ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作か...の画像はこちら >>



「May the AIR FORCE 1 be with you」とは…… 

エア フォース 1といえば、スニーカーカルチャーに欠かすことのできないマスターピースのひとつ。今年で40周年を迎えるその長い歴史において、ニュースとなったモデルも少なくない。


そんなエア フォース 1の魅力に取りつかれ、日本屈指のコレクターとなったYUSUKE TAKEIさんに、スニーカー史に大きな影響を与えた珠玉の6足を教えてもらった。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

YUSUKE TAKEI●25年に亘りエア フォース 1を集め続け、SNKRSでも紹介されたナイキ公認のコレクター。600足以上を誇るコレクションは現在も増え続けており、ありとあらゆるモデルを知り尽くしたエア フォース 1マスターといえる。



【1足目】オリジナル(1982年)

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

1982年に発売された最初のモデル。すべての歴史はここから始まった。


「エア フォース 1を語るうえで、まずこの一足を外すわけにはいきません。1982年に発売されたエア フォース 1のファーストモデルです。

白のアッパーにシルバーのスウッシュを配した最初期モデルは、通称“エア フォース ゼロ”と呼ばれています」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史



「若干プロトタイプ的な意味合いもあるので、今のモデルとは仕様が違います。まず、ほかのモデルにあるベンチレーションホールがありませんサイドパネルがメッシュになっているところも特徴のひとつです。

本当はくるぶしにストラップが付いているんですが、僕のはなくなっちゃいました。『NIKE AIR』のロゴが配されたヒール部分には、現行モデルだとスウッシュが入ります」。


ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

当時のモデルはヒール部分にスウッシュが付かない。


手に入れたのは20年以上前、購入金額は発売当時の値段よりやや安い2万円ほどだったという。いまでは骨董品のような存在で、めったに市場に出回らない超レアな一足だ。

エア フォース 1の原点にしてオリジナル。すべての歴史はここから始まったといっても過言ではないルーツオブルーツである。


【2足目】インディペンデンス デイ(1997年)

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史



続いて紹介してくれたのが、アメリカの独立記念日を祝し1997年に初登場した、通称「インディペンデンス デイ」。

ストレートなネーミングと、星条旗を彷彿させるトリコロールカラーが印象的な一足だ。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

メタリックブルーの輝きがハイテク感を加速させる。


「エア フォース 1は、ハイカットが’82年、ローカットが’83年、そしてミッドカットが’94年に初めて登場しました。

’90年代はハイテクスニーカーブームだったので、尖ったデザインがいっぱい出てきた時代なんです。モダンなシルエットのミッドカットも、そのハイテクの流れを汲んで生まれました。

そんなミドルカットの中で、もっとも傑作と言われているのがこのモデルです」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

通称“ジュエルスウッシュ”と呼ばれる立体的なディテールもこの時代に誕生。


’90年代のハイテクスニーカーブームとリンクしたエア フォース 1。オリジナルの誕生から10年以上を経て登場したミッドカットは、まさに時代の産物だったというワケだ。

実は、40周年を迎える今年、ナイキが推すのもミドルカットらしい。この「インディペンデンス デイ」も25年ぶりに復刻されることが決まっているというから、再び話題を集めることになりそうだ。
--{}--

【3足目】白蛇(2001年)

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

つま先からヒールにかけてスネーク柄のプリントが施される。


「次はこれ、通称“白蛇”です。海外では“ココアスネーク”と呼ばれているモデルです。

エア フォース 1って基本は単色で、ハイカットとローカットはスウッシュだけ色違いみたいなカラーパターンしかなかったんです」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史



「そんな状況のなか、ダンクとかエア ジョーダンに用いられるようなカラーブロックをローカットで初めて採用したのがこのモデル。しかもいきなり派手な柄で(笑)。

“COJP”という日本企画からリリースされたのですが、日本人のこだわりの強さみたいなものを感じますよね。既存の概念を打ち破る、まさにエポックメイキングな一足だと思います」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

2006年、2018年と過去に2度復刻するほどの人気モデル。


この白蛇モデルが発売されたあと、ローカットのバリエーションは一気に広がっていく。
 
「当時はエア フォース 1を買うために並んだりすることはなかったんですけど、まだネットにも情報が出回る前に雑誌の『BOON』でこれが紹介されていて、徹夜して行列に並んで買いました(笑)」。


【4足目】20周年記念モデル(2002年)

