食う“寝ず”遊ぶカリフォルニア●旅先(=非日常)で得るインプットは、男の日常のアウトプットに大きな影響を与える。1981年生まれ、一児の父、オーシャンズ世代ど真ん中のトラベルエディター伊澤慶一さんは、だから今日も旅に出る。
前回は美味しいコーヒーを紹介しましたが、 “飲む”だけじゃなく“呑む”も充実しているのがロサンゼルスのダウンタウン。かつてLAガイドブックの制作で、マリブからシルバーレイクまで、人気レストランを50軒以上を取材したことがありますが、マイ・ベスト・LAレストランもまた、ここダウンタウンにあります。
0次会なら「エヴァーソン・ロイス・バー」へ
まず1軒目。明るいうちから飲み始めるなら「エヴァーソン・ロイス・バー」へ。外見には、ただ「BAR」という看板が掲げられているだけの隠れ家的存在ですが(しかも、いかついセキュリティが常駐)、実はダウンタウンでも指折りの人気店。

恐る恐るセキュリティの脇を抜け、バーカウンターを横目に中庭まで進むと、だいたい日も暮れぬ早い時間から大勢のローカルたちでにぎわっています。

ここではシャルキュトリの盛り合わせやカルパッチョ、フィンガーフードなどをつまみに、グラスワインやオリジナルカクテルなどを楽しむ、0次会的な使い方がオススメです。

ただ、こちらも午前2時まで(日曜は0時まで)開いているので、先ほど素通りしたバーカウンターに座り、バーテンダーの鮮やかな手さばきに酔いしれながら遅めの1杯を楽しむのもあり。その場合の移動は、安全を考えてタクシーやUBERなどで!

EVERSON ROYCE BAR
1936 E 7th St, Los Angeles
http://www.erbla.com/
「パーチ」でダウンダウンを見渡しながら乾杯
冒頭の写真で紹介したこちらの「パーチ」も、明るいうちからの1杯にオススメ。まずはエレベーターで13階まで上がり、そこで一度乗り換えます。15階がフレンチビストロ&バー、さらに16階がいわゆるルーフトップバーで、ダウンタウンの景色を360度見渡せる貴重なビュースポットになっています。

週末はブランチから営業、平日でも16時からアペリティフアワーと称してお酒が飲めるようになっており(わかってらっしゃる!)、観光で疲れた合間にちょっと休憩なんて使い方もいいと思います。

空が狭く感じるダウンタウンですが、ここを訪れると開放的な気分に浸れて、リフレッシュできます。
PERCH
448 South Hill St, Los Angeles
https://www.perchla.com/
要予約の大人気レストラン「マニュエラ」
ディナーでホットなスポットといえば、こちらの「マニュエラ」。アートギャラリー施設「Hauser &
Wirth Los Angeles」内にある知る人ぞ知るレストラン(今ではすっかり有名ですが)。カジュアルな雰囲気ながら、壁や天井にはポール・マッカーシーやマーク・ブラッドフォードといった地元アーティストの作品が飾られています。

食材も地元産にこだわり、提供する水も逆浸透膜システムを使って不純物を除去するなど、食の安全を徹底しています。

「オーガニック」「サステイナブル」「エシカル」をキーワードにしたニューアメリカン料理は今、ロサンゼルスの流行ではありますが、こちらの人気は一歩抜けている印象。毎日営業しているディナーは要予約なのはもちろん、火曜から金曜までのランチタイムや、土・日曜のブランチも大変混むため、早めの時間に出かけるのが吉ですよ。

MANUELA
907 E 3rd St, Los Angeles
http://www.manuela-la.com/
私的ベストLAレストラン「ベスティア」
最後に、冒頭でロサンゼルスの「MYベストレストラン」と言っていたのが、こちらの「ベスティア」。アート・ディストリクトから歩いて行ける倉庫街の一角にあり、お店もそのまま倉庫をリノベーション。

オープンしたのは2012年ですが、今も本当に予約がいっぱいで、1カ月前からでもなかなか席が取れず……22時30分からの枠が空いているだけでもラッキーと思えてしまう人気店です。予約なしでいく場合は17時の開店時ならバーエリアに座れる可能性はあるので、その少し前から並ぶといいでしょう。

シャルキュトリの盛り合わせ、ピザ、サラダ、パスタetc.いつ、何を食べても美味しく、どれも味がしっかりしているのでワインが進みます。
僕が行くときはとにかくいつも超満員で、活気がすごく、大声で話さないと何を話しているか聞こえないほどなので、静かに食事をしたいときには向いていません。
BESTIA
2121 7th Pl, Los Angeles
https://bestiala.com/

伊澤慶一●1981年生まれ、一児の父。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。60カ国以上の渡航歴を持つが、いちばんのお気に入りはハワイ。