「子供から目を離すな」「子供を守る」。言うのは簡単であるが、実行するのは非常に難しいようで、毎年のように悲しいニュースが飛び込んでくる…。
親といえども一人の人間。「少しならば大丈夫だろう」と、油断することも当然あるだろう。だからこそ周囲のサポートや、万全の予防策などが重要になってくる。

皆さんも日常生活でよく目にしている、マンションの付帯施設として全国で導入が進む機械式立体駐車場…
限られたスペースになるべく多くの自動車を停めたいというニーズに応える優れものだが、利用者や周囲にいる人が機械装置に挟まるなどして重傷を負ったり死亡したりする事故が多く起こっているということを皆さんはご存じだろうか。

内閣府大臣官房政府広報室が運営する「国の行政情報に関するポータルサイト」によると、平成19年度(2007年度)から平成25年度(2013年度)までの7年間で、207件の事故が起きており、うち10件では死亡者が、16件では重傷者が発生しているとのこと。そのうち3人の死者、4人の重傷者は運転者が連れていた子供だったとのことで、日常生活に身近な場所で、何件もの痛ましい事故が起きていることがうかがえる。

なぜこんなにも事故が多いのか…。
またまた内閣府大臣官房政府広報室が運営する「国の行政情報に関するポータルサイト」によると…
機械式立体駐車場はもともと大規模商業施設などから普及が始まったことから、専任の係員などが操作することを想定して設計されていたが、現在では、マンションなどへの普及に伴い、一般の利用者が駐車装置を直接に操作するケースが多くなっているとのこと。
駐車装置の設計・製造の段階では、必要な知識や技能を持った専門の係員が操作することを前提としていながら、実際に利用する段階ではそうした知識や技能を持たない一般の利用者が日常的に使っている、というズレが続いてきたのだそう。

すごく説得力がある説明であるが、だとすればすぐにでもその事故防止のための策を練る必要がありそうだ。

実は、以前当サイトでご紹介させていただいた、ポラスグループ株式会社 中央住宅が、9月25日に開催された、「第13回キッズデザイン賞」で、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門で受賞を果たしているのだが、そのデザインが機械式立体駐車場での子供が巻き込まれる事故を防いでくれるかもしれないという。

※以前の記事はこちら


それが「機械式駐車場での事故や怪我から子どもを守りたい」という想いのもと、機械式駐車場周りのウェイティングスペースを進化させ、より安全な空間を構築した『車の出し入れ まもるんスペース』だ。


面積4㎡、ベンチ・屋根付き、子どもの手の届かない高さに外側から施錠可能な扉付きという、ありそうでなかったデザインは画期的。

同社が手掛ける分譲マンション「ルピアコート西大宮」に企画・提案したものであるが、今回の受賞をきっかけにこのデザインが全国に広がっていくことを切に願いたい。子供の安全を守る製品を取り入れ、安心できる住宅の提供に努めるというポラスグループから今後も目が離せない。


【参考】
政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報
「いつも使っているから大丈夫」-本当ですか?機械式立体駐車場に潜む危険にご注意を


編集部おすすめ
Nicheee!の記事をもっと見る