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史



「4足目はエア フォース 1の20周年につくられたモデルを紹介します。初期のモデルを再現したデザインがポイントですね。

特別話題になったというわけではありませんが、周年を記念してつくられたのはこれが初めてなのでピックアップしました」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

誇らしげに施された「20th」の刺繍。


記念すべき周年モデルゆえ、再現したデザインはかなり忠実なのだろうと思いきや……。

「オリジナルをオマージュして、サイドパネルがメッシュになってはいるんですが、ベンチレーションホールは普通に付いています。これをつくった人たちはあまり細かいところまで気にしない性格だったのかもしれませんね(笑)」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

1982年のオリジナルと比較するTAKEIさん。


ちなみに、ナイキがエア フォース 1の周年として特に力を入れたのが、25周年のとき。世界中で期間限定のポップアップストアがオープンするなど大きな盛り上がりを見せた。

アニバーサリーモデルを辿って歴史に触れていくというのも、40年の間、ロングセラーを誇るエア フォース 1だからこそできることだろう。

--{}--

【5足目】ウエノ サクラ(2004年)

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

ヌバック素材のプレミアムレザーにピンクのアウトソールが映える。


アッパーに描かれた模様や、専用の収納ボックスなど、明らかにほかとは違う雰囲気を放つこちらのスニーカーの正体は?

「5足目は、通称“サクラ”と呼ばれているモデルを選びました。アッパーにレーザー加工で桜模様が刻印されていて、アートのような独特の存在感が特徴です」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

金のシューストッパーも豪華。


「ヒール付近に“UENO”の文字が刺繍されていますよね? このモデルはアメ横に拠点を構えるミタスニーカーズさんの提案で生まれ、上野界隈のみで2004年に発売されました。当時の定価は2万3000円程度でした。

上野って、日本のスニーカーカルチャー発祥の地なんですよ。ヴィンテージとかが主流になる前、海外限定モデルなどは上野に行けばなんでも集まるという感じでしたから」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

木箱の中まで桜柄が入るスペシャル仕様だ。


海外での評価も高く、世界最大のスニーカー・ストリートファッションの祭典「コンプレックスコン(ComplexCon)」では、歴代のエア フォース 1の中で人気ランキング2位に輝く快挙を遂げた。

「日本人がつくったエア フォース 1のデザインには名作と呼ばれるものが多くありますが、サクラはその代表的なモデルですね」。


【6足目】「オフ-ホワイト」コラボ(2018年)

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

ミッドソールには"AIR"、インサイドには“Off-White™ c/o Nike® "AF1"の文字がブラックで刻印される。


TAKEIさんが選ぶ最後の一足は、人気ブランド「オフ-ホワイト」とのコラボ作だ。


「2010年くらいから徐々にコラボモデルが広がってきたのですが、デザインそのものより、コラボ相手にスポットが当たるようになりました。その決定的な出来事が、オフ-ホワイトとのスニーカーです」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史

インソールにはナイキとオフ-ホワイトのロゴが。


オフ-ホワイトのデザイナーだったヴァージル・アブローは昨年11月に逝去したが、彼がルイ・ヴィトン在籍時にデザインしたエア フォース 1が、サザビーズで35万ドル(約4000万円)で落札されたことは記憶に新しい。

「ヴァージルが最初にコラボしたこのモデルは、エア フォース 1の35周年という節目を祝うべくお披露目されたものです。

ロサンゼルスで開催されたコンプレックスコンの会場限定で発売されたこともあり、入手難度が高く、いまも探している人が多いと思います」。

ナイキ公認「エア フォース 1」コレクター直伝。6足の名作から振り返る40年史



レブロン・ジェームズやケビン・デュラントといったNBAのトップスターをはじめ、クリスティアーノ・ロナウドなども愛用する本モデル。

類まれなる才能の持ち主が遺した貴重なエア フォース 1は、現代のカルチャーを築いた一足であり、たしかにコレクターならずとも手に入れたくなる。


知るほどに魅せられるエア フォース 1の世界は、実に奥が深い。

「永久定番のエア フォース 1なので、これからも面白いモデルが出てくるはずです。ぜひいろいろなところにアンテナを張って、お気に入りの一足を手に入れてください」。

「May the AIR FORCE 1 be with you」とは……
ナイキ「エア フォース 1」が誕生から40周年。
万人を魅了する“フォースの魔力”に迫る。
上に戻る
編集部おすすめ