人生の参考になるようなストーリーや名言が虚構から生まれることは多い。映画や小説、そしてマンガ。
そこに、はっ、と気付かせてくれる言葉がある。

そこで独断と偏見で、「使えるマンガの名言」を3つ選んでみた。
 
その1

―― あきらめたら そこで試合終了ですよ (安西先生)

「スラムダンク」といえば真っ先に出てくるのはこの言葉。対戦相手が強くて、挽回不可能か、と思われるくらいの点差になったとき、監督に言われるこの言葉。実にシンプルで、真実を表している。
挫けそうになったときに、この言葉を思い出せば、諦めない心を保っていける。
自分が諦めかけていたことに気付かせてくれる。

・テスト終了まであと5分なのに、まだ手をつけていない大問が2つもあるとき
・目処がまったくつかなくて、帰れるかわからないほどの仕事を抱えているとき
・トイレに行きたいのに、渋滞に巻き込まれて身動きできないとき
・本業が年末進行デスマーチ中、新刊が落ちそうになったとき

諦めそうになったとき、この言葉を呟いて、自分を鼓舞してみるのもよいだろう。

その2

頭身がおかしい、公式設定の身長から割り出すと、翼の顔はハガキより小さい、などと話題になることのある「キャプテン翼」だが、著名なサッカー選手がかなり影響を受けている漫画でもある。
そんな「キャプテン翼」での名言。

全日本ジュニアユースに誘われた岬太郎は、迷っていた。いくら小学生時代に全国制覇したとはいえ、そして、そのときにコンビを組んでいた仲間たちとはいえ、3年間まともなクラブに属していなかった自分がチームに入ったところで、足手まといになるだけではないのか。
でもやってみたいという衝動は抑えられない。

そして、岬はこう言って全日本への参加を決意する。

―― 全日本に入らずに、あとになって入っておけばとくやむより、入ってみて、そこで失敗してくやんだほうがいいと思って (岬太郎)

つまり「やらずに悔やむより、やって悔やむ」ということだ。これは、なにごとにも通じる名文句ではないだろうか。中学三年生の言葉が、迷ったとき、後悔するのはやってからでも遅くはない、と伝えている。
 
ただし、欲しいものがあるが、ちょっと財布が寂しいときに「買わずに悔やむより、買って悔やむ」を信条として買ってしまったりすると、たちまち食費が圧迫されたりするので、ここぞというときの名言として心にとどめておきたい。

 
その3

体育会系文化部漫画といったらこれ! 「ちはやふる」
「このマンガがすごい!(宝島社)」でも取り上げられているので、読んだことのある人も多いかもしれない。
競技かるた、という、百人一首を題材にしたまんがだ。主人公の綾瀬千早は、小学生の頃に競技かるたと出会い、日本一、クイーンを目指す。
高校に入り、かるた部を結成、部員は少ないものの、全国大会に出場するまでになる。
ところが、成績が悪くなって留年の危機となり、顧問からは「次の大会には出ず、勉強しろ」と言われ、やむなく部室で勉強会となる。
成績のよい幼馴染で部長の真島太一だけがその大会に出るのだが、千早は勉強会を抜け出して大会を見に行ってしまう。
そのあと、学校に戻ってから、部員にこう言われる。太一は学年一位をずっと保っている。一位から落ちたらかるたをやめさせられる、と。そのあと、

―― やりたいことを思いっきりやるためには、やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ(駒野勉)

とても身に沁みる言葉だ。

この言葉のほかにも、
「自分のことでないと 夢にしたらあかん」(綿谷新)
「正々堂々とやって負けて、かっこ悪いことあるか!」(綾瀬千早)
など、様々な名言があり、まっすぐな思いの詰まったまんがだ。

さて、やりたい仕事をやるために、やりたくない仕事も思いっきりこなさねば!
 
(Written by とみー(碧))

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