回収された海洋ゴミ。
“このウェアは海をきれいにする”。
①プラスチックゴミを分別して砕く。 ②①を溶かして夾雑物を取り除き、ペレットに整形。 ③ペレットを溶かしてステープルという繊維にする。
「まず再生ポリエステルの原料となるペットボトルなどの海ゴミを採取し、選別して洗浄、砕き、溶かして、“ペレット”と呼ばれる小さなチップに。それを溶かして綿状の繊維“ステープル”(上写真③)になります。ここまではアメリカのリサイクル原料メーカーが行い、我々はそのステープルを購入し、プロジェクトをともにする中国のメーカーに依頼。そこで生地を作るのです」。
ステープルに綿のワタをブレンドして糸を紡ぐ。
ペットボトルを原料にした再生ポリエステルの糸は以前からあった。しかしそれらの採集先は陸の上。今回は“海からのモノ”にこだわった点が比類なき歩みとなっている。きっかけはブランドの日本展開が決まった際に生まれた“海へ恩返しできる何かを備えたい”という思いだった。「創業者のデニー・ムーアさんはマリブで生まれ、サーフィンをして育った、海を愛する人物。本国での展開もサーファーのカジュアルウェア的なイメージが強い。ならば改めて、海があるおかげで生まれ、今日まで続けられたことに感謝しよう。これから先も海と歩めるブランドにしていこう。そう思い、海ゴミのリサイクルにこだわる事業となりました」。生まれ変わったマリブシャツの製品は、Tシャツなら1.5Lのペットボトルが5本近く使われている。まさに海をきれいにして作られるウェアとなった。