日産「サクラ」。
▶︎この記事の画像ギャラリーを見る車の電動化が進むと、趣味としての車と普段の“足”としての車の、二極化が進むと言われている。普段使いに最適化された軽EV

奥のアリアと同じく未来感のあるエクステリア。もちろんグリルは、エンジンを冷やす必要がないので閉じている。
サイズは同社の軽自動車「デイズ」とほぼ同じ。体積を取るとされるバッテリーは床下に配置されているから、室内もデイズ同等に広々だ。1回の充電での走行可能距離は約180km。同社のアリアの470km(66kWh)/610km(91kWh)と比べると見劣りするが、普段使いの車としての使用距離(1日約30km)なら、日曜の夜に充電すると、だいたい次の金曜日の夜まで充電しなくても走れる。
日産の先進安全運転支援技術「プロパイロット」を装備。自動駐車機能「プロパイロット・パーキング」も用意されている充実の装備。
そもそも1日の走行距離は約53%の人が30km以下、約84%が100km以下(日産調べ)だ。ちなみに東京と横浜間が約30km。茅ヶ崎まで行っても約60kmだから十分往復できる。
水平基調で、突起したボタンもほぼないシンプルなインテリア。助手席前はちょっとした棚のようにラウンドしているので、スマホなどを置いても落ちにくい。
試乗してみると、「エコ」はイメージとしては制限速度40km以下の街中で走るにはちょうどいいモード。「スタンダード」を選べば国道のバイパスもラクラクこなせて、「スポーツ」になると2Lガソリン車なみに高速道路の合流でギュィ~ンと加速できる、という感じ。
3本スポークが主流のなか、アリアと同じく左右でリング部分を支える2本スポークステアリングが新鮮。
街中などで車が多いときは、「エコ」モードで「eペダルストップ」をオンにするといいかも。アクセルから足を離すだけで減速できるのでオススメだ。ブレーキペダルを踏む機会が激減するから街中での運転が格段にラクになる。
カフェラウンジをイメージしたというベンチシート。
新しい生活に寄り添う車の気になる価格

後席はラゲッジ側から簡単に倒すことができる。
未来感のあるデザインで、軽自動車にありがちな“生活感”がないのも大きなポイントだ。液晶パネルがドーンと並んだシンプルなインパネや、2本スポークのステアリングなど、インテリアも今までの軽自動車とはまったく違う。これで家に太陽光発電を備えてサクラに充電できるようにすれば、太陽の力だけでずっと走れる。サイズは軽自動車だけど見た目はサイバーチックで燃料代要らずなんて、まさにこれからの乗り物と言えるだろう。
普通充電と急速充電に対応だから、遠出することも可能だ。
価格は233万3100円~294万300円。まだちょっと高いかな、なんて思うかもしれないが、今年4月から国の補助金制度の上限が上がって、最大55万円の補助を受けられるから、実質178万3100円~239万300円になる。