「年齢操作」の意味

「年齢操作」(ねんれいそうさ)とは、主に二次創作系の作品につけられる検索タグのひとつ。キャラクターを原作に存在しない年代で描くこと。連載中の現在では絶対に見ることのできない、「大人になった推し」や「幼少期の推し」の妄想を具現化した作品群。

▼年齢操作作品の例
・『SPY×FAMILY』のアーニャ中学生編
原作のアーニャは小学一年生であり、低学年の児童ならではの破天荒さが特徴である。しかし、子供のままでは恋愛的な萌えを摂取することはできない。ダミアンとの思春期真っ盛りなじれじれ片想いが見たい、という妄想から爆誕したのがこの中学生編である。もちろん原作には存在しない。

・『ちびまる子ちゃん』の高校生~OL編
原作のちびまる子ちゃんは、小学三年生で年齢が固定されており、進学して大人になる様子を描かれることはない。しかし、まる子が大人になり花輪くんや丸尾くんたちと変わらぬ友情……いやそれ以上の関係を築いていたらエモくない? という妄想からオトナなまる子ジャンルが爆誕してる。

似たジャンルとして「ダメな大人に成長して、相変わらず風間君にウザがらみする野原しんのすけ」や「しずかちゃんとの関係が進みそうで進まない学生のび太」などがある。

・幼児化、幼稚園児化
登場キャラクターの多い作品によく見られるジャンル。
「『鬼滅の刃』のキャラが、鬼殺隊も鬼も全部幼児になってキャッキャしてたらかわいいよね」とか「『ハイキュー!!』のキャラが、全員同じ幼稚園で楽しく過ごしてたらいいよね」とか「『おそ松さん』の6つ子が長男以外全部幼児化して、お兄ちゃんにお世話されてたらおもしろいよね(6つ子とは……?)」といった妄想を具現化したもの。
もちろん、幼児化はひとりだけで「幼児になった兵長をエレンがお世話してたらエモエモのエモ」な作品もある。

「年齢操作」の由来・語源

語源はそのまま、キャラクターを原作にない年齢に操作していることから。
同人誌黎明期から『聖闘士星矢』や『キャプテン翼』キャラを愛くるしいショタへと変貌させる幼児化作品は存在しており、その歴史は古い。ただその頃は単純に「幼児化」「ショタ化」と呼ばれることが多く「年齢操作」とタグづけ用の名称が生まれたのはpixiv等タグ付け可能なウェブ投稿サイトが流行してからと思われる。

ひとくちに「年齢操作」といってもストーリー上の年齢変動発生はさまざまである。

▼未来の姿、過去の姿
単純に未来予想、過去回想として書いたもの。『サザエさん』『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』など、作品上の時間軸が変動しない作品と相性が良い。時間が前後する原作の場合、本編で過去回想や遠い未来の展開が描かれてしまい、二次創作が解釈違いに陥ることがある。

▼老化、若返り現象
原作と同じ時間軸だが、何らかの理由で特定のキャラだけが急成長したり、若返ったりする話。『Fate/GrandOrder』のように人知の及ばないトンデモ現象が許容されている作品や、『おそ松さん』のようなリアリティラインが非常に低いギャグ作品に多い。

▼パラレルワールド
原作には存在しないIf展開や、ありえない設定を付け足した作品。歳の差キャラが同い年になっていたり、同い年キャラが歳の差カップルになっていたり。または非業の死を遂げたはずのキャラが主人公の子供として産まれなおしているなど。原作にとらわれない非常に自由な作風が多い。

「年齢操作」の活用

「A×Bの年齢操作系名作を発掘してしまった……!」
「原作がハードなぶん、キャラが幼児化していい子いい子されてる作品とか癒されるもんね」
「いやそれがまさかの大人展開」
「えー? 原作のBって生死不明じゃなかった?」
「Bを見つけ出して幸せにするまでのAの過程がね……めちゃくちゃに切なくて泣けるんよ」
「ナイス年齢操作」

ショタ(しょた)

幼児化(ようじか)

逆行(ぎゃっこう)