寒い季節に鍋料理は欠かせませんよね。その多くは郷土の食材をいかしたものが多く、山の幸や海の幸など具材もだしも千差万別。
【ご当地おむすび】ほっくり香ばしい大豆の香り~♪素朴な甘み~♡奈良県の「奈良茶飯おむすび」作ってみた!
「飛鳥鍋」は牛乳を使った奈良県の郷土料理。起源はなんと飛鳥時代!
「飛鳥鍋」は鶏肉や野菜を牛乳とだし汁で煮込んだ、奈良県の鍋料理。だしはかつおや昆布ではなく、鶏ガラスープを使います。
諸説ありますが、奈良県は日本で牛乳飲用初の地と言われています。『新撰姓氏録』(しんせんしょうじろく)という書物に、7世紀半ばの飛鳥時代に中国大陸から牛乳が伝わり、渡来人の子孫である善那使主(ぜんなのおみ)が孝徳天皇へ献上したところ、大変喜ばれたと記述があるそうです。乳牛が宮中で飼育されるようになり、貴族が牛乳を飲むようになったのだとか。
次第に他の階級の人々にも牛乳が広まり、飛鳥の里では鶏肉を牛乳で煮込んだ「鶏肉の牛乳煮」が誕生。山で厳しい修行に励んでいた僧侶たちが食するようになったそうです。これが「飛鳥鍋」の起源と言われています。
長い歴史のある鍋なんですね!牛乳は栄養が豊富なので、修行僧の栄養食として食べられていたのも納得。
牛乳と白みそを入れるのがポイント!「飛鳥鍋」を作ってみた!
『ズームイン!!サタデー』で「飛鳥鍋」を紹介していたのは、奈良県橿原市にあるダイワロイヤルホテル THE KASHIHARAの和食料理長・橋本了さん。スープの作り方を教えていましたが、材料の詳しい紹介はなかったため、さまざまなレシピを参考にした筆者オリジナルのレシピで作ってみたいと思います。
【材料】(4人分)
鶏もも肉…1枚 ※今回は約280gを使用
木綿豆腐…1丁
白菜…200g
にんじん…1本
ごぼう…1本
しいたけ…4枚
水…500ml
牛乳…500ml
鶏ガラスープの素(顆粒)…大さじ1
白みそ…大さじ2
片栗粉…大さじ2
水…大さじ2 ※水溶き片栗粉用
1.鶏肉、豆腐、野菜を食べやすい大きさに切ります。
鶏肉はやや大きめのひと口サイズに切りました。ごぼうはあく抜きのため薄く斜め切りにして、水にさらしておきます。
2.鍋に水と鶏ガラスープの素を入れて煮立て、白みそを溶かしてから牛乳を加えて混ぜます。
白みそを溶かしたスープに牛乳を入れます。500mlも牛乳を入れるので「ミルクスープ」を作っている気分に。
3.水溶き片栗粉をスープに加えて混ぜます。
番組では水溶き片栗粉を入れると牛乳が分離しにくいと、橋本料理長が伝えていました。この裏ワザは知りませんでした!
水溶き片栗粉を入れて混ぜましたが、とろみが付いた感じはほとんどありません。
4.鶏肉、ごぼう、にんじん、しいたけを入れて煮込みます。
火が通りにくい具材を先に入れます。「飛鳥鍋」のレシピを調べたら、ごぼうを入れるレシピがほとんどでした。
鍋にごぼうを入れるのは珍しい気もしますが、「飛鳥鍋」の特徴のひとつなのかもしれませんね。
フタをして中火で10分ほど煮込みました。
5.豆腐と白菜を加えて、全体がやわらかくなるまで煮込みます。
鶏肉や根菜を煮込んだ後に豆腐と白菜を入れたら再びフタをして、さらに7分ほど煮込みました。
ごぼうが味のベースに!牛乳も白みそもかなり控えめであっさりです♪
材料を切ってから30分くらいで完成しました。真っ白いスープの「飛鳥鍋」は「ミルクスープ」にそっくりです。
真っ白なスープに鶏肉、豆腐、しいたけ、にんじん、ごぼう、白菜と野菜がたっぷりと入っています。
スープに水溶き片栗粉を入れたおかげで、牛乳はまったく分離していません♪
