「もう雪道、山道に行かざるを得ない」
三菱・ミニキャブトラック特装車4クローラー(1997年~)

車体が軽くて、小さいから狭い道もガンガン行けるのが軽自動車の強み。それにクローラー(※)をつけたら、もう天下無双!? とばかりに三菱自動車が販売した特装車。
ある意味雪道や山道タイヤの究極。軽自動車ファンの間でも「最強かも」との噂の一台だ。クローラー部分はノーマルタイヤとの交換もでき、ぬかるみや積雪地等以外は普通の軽トラとして使える。ほぼ同時期にホンダとダイハツにもクローラー仕様の“軽”があったが、現在はいずれも生産が終了している……。
※戦車や建築車両でよく見る、ゴムや金属のベルトを利用した駆動形式。タイヤよりも地面との設置面積を格段に広くとれるため、圧倒的な悪路走破性を持つ。
それぞれの時代のなかで、さまざまなニーズに対応してきた軽自動車。熱すぎる想いを感じるひとクセもふたクセもあるこんな車が案外、軽自動車の未来のあり方を、示唆していたりして……。

籠島康弘=文