1:汎用性の高い太さは「2~3mm」

サイトのどの部分に使うのかを考えてみよう。
まず、見た目にも違いがわかりやすい「太さ」について考えていこう。大抵の場合、太さと強度は比例する。「強いロープがあれば何にでも使える」という考えは間違いではない。しかし、太さはしなやかさ(使いやすさと言い換えてもいいだろう)に反比例するので、細かい用途には使いづらい。つまり、「用途に合わせて、適度な太さのロープ」を選ぶのが正解だ。
上から太さ6mm、4mm、2mm、2.4mm、1mm。
店でよく見るのは、1~6mm径のもの。6mmは樹間に張って大型のタープを引っ掛けるなど、かなり強い負荷がかかる場面で役立つが、嵩張るし、重たくて扱いづらいのでキャンプにはなくてもいい。極端な使い方をしないなら、太くても4mmあれば十分だろう。2:ロープ内の「芯の数」にも注目

芯の本数は「中芯」や「CORE」と表記されている。
アウトドアで使うロープは、強度を出すために撚り糸の芯(コア)を外装(マントル)で覆った2層構造になっている。この「芯の本数」にも注目していただきたい。
これは4mm径で7本の芯が入っているタイプ。
芯の本数は、耐荷重の大きさに比例する。一般的に太さが増すにつれて芯の本数は増えるが、同じ太さでも本数が異なる製品があるのが面白いところ。その場合、本数が多いものは強度が高く、逆に本数が少ないものはしなやかで扱いやすいと考えよう。3:「耐荷重」の表記を探してみよう

製品によって数値は大きく異なる。
ロープの構造と芯の役割が理解できたら、続いて「耐荷重」の表記を探してみよう。耐荷重とは=ロープの強度。
どちらも2mm径だが上は芯が4本。下は1本。耐荷重は倍以上違う。
つまり、強風時に大きな負荷がかかり得る大型のテントやタープの設営に使う以外は、よほどの悪天候下や特殊な使い方をしなければ、極端に大きな耐荷重は必要ないことがわかるだろう。ちなみに、基本的な構造は同じロープだが、芯の本数と耐荷重の大きさによって、パラコード、タクティカルコード、マイクロコード、ナノコードなどと呼び分けられている。--{}--4:切り分けるなら、長さは「30m」は欲しい

切り分けたときに必要な長さを計算してから買い物に出かけよう。
長ければ長いほど良いように感じるが、扱い慣れないうちは長過ぎると使用後にまとめるのが大変。ほどくときも絡まってしまって、ロープを使うこと自体が嫌になってしまう。メインのリッジラインとして張る場合、1本10mもあれば十分事足りる。テントやタープの張り綱として使う場合は、テントのサイズによって3~6mほどの長さが数本あると便利だ。+α:「カットした後の処理」をお忘れなく

すぐに触ると溶けたロープが指について火傷の原因になるので要注意。
前述の通り、アウトドア用のロープの多くは撚り糸の芯を編み構造の外装で覆っている。なので、カットした切り口をそのままにしておくと、ロープはどんどんほつれてしまうのだ。カット後には、忘れずにほつれ防止の末端処理を行いたい。
完成形はこんな感じ。
やり方は簡単で、ロープの断面をライターで軽く炙り、溶けた先端を金属などに押し当てて平らにする。まだ柔らかいうちに指で軽く成形したらできあがり。◇必要な長さや本数に万人に当てはまる正解はなく、各々のキャンプ装備によって異なる。初めのうちはつい余計に持ってしまいがちだが、使っていくうちに自分のキャンプに必要な長さや本数がわかってくるはずだ。