スープは牛乳の味がするかと思いきや、なんとごぼうの風味が広がります!牛乳らしさも白みそらしさも突出せず、色の割にはかなりあっさりとしています。
かつおや昆布だしではなく、鶏ガラスープを使っているので完全に和風という感じでもなく、和でも洋でもない不思議な感じがしました。
締めは「チーズリゾット」にアレンジ!
スープが残っていたので、ご飯茶碗1杯分程度のご飯とピザ用チーズをひとつかみ入れて、「チーズリゾット」にしてみました。
3分くらい加熱して完成!潔いくらい真っ白なリゾットになりました。少し黒こしょうを振ってアクセントを。
食べてみると、もちっとした食感です。チーズが溶け込んでいることもあるのでしょうが、スープに水溶き片栗粉を溶かしている効果が現れているように思います。
さらっとでもなく、どろっとでもなく、もちっ!一般的な鍋つゆで作った雑炊とは違う食感に驚きました。チーズを入れたので、味は乳製品らしさがアップしましたが、それでもあっさりとしていましたよ。
見た目は洋風なのに味はあっさり。「飛鳥鍋」は見た目とのギャップが大きい、新感覚の鍋でした。牛乳が珍しかった時代には、この真っ白さがとても珍しく感じられたでしょうね。興味のある方はぜひ「飛鳥鍋」を作ってみてくださいね。
<参考文献>
WEB
『マイ大阪ガス~深~い歴史を持つ奈良のご当地鍋「飛鳥鍋」って?~』
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1283108_38851.html
『農林水産省・うちの郷土料理~奈良県 飛鳥鍋』
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/asuka_nabe_nara.html
2022年11月12日放送の情報番組『ズームイン‼サタデー』では、奈良県で古くから親しまれている「飛鳥鍋」を紹介していました。だしは牛乳、白みそ、鶏ガラスープ。洋風な感じなのに、起源はなんと飛鳥時代とか!古代の方が舌鼓を打った鍋は、どんな味なのでしょう?
【ご当地おむすび】ほっくり香ばしい大豆の香り~♪素朴な甘み~♡奈良県の「奈良茶飯おむすび」作ってみた!
「飛鳥鍋」は牛乳を使った奈良県の郷土料理。起源はなんと飛鳥時代!
「飛鳥鍋」は鶏肉や野菜を牛乳とだし汁で煮込んだ、奈良県の鍋料理。だしはかつおや昆布ではなく、鶏ガラスープを使います。
諸説ありますが、奈良県は日本で牛乳飲用初の地と言われています。『新撰姓氏録』(しんせんしょうじろく)という書物に、7世紀半ばの飛鳥時代に中国大陸から牛乳が伝わり、渡来人の子孫である善那使主(ぜんなのおみ)が孝徳天皇へ献上したところ、大変喜ばれたと記述があるそうです。乳牛が宮中で飼育されるようになり、貴族が牛乳を飲むようになったのだとか。
次第に他の階級の人々にも牛乳が広まり、飛鳥の里では鶏肉を牛乳で煮込んだ「鶏肉の牛乳煮」が誕生。山で厳しい修行に励んでいた僧侶たちが食するようになったそうです。これが「飛鳥鍋」の起源と言われています。
長い歴史のある鍋なんですね!牛乳は栄養が豊富なので、修行僧の栄養食として食べられていたのも納得。
筆者は「飛鳥鍋」を食べたことがないので、この機会に作ってみたいと思います。
牛乳と白みそを入れるのがポイント!「飛鳥鍋」を作ってみた!
『ズームイン!!サタデー』で「飛鳥鍋」を紹介していたのは、奈良県橿原市にあるダイワロイヤルホテル THE KASHIHARAの和食料理長・橋本了さん。スープの作り方を教えていましたが、材料の詳しい紹介はなかったため、さまざまなレシピを参考にした筆者オリジナルのレシピで作ってみたいと思います。

【材料】(4人分)
鶏もも肉…1枚 ※今回は約280gを使用
木綿豆腐…1丁
白菜…200g
にんじん…1本
ごぼう…1本
しいたけ…4枚
水…500ml
牛乳…500ml
鶏ガラスープの素(顆粒)…大さじ1
白みそ…大さじ2
片栗粉…大さじ2
水…大さじ2 ※水溶き片栗粉用
1.鶏肉、豆腐、野菜を食べやすい大きさに切ります。

鶏肉はやや大きめのひと口サイズに切りました。ごぼうはあく抜きのため薄く斜め切りにして、水にさらしておきます。
2.鍋に水と鶏ガラスープの素を入れて煮立て、白みそを溶かしてから牛乳を加えて混ぜます。

白みそを溶かしたスープに牛乳を入れます。500mlも牛乳を入れるので「ミルクスープ」を作っている気分に。
3.水溶き片栗粉をスープに加えて混ぜます。

番組では水溶き片栗粉を入れると牛乳が分離しにくいと、橋本料理長が伝えていました。この裏ワザは知りませんでした!

水溶き片栗粉を入れて混ぜましたが、とろみが付いた感じはほとんどありません。
さらっとした状態のままです。
4.鶏肉、ごぼう、にんじん、しいたけを入れて煮込みます。

火が通りにくい具材を先に入れます。「飛鳥鍋」のレシピを調べたら、ごぼうを入れるレシピがほとんどでした。
鍋にごぼうを入れるのは珍しい気もしますが、「飛鳥鍋」の特徴のひとつなのかもしれませんね。

フタをして中火で10分ほど煮込みました。
5.豆腐と白菜を加えて、全体がやわらかくなるまで煮込みます。

鶏肉や根菜を煮込んだ後に豆腐と白菜を入れたら再びフタをして、さらに7分ほど煮込みました。
ごぼうが味のベースに!牛乳も白みそもかなり控えめであっさりです♪

材料を切ってから30分くらいで完成しました。真っ白いスープの「飛鳥鍋」は「ミルクスープ」にそっくりです。

真っ白なスープに鶏肉、豆腐、しいたけ、にんじん、ごぼう、白菜と野菜がたっぷりと入っています。

スープに水溶き片栗粉を入れたおかげで、牛乳はまったく分離していません♪
スープは牛乳の味がするかと思いきや、なんとごぼうの風味が広がります!牛乳らしさも白みそらしさも突出せず、色の割にはかなりあっさりとしています。
見た目が「クリームシチュー」や「ミルクスープ」に似ているので、それらの味を想像してしまいますが、まったく似ていません!
かつおや昆布だしではなく、鶏ガラスープを使っているので完全に和風という感じでもなく、和でも洋でもない不思議な感じがしました。
締めは「チーズリゾット」にアレンジ!

スープが残っていたので、ご飯茶碗1杯分程度のご飯とピザ用チーズをひとつかみ入れて、「チーズリゾット」にしてみました。

3分くらい加熱して完成!潔いくらい真っ白なリゾットになりました。少し黒こしょうを振ってアクセントを。

食べてみると、もちっとした食感です。チーズが溶け込んでいることもあるのでしょうが、スープに水溶き片栗粉を溶かしている効果が現れているように思います。
さらっとでもなく、どろっとでもなく、もちっ!一般的な鍋つゆで作った雑炊とは違う食感に驚きました。チーズを入れたので、味は乳製品らしさがアップしましたが、それでもあっさりとしていましたよ。
見た目は洋風なのに味はあっさり。「飛鳥鍋」は見た目とのギャップが大きい、新感覚の鍋でした。牛乳が珍しかった時代には、この真っ白さがとても珍しく感じられたでしょうね。興味のある方はぜひ「飛鳥鍋」を作ってみてくださいね。
<参考文献>
WEB
『マイ大阪ガス~深~い歴史を持つ奈良のご当地鍋「飛鳥鍋」って?~』
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1283108_38851.html
『農林水産省・うちの郷土料理~奈良県 飛鳥鍋』
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/asuka_nabe_nara.html
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