ハーレーといえばドカーンと足を前に投げ出して、どこまでも続くまっすぐな道が似合うアメリカンバイク。

一方のトライアンフは世界最古と言われるバイクメーカーで、往年の雰囲気を宿したクラシカルなバイク。


そんなイメージを180度転換するハーレー&トライアンフの「アドベンチャーバイク」(その名の通り世界中を冒険するためのオン・オフロード兼用バイク)が実は今、人気だ。



話題作がスペシャルになったハーレーのアドベンチャー

まずはハーレー。往年のハーレーファンも驚くブランド初のアドベンチャーモデル「パンアメリカ1250」が昨年デビューした。

ハーレー&トライアンフのアドベンチャーバイクが人気。伝統も引き継ぐ最新モデルをレビュー

ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250スペシャル」。


伝統のVツインエンジンながら、話題の新しい水冷エンジンを搭載し、ハーレーで見たことのないスタイル、そして上級グレードである写真の「スペシャル」には革新的なサスペンション「アダプティブライドハイト」が備えられた。

ハーレー&トライアンフのアドベンチャーバイクが人気。伝統も引き継ぐ最新モデルをレビュー


 
このサスペンションは、停車時にシート高を自動で下げて乗り降りをしやすくしてくれ、速度がのってくると自動的にシート高を上げてくれる。

これまで足つきや安定感が心配で、座高の高い大型のアドベンチャーモデルをためらっていた人には朗報だろう。

ハーレー&トライアンフのアドベンチャーバイクが人気。伝統も引き継ぐ最新モデルをレビュー

車両本体価格はパンアメリカ1250が235万7300円~、パンアメリカ1250スペシャルが274万5600円~。 


あらゆる路面や走行状況で快適に乗れるよう、サスペンションの制御は「コンフォート」「バランス」「スポーツ」「オフロードソフト」「オフロードファーム」の5種類から選択可能。 

さらに針が動くメーターの代わりにタッチ式デジタルディスプレイが備わり、速度を表示してくれるだけでなく、ライディングモードのカスタムもここで行える。もちろんスマートフォンとのBluetooth接続も可能だ。

ハーレー伝統のドロドロと唸るエンジンを、最新機能を備えたアドベンチャーバイクとして楽しむ。そんな“新体験”は、ハーレー好きも、アドベンチャーバイク好きも、一度は跨ってみる価値ありだろう。

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実は歴史あるトライアンフのアドベンチャー

それに対してトライアンフのアドベンチャーバイクが「タイガー」だ。

実は同モデルは80年以上の伝統を持つ、同社では古株モデル。1973年にはひとりの冒険家によって世界一周も果たしている歴史ある車種。 

ハーレー&トライアンフのアドベンチャーバイクが人気。伝統も引き継ぐ最新モデルをレビュー

トライアンフ「タイガー1200GTプロ」。車両本体価格は239万4000円~。


最新型の「タイガー1200」シリーズと、「タイガースポーツ660」シリーズは、同社の象徴であるトリプルエンジンを搭載。それぞれの車名の数字は排気量を示している。

いずれもあらゆるギアで鋭い加速を味わえるトルクフルなエンジンであるとともに、1200シリーズは最高出力150psと、未舗装の砂利道から高速道路まで気持ちの良い走りを楽しめる。

1200シリーズにはオンロード志向のGTシリーズと、オフロード性能の高いラリーシリーズがあり、どちらも長距離を走る際に便利な30Lタンク(標準は20L)を搭載するタイプが用意されている。

200mmのストローク幅があるサスペンションが採用され、ライダーの好みに合わせてシート高を20mm変えることができる。

ハーレー&トライアンフのアドベンチャーバイクが人気。伝統も引き継ぐ最新モデルをレビュー

トライアンフ「タイガースポーツ660」。本体車両価格は112万5000円~。


ライディングモードは「ロード」「レイン」「スポーツ」「オフロード」「カスタムモード」の5種類。さらにラリーグレードには、より過酷な冒険を可能にしてくれる「オフロード・プロ」モードも備わる。

一方のスポーツ660シリーズは、通勤など普段の生活から週末のツーリングまでこなせるオールラウンダーなアドベンチャーバイク。

タンク容量は17L、ライディングモードは「ロード」と「レイン」の2種類が設定されている。

ハーレー&トライアンフのアドベンチャーバイクが人気。伝統も引き継ぐ最新モデルをレビュー
 


1200シリーズとスポーツ660シリーズ、どちらも液晶ディスプレイが備わり、ターンバイターン・ナビゲーション機能や電話応対、音楽操作、さらにGoProコントロールを利用することができる。

これなら毎日の移動も、大陸横断の冒険も、両方存分に楽しめそう!


ハーレーダビッドソン、トライアンフともに、ブランドの“顔”とは違う一面を見せてくれているアドベンチャーバイク。絶賛再ブレイク中と言われるバイクシーン、どうやらまだまだ脇見厳禁のようだ。
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