家庭菜園だからこそ楽しめるヒントをお届け!ぬるぬるとした粘り気のある食感が特徴の野菜たち、ツルムラサキ、キンジソウ、オカワカメ、モロヘイヤをピックアップ。タネをまく料理人坪内さん、ベテラン菜園家の小笹さんオススメの情報です。

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ツルムラサキ

育ててみたい!ネバネバ野菜4選

DATA

[ツルムラサキ科]
●まき時期:5月~6月上旬
●収穫時期:7月~10月頃
●必要な資材:支柱や園芸ネット
●可食部:ツル先15cmくらい、若い葉、花
●増やし方:タネ、挿し木

ツルが伸びたら摘芯し、わき芽を多く出させて収穫

ツルムラサキは熱帯アジア原産で暑さや乾燥にも強く育てやすいツル性植物です。

茎が紫色のものと、緑色のものがありますが、茎が紫色のものが原種で独特の土臭い香りや癖が強く、葉が小さく、茎も細いです。上の写真のように茎が緑色のものは、大きな葉がつき、癖が少ないので比較的食べやすいです。

十分に暖かくなった5月以降にタネをまき、ツルが伸びてきたら支柱に誘引して育てます。

ツルが1mほど伸びたら摘芯を兼ねて、ツル先15cmくらいのやわらかい部分を折り採って収穫するといいでしょう。摘芯することで、わき芽がたくさん出てくるので、長期間収穫ができます。

おひたしや和え物などのほか、油との相性もいいので天ぷらや炒め物にも。鉄分やミネラルを豊富に含み、健康野菜としても注目されています。

花も食べられます。花が終わったら染料としても利用されてきた紫色の果実ができ、タネが採れます。

キンジソウ

育ててみたい!ネバネバ野菜4選

DATA

[キク科]

●植え時期:5月中旬~6月下旬
●収穫時期:7月~11月頃
●必要な資材:とくになし
●可食部:葉
●増やし方:挿し木、株分け

葉が緑と紫のリバーシブル、挿し木で増えて育てやすい

加賀野菜のひとつで石川県ではキンジソウ(金時草)ですが、熊本県ではスイゼンジナ(水前寺菜)、沖縄県や鹿児島県ではハンダマと呼ばれています。

熱帯アジア原産で、タネができない多年草の植物なので、挿し木や株分けで増やします。

暑さには強いのですが、乾燥や寒さは苦手です。霜よけや寒さよけをしてやると冬越しできます。


キンジソウは葉の表が緑色、裏が紫色をしていて、鉄分やポリフェノールなどを多く含む健康野菜です。茎が30cmくらい伸びたら株のほうに2節ほど残して先の若い茎を摘みます。茂ってきたら適度に剪定して風通しよくすることで、わき芽も多く出て、霜が降りる頃まで収穫ができます。

葉をゆでるとぬめりが出て、シャキシャキとした食感になり、ゆで汁が赤紫に色づきます。独特の土のような香りがありますが、おひたしや酢の物、和え物など、さまざまな料理に使えます。

オカワカメ

育ててみたい!ネバネバ野菜4選

【DATA】

[ツルムラサキ科]

●まき時期:5月中旬~6月上旬
●収穫時期:7月~霜が降りるまで
●必要な資材:支柱や園芸ネット
●可食部:ツル、葉、花、ムカゴ、球根
●増やし方:ムカゴ、挿し木

旺盛にツルを伸ばして育つ、栄養満点の健康野菜

オカワカメは暑い夏でも生育旺盛なツル性の植物です。

日本へは中国経由で「雲南百薬」として伝わりました。百薬という名の通り、ミネラルやビタミンを豊富に含み、栄養価が高い健康野菜です。

支柱にツルを誘引して育てます。ツルが1m程度伸びて、肉厚で光沢のある大きめの葉がつき始めたら、葉の収穫を開始。暑くなる7月頃から霜が降りるくらいまで長く楽しめます。

葉はゆでるとぬるっとワカメのような食感になりますが、あまり癖がなく、おひたし、炒め物、サラダ、天ぷらなどさまざまな料理に利用できます。

葉のほか、ツル先などの若い茎や秋に葉の付け根につくムカゴ、球根も食べられます。


苗が手に入らなければ、ムカゴやツルの挿し芽で増やせます。冬になると地上部は枯れますが、多年草なので株元に土を盛るなど、霜よけをしておくと、翌年また新しい芽が出てきます。

モロヘイヤ

育ててみたい!ネバネバ野菜4選

DATA

[アオイ科]

●まき時期:4月中旬~6月上旬
●収穫時期:7月~9月下旬
●必要な資材:黒マルチまたは草マルチ
●可食部:やわらかい葉 ※注意:花とタネは有毒
●増やし方:タネ、挿し木

栄養満点のモロヘイヤは、ネバネバ野菜の代表格

モロヘイヤはアラビア語で「王家の野菜」という意味で、古代エジプトの王の病気を治したという話が伝わるほど栄養豊富な野菜。

暑さには強く、ぐんぐん生長します。乾燥にも強いのですが、葉がかたくなるので保湿は必要です。

霜の心配がなくなり、十分暖かくなってからタネをまくと順調に育ちます。

草丈が30cmくらいのときに摘芯し、草丈40~50cmくらいになったら収穫を開始します。葉先の10~15cmを手で摘みます。摘めば摘むほど、次々にわき芽が出てきて、収量が増えます。ハサミでないと切れないような茎についている葉はかたくておいしくありません。

モロヘイヤはアクが強いので、さっと下ゆでして調理します。刻むと出るぬめりを生かしたスープやサラダ、酢の物などがおすすめ。

9月頃、気温が下がってくると黄色い小さな花が咲き、タネができます。
花やタネは有毒なので食べられません。

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育ててみたい!ネバネバ野菜4選
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