するまでに時間がかかり、動作が緩慢になる症状です。目のまばたきが減り、顔の表情も固くなります。また、字を書くときに文字が小さくなる小字症と呼ばれる症状が現れることがあります。 4.姿勢保持障がい バランスを保ちにくくなってしまう症状です。後ろから押されたときに足が出にくかったりするため、転びやすくなります。

    4つの症状のうち、1~3までの症状は3大症候と呼ぶこともあります。具体的には、次のような症状が現れます。

    • 歩行障がい(前傾姿勢、すくみ足、突進歩行、すり足、歩幅が狭くなる歩行など)
    • 表情が乏しくなる
    • 声が小さくなる
    • 手の動作が不自由になる
    • 飲み込みが悪くなる

    そのほか、運動機能以外にも以下のような症状があります。

    便秘、頻尿、立ちくらみ(起立性低血圧)、幻覚・妄想、うつ症状など

    ただし、すべての症状が現れるわけではなく、人によって症状が異なったり、病気の進行に伴って症状が変化したりすることがあります。

    指定難病であるパーキンソン病の4大症状と、在宅介護で注意すべ...の画像はこちら >>

    また、パーキンソン病と似た症状でも、異なる病気である場合があります。

    パーキンソン病と症状が似ている病気
  • 薬剤性パーキンソニズム
  • 脳血管性パーキンソニズム
  • 進行性核上性麻痺
  • 多系統萎縮症のパーキンソン型
  • 大脳皮質基底核変性症
  • 特発性正常圧水頭症
  • これらの症状が出たら、パーキンソン病のみならず別の病気である可能性もあるので、放っておかずにすぐに診断を受けましょう。

    治療や在宅でのリハビリ事例

    残念ながら、パーキンソン病の根本的な治療法はありません。現時点では薬による症状のコントロールが主な治療法となります。

    パーキンソン病患者は、薬を飲むことによって、体を動かしやすくなることが多いです。人それぞれ病状や生活リズムが異なるので、医師と相談しながら薬の種類や飲む時間、量などを決めていきます。

    また、外科療法(手術)として、脳深部刺激療法があり、脳の深部に電極を埋め込む治療法もあります。ただし、副作用を起こす可能性もあるので、実施するかは主治医とよく相談してください。

    薬や外科療法での治療とあわせて大切なのが、リハビリです。そこで、パーキンソン病のリハビリの種類を紹介します。

    【パーキンソン病のリハビリ内容】
    • 歩行や起居動作(寝返り、起きあがり、ベッド上の移動、座位、立ち上がり)などの基本動作練習
    • 自主練習の指導
    • 生活導線の確認および指導
    • 日常生活動作練習(入浴、食事、トイレ、更衣など)
    • 外出練習
    • 福祉用具選定の助言
    • 転倒しないような生活環境整備

    パーキンソン病といっても、人それぞれ症状や生活状況が異なりますので、その人にあったリハビリメニューを検討して実施することがほとんどです。

    パーキンソン病のリハビリの実例を2つ紹介します。

    【事例1】

    パーキンソン病の人は、すくみ足が多く現れます。自宅で、ベッドからトイレまでの移動に時間がかかってしまうため、まずは運動療法を実施します。

    それに加えて、ベッドからトイレまでの導線にテープを貼り、そのテープを目印にして歩行していただくような生活環境調整を実施します。

    パーキンソン病のすくみ足には「1・2・1・2」などの号令による聴覚刺激やテープなどの目印が有効とされています。

    【事例2】

    進行したパーキンソン病の場合、身体が固くなってしまうことがあります。そのような人については、ベッド上で関節可動域が狭くならないようにストレッチなどを実施します。

    体が固くなってしまうと、服を着たり脱いだりする動作が行いにくくなるため、普段から身体をなるべく柔らかくするような予防も必要といえます。

    パーキンソン病の人の家族・介護者が注意したいこと

    最後にパーキンソン病の人の家族や介護者が注意したい点をいくつか紹介します。そのために理解しておいてほしい3つのポイントがあります。

    1.病気の理解

    パーキンソン病は身体が動かしにくくなる病気です。そのため、薬が効いているときは動けても、薬が切れてしまうと動けなくなるといった特徴があります。

    この現象をオンオフ現象などといいます。家族・介護者は、パーキンソン病を患っている本人が動きたくても動かしにくい状態である点を理解することが大切です。

    体が動かしにくいオフの時間帯に介助が必要ならば、介助をしてあげるようにしましょう。

    2.制度の理解

    パーキンソン病は指定難病であるため、さまざまな制度が利用できます。

    例えば、パーキンソン病の重症度によっては、診察、薬、訪問看護、訪問リハビリテーションなどの医療費が助成される「指定難病医療費助成制度」の対象になります。

    こうした制度を活用し、家計の負担を軽減しながら病気と付き合っていくことがポイントです。

    3.サービスの理解

    急激に症状が悪化せず、緩やかに進行するため、比較的長い期間、病気と付き合うことが考えられます。日常的に介護をすることで介護疲れを感じてしまう家族もいるのではないでしょうか。

    定期的にデイサービスに通ったり、ショートステイを利用して家族や介護者がリフレッシュしたり、訪問看護や訪問リハビリを利用して自宅での生活を支援してもらうことも大切です。

    パーキンソン病の人が使える医療・介護サービスやパーキンソン病の人のための会合などもあるので、ぜひ活用しましょう。

    指定難病であるパーキンソン病の4大症状と、在宅介護で注意すべきポイントを解説
    症状に合わせて制度・介護サービスを活用しよう

    パーキンソン病は病気を正しく理解して、適切な治療を受けることで、安心した在宅生活を送ることができます。

    人それぞれ症状が異なるので、その人にあった選択をすることが大切です。主治医や担当のケアマネージャーとよく相談しましょう。

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