新型スクランブラーを彩るデザインがもうすぐ完成
グーチョキパー(GOO CHOKI PAR)は、石井 伶氏(写真左)、飯高健人氏(写真中央)、浅葉 球氏(写真右)からなるグラフィックデザインユニット。これまでに東京パラリンピックのアイコニックポスターやNHKの大河ドラマ『どうする家康』のロゴデザイン、さらにはイッセイ ミヤケやナイキなどのブランドと多彩なコラボを行ってきた。https://gcp.design/
日本を代表するグラフィックデザインユニット「グーチョキパー(GOO CHOKI PAR)」が、「NEXT-GEN FREEDOM(次世代の自由)」を掲げる新型スクランブラーを実際に見て、跨り、アート目線で自由なバイクの楽しみ方を提案してくれたのが前回のこと。「たくさんの人たちに、デザインからバイクに興味を持ってもらいたい」と、さまざまなグラフィックや、それを使ったTシャツ、ステッカー、ポスター、そしてメインとなるバイクのラッピングデザインなどを検討してくれた。今回は、3人のアトリエにうかがい、完成間近の現状を聞いた。イタリアのバイクと日本のカルチャーを融合させる
構想段階で手描きをしてみたバイクのデザインパーツの一部。
――今回、新型スクランブラーをイメージしたデザイン製作をして頂いた感想を教えてください。(※名前は敬称略)浅葉 実際に作り始めてみると、ヴィジュアル的にできることの振り幅が思っていた以上に広くて楽しいですね。飯高 バイクラッピングのデザインもほぼ完成していますが、車だったたら少し派手過ぎるかなって感じるぐらい大胆にデザインできました。フリーダムを掲げる新型スクランブラーだからこそ、違和感なく自然に馴染んだなと思います。石井 バイクってデザインできるパーツが限られていますよね。でも、その中でなんの制限もなく自由にデザインさせていただけたので、自分たちも“フルスロットル”でデザインを楽しめてるなって(笑)。今回のデザインでは「デジタルな線だけじゃなく手書きの線を重ね、ディテールにまで表情をつけた」と石井さん。
――デザインにあたって特に意識した部分はありますか?浅葉 ドゥカティはイタリアのバイクブランドですが、今回は日本での企画なのであえて日本の伝統的なデザインやポップカルチャーなどと組み合わせられたらいいなって。手書きの文字にも拘ったという飯高さん。
飯高 日本的なモチーフは多く取り入れましたね。カタカナで「ドゥカティスクランブラー」って文字を入れたり、松や日の丸の絵柄を入れてみたり。他にも、日本の陶器の絵付けのような線やグラデーションなども意識して描いています。3人がデザインした、国内の新型スクランブラーキャンペーンロゴ。
石井 ロゴにも使った「ドゥカティスクランブラー」というカタカナは、既存の書体じゃなくて、飯高が手書きしました。まずひとりがデザインをし、そこに3人でブラッシュアップを加えながらひとつのデザインを作っていくスタイル。
飯高 漢字という案も考えたんですけど、ドゥカティをあて字にすると「慟迦亭」「怒迦帝」!?……だいぶ暴走族みたいな雰囲気の印象なので(笑)。手書きにするなら、やっぱりカタカナかなって。待望の新世代として2代目へと進化を遂げた新型スクランブラーは空冷803ccのL型2気筒ツインエンジンを搭載。同一スペックの3つのキャラクターを設定し、左からスポーティ志向の「フルスロットル(予価147万5000円~)」、スクランブラーシリーズのベースとなる「アイコン(予価127万8000円~)」、さらにスポークホイール採用の「ナイトシフト(予価147万5000円~)」。
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——バイクのラッピングデザインは、3人でどのように作業を進められたのでしょうか?ドゥカティジャパンからのパーツのデータを元に、各自が持ち寄ったグラフィックを組み合わせていく。
石井 それぞれデザインするときの役割や得意分野みたいなものはあるんですが、僕らも3人でやってきた経験が長いので、ジャズみたいにフリーにセッションしながら、役割を横断してブラッシュアップしていった感じです。常に3人でコミュニケーションしながら作品を作り上げていく。
——バイクラッピング 以外にも、ロゴやポスター、ステッカーなどをデザインしていますが、制作期間はどのくらいですか?飯高 実際に3人でやりとしながら作っていった期間は、2~3週間くらいでしたね。コラボTシャツもグーチョキパーがデザイン。男心をくすぐるスペシャルピースは、イベント参加者にプレゼントする予定だ。
石井 新型スクランブラーは、元々のバイク自体が洗練されているので、それに付け加えるデザインを考え出すのには少し時間がかかったというか、苦戦しました。浅葉 ここも手書きのほうが面白い質感が出るんじゃないかとか、そこまでしなくていいんじゃないかとか、結果ポスターのデザインなどは線をかなり手書きにしたのは大変でしたね。アナログのテイストも活かすため、デザインにはペンや画材も豊富に使われている。
石井 グラデーションとかノイズを出すために、あえて手書きをスキャンして、パソコン上でエフェクトをかけて。でも、WEBやSNSなどで紹介されるときはデジタルなので、ちょっとピクセルっぽい要素とかも取り入れてみたり。浅葉 複数の色じゃなく、一色でグラデーションを作ったほうが合うかなとか、色味や質感の部分は時間をかけましたね。イベント応募フォームはコチラ!全体も細部も、楽しいバイクに
今回のグラフィックでも、独特な中間色やグラデーションが多用されている。
浅葉 あとは、やっぱり細部のデザインパーツにも注目してほしいですかね。所々にバイクのヘッドライトやステップ、Scramblerの「S」の文字とかが隠れていたり、近くで見てもいろいろな“発見”を楽しんでもらえると思います。飯高 なにより、バイク好きではない人たちにも、デザインから「おっ!」ってバイクに興味を持ってもらえたらいちばん嬉しいですよね。浅葉 今回デザインしたいろんなグラフィックを見て、「なんかバイクって楽しそう」って思ってもらえるのが理想だね。横並びに作業をする3人の仕事場。
石井 日本であることを意識したから、海外の人にも見てもらいたいですね。今回発信する日本の新しくて自由なバイク文化みたいなものを、少しでも伝えられれば。飯高 ドゥカティの本国があるヨーロッパとかで、自分たちがデザインしたスクランブラーが走っているところを見れたりしたら、最高だよね。渋谷の一角にあるグーチョキパーのアトリエにて、取材は行われた。
浅葉 秘密にしようかと思っていたんですが、実はバイクラッピング のデザインの中に、グーチョキパーを表す「GCP」って文字も入っています。これはウォーリーを探せじゃないですが、ぜひイベント当日、実物で「GCP」も探してみてください(笑)。10月25日。グーチョキパーの3人も登場する新型スクランブラー発表イベントに30名を限定招待!