シーズン連載「海辺の看板娘という名の愉悦」
酒を通して人を探求する大好評ドキュメンタリー連載、「看板娘という名の愉悦」。普段は首都圏の飲み屋街を練り歩く筆者だが、せっかくの夏。
「海辺の看板娘」、ラストは由比ヶ浜の海の家。

自然派ワインに特化した角打ちに後ろ髪を引かれつつビーチを目指す。

絶好の海水浴日和とあってビーチは大いに賑わっていた。

お伺いしたのは、厳選された国産黒毛和牛を提供する「かまくらBBQくらぶ」。

店内には看板娘の姿。

好きなお酒を聞くと「芋焼酎の水割りですね」と力強いご回答。海の家で焼酎の水割り。いいではないか。

看板娘、登場

こちらは汐里さん(23歳)。名前も海の家の看板娘にふさわしい。
「趣味ですか? うーん、サーフィンとお酒を飲むことぐらいです(笑)」
彼女の失敗談が面白い。
「六本木のクラブイベントで飲みすぎて、ドレス姿のままクラブの裏口で寝ちゃったんです。目の前のガールズバーの女の子が心配して『コートあげるから帰りなよ』って。お礼を言って素直に借りて帰りました(笑)」

そんな汐里さんは義侠心も持ち合わせている。
「これもほろ酔いの朝帰りで京急に乗ったときの話ですが、中学生の野球部の集団がめっちゃうるさくて。小さい子供が立っているのに席も譲らなくて、思わず注意しました。さらに、Tシャツに学校名が書いてあったからあとで電話してクレームを入れました(笑)」

ここでオーナーの奥村さんが登場。彼もサーファーだ。

奥村さんいわく、「今日は『チョッピー』といって海から浜に打ち寄せる、バラバラな形の悪い波。。形が崩れるからサーフィンには向いていないんですよ」。


なお、奥村さんは「Looser」というウェットスーツブランドもプロデュースしている。

海の家は開放感もあり、お客さんとの距離もぐっと縮まる。汐里さん目当てで毎年来てくれる人も多いという。

「ずっとお話しして仲良くなったんですが、後日『遊んでくれてありがとう』という動画メッセージを送ってくれました」
女性スタッフにも汐里さんの印象を聞いてみた。
「アイドル的存在。まず、笑顔が目を引くでしょう。仕事を覚えるのも早いし、まさに看板娘」

さて、小腹が空いたのでフードもいただこう。

注文したのは「鎌倉侍カレー」(1500円)。鎌倉といえば鎌倉幕府を開いた武将の源頼朝である。芋焼酎の水割りもお代わりした。

濃厚なルーとカラッと揚がったカツ。

「海辺の看板娘」、ラストにぴったりのお店でした。今年の営業は8月31日まで。汐里さん、駆け込みで来る人、あるいは来年を目指す人に向けてメッセージをお願いします。

【取材協力】
かまくらBBQくらぶ
住所:神奈川県鎌倉市由比ヶ浜4-1101-26地先
電話番号:080-3394-7319
www.kamakurabbq.com
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石原たきび=取材